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紋章の行方  作者: 蒼京院 叶舵
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6.真王の帰還

6.真王の帰還


リュックはダミアン・クリュヴェイエの牧場へ息子のルイを連れ、時折足を運んだ。この牧場はピエール王がダミアンの引退時、国への貢献の感謝として送ったものだった。ピエール王がまだ王位に就く前『引退したら牧場をしながら過ごしたい』と一度だけ語ったダミアンの言葉をピエールはずっと覚えていたのだった。広大な牧場は、妻のベルナデットと、一人息子のカルロスで切り盛りをしていたが、先のロマニアとの戦いで、どちらもロマニア兵に殺されてしまっていた。ロマニアがロレンヌへ攻め入った際、ダミアンは干し草を届けに城に向かっていて牧場を離れていた。

ロマニア兵と干し草用のフォークで応戦したダミアンは、決死の覚悟で戦場を抜け出して牧場へ戻ったが、そこには変わり果てた妻と息子の無残な姿があった。

ロレンヌ王国がロマニア国と変わった今でも、城からは良好であるダミアンの干し草の要求が続いていた。

最早、ピエール王も家族もこの世にはいなかったが、ダミアンは変わらぬ王への忠誠と感謝、家族への愛を胸に、一人で牧場を切り盛りし、牧場を取り上げられない為にも干し草を届け続けることを選択していた。

リュックはダミアンと交流を深めることで、その素性を深く知ることとなり、互いの絆を深めていった。また、かつて父のピエール王に剣を教えたダミアンは、ルイに亡き王や息子の面影を重ね、まるで自分の孫の様に可愛がった。時には剣術や馬術を教えていたので、ルイは五歳ながら既に一人で馬に乗り、剣を振り回せるようになっていた。

ダミアンはかつての約束通り、リュックとミシェルの情報の交換役としても活躍した。ミシェルが牧場に来れば早いが、場外へ出るときは必ず監視を付けられていたので、それは出来なかった。そんな作業効率の悪い中ではあったが、リュックたちは着々と国を奪還する準備を進めていた。


今日は干し草をまとめ、城へ運ぶ日だった、ダミアンは早朝四時に目を覚まして外に出ると、馬小屋が騒がしいことに気が付いた。馬泥棒の可能性もあったので、一度家に戻り剣を持ち出すと、馬小屋へそっと近付いた。やはり中で人がゴソゴソ動いていて、馬が警戒して騒いでいる。

「おい!お前、何をしている⁉」

「あっ、いや、良い馬だなって見ていただけだよ」薄暗い中でそう弁明する男はモジャモジャの髭を蓄えた大柄の男で、説明の際に挙げた両手の内、右手は肘から下が無かった。

「馬を見るのにゲート外して鞍を載せる必要は無いだろう。お前、その枷、囚人だな?」

「おい、じいさん、面倒臭いな。いいからこの馬、よこせよ」

「ダメだ。お前の様な男にやる馬は無い!」そう言ってダミアンは男に斬りかかった。

 男はダミアンの一撃をかわし、すかさず懐に入ると、拳をダミアンの顎めがけて下から上に振りぬいた。顎を拳で打ち抜かれたダミアンはそのまま後ろに吹き飛んだ。

 男はダミアンの剣を奪い取るとダミアンへ突き付けた。

「何をしている!」ダミアンの危機に現れたのはリュックだった。ダミアンの手伝いをする為にやってきたが、騒々しかったのでそれに気付くとすぐに駆け付けた。

「おっと・・・更に面倒なことになってきたな」

「リュック!脱獄した囚人だ!気を付けろ!」

「リュック?リュックだって?」

「おい、剣を捨てろ!」そう言ってリュックは抜刀した。

「お前、生きていたのか!俺を覚えているか?」

「貴様は?」

「どおりで腕の傷が痛むわけだぜ。お前も顔や胸の傷が痛むだろ?」

「ああ」そう言うとリュックは自身の胸を押さえ、その部分を見つめると、ハッとして顔を挙げた。「貴様、ジャックか」

「ははは、運命の再会ってやつだな!」ジャックはそう言うと、水を得た魚のように剣をブンブンと振り回し、舌なめずりをして剣を構え直した。

「ジャック、何故、貴様は牢獄にいたのだ?そして何故、脱獄したのだ?」

「それに答える筋合いはない!」そう言ってジャックはリュックに斬りかかった。ジャックの剣がリュックの脇腹目指して振りかかる。

リュックはジャックの剣を受け力いっぱい振り払った。そしてすぐにジャックの首めがけて剣を真っ直ぐ突き出した。ジャックは後ろに仰け反ると、リュックの足元を蹴りはらった。リュックは転び、ジャックはその隙に起き上がり、再び剣を構えた。

「さあ、かかってこい!」ジャックは左を前に剣を構え、リュックの斬撃に備えた。

 リュックは真っ直ぐ突っ込むふりをして前に突っかかったが、そのままジャックの足元に転がり、下からジャックの足元めがけて剣を振りぬいた。ジャックはそれを剣で受け、そのまま地べたに転がると、二転三転とそのまま転がり、距離をとって立ち上がった。

「リュック、お前、やはり良い腕をしているな。お前と殺りあっていると心が躍るぞ」

「相変わらずいかれているようだな」リュックはそう言うと、今度は剣を右から左に振りぬいた。

 ジャックはそれを剣で受けると、肘から下が無い右腕を剣に添え、力いっぱいリュックを弾き飛ばそうとした。リュックはそれを呼んでいて、スッと力を抜き、ジャックが倒れかかった瞬間に左手でジャックを地面へ押さえ付けた。

「さあ、どうする?」今回はリュックに軍配が上がった。

「まいった。俺の負けだ」ジャックはすぐに降参した。片手ではリュックに太刀打ち出来ないと覚悟を決めた。

「脱獄理由と馬泥棒未遂の理由を話してみよ」

リュックはジャックに弁明の機会を与えた。かつてクロディーヌを襲った野蛮な男、しかし戦い方には騎士道精神の様なものが感じられ、理由も無く脱獄や盗みをするとは思えなかった。

「チッ、俺が捕まった理由ね。そうだな、お前は昨今まで続いていたペルキリア国との小競り合いを知っているか?」

「ああ」

「俺はそこの最前線の指揮を任され、常に緊迫した状況下に置かれていた。その中でロマニア本国から来た、聞いたことも無い、いけ好かない男に理不尽な理由で絡まれ、斬りかかられたのでな、とっさにその男の首をスパンと刎ねてしまった。それで俺は反逆罪。反逆罪は死刑。今の俺には女房も子供もいる。反逆者の家族も反逆者扱いされるのが世の常。俺だけの命ならまだしも、家族の命まで奪われるのは我慢ならないからな、試行錯誤の末、脱獄を計画し、それに成功したんだ。そして目に付いたこの牧場の馬をかっぱらって、これから街に住んでいる家族を連れて遠くの何処かへ逃げようかと思っていたんだ」

「成程な。正当防衛ではないか。しかし斬った相手が非常にまずかったということだな」

「これでもロマニアの為にと必死に剣を振るって、傭兵から中将までなったんだ。お前と殺りあったときはまだロマニア兵になったばかりだったからな、中々の昇進だろ?でも中将になっても家族を養える程の金をもらえなかった。他の仲間もそうだ。それに痺れを切らしてこの城壁の中で強奪を始めとする暴力で何とかしようとするやつも沢山いる。昔の俺なら同じことをしていたかもしれないが、今は家族がいる」

「でも、貴様はここで同じことをしようとしたではないか」

「それもそうだな。そう言われては、弁解の余地もない」

「状況も状況だ。許そう。ただし、私たちに協力してくれたらだ」

「リュック様、何を?」

「クリュヴェイエ、こいつは強い。確かに昔は甲斐性無しだった。だが今は違うはずだ」

「おい、今クリュヴェイエって言ったか?クリュヴェイエって言ったら戦慄の騎士と呼ばれた男の名だろ?まさかじいさんがそうなのか?」

「ふっ、おいクリュヴェイエ、そうなのか?」

「遠い過去の話です」

「おい、リュック、お前は随分偉そうだが何者だ?」

「私か?私はリュック・リリエ=ド・ロレンヌだ」

「おいおい、有名な父親殺しの王子様じゃねえか。殺されたって話だろ。ってことは俺に殺されたってことになっているのか?いや、そんな話はされてこと無いな・・・」

「私に協力してくれるのであれば、家族含め、悪いようにはしないぞ?」

「王子が生きているとなれば、仲間になるよりお前を捕まえて突き出した方が、お前に協力するよりメリットあるだろう」

「それは貴様以外に言えることだろう?貴様は既に賞金首であろう?」

「あっ、それもそうだな。あはははは。分かった。俺に何を求める?」

「国を取り戻す。その手助けをしてくれ。取り戻した暁には一生、貴様の家族が困らない生活を約束する。そしてそれまでの間も危険にさらされない生活を保障しよう」

「確かに悪くない話だが、自信満々だな。何か勝算はあるのか?」

「ああ。城内外で準備は整いつつある」

「成程な。話を詳しく聞かせてくれ。もう話には乗るしかなさそうだしな。あと、本当に父親を殺ったのか?」

「そんな訳ないだろう。ワルテルにはめられたのだ」

「ワルテルねー。ああ、あれはしぶといからねー」

「そうだな。それより貴様が脱走したとなれば家族の身も危険にさらされる。今の内に避難させた方が良いだろう。協力しよう」

「すまねえな」

 そう言ってリュックはジャックの家の場所を聞き出すと、ギュエルタスに共有した。ギュエルタスは荷馬車ですぐにジャックの家へ向かった。城壁内の北西にあるジャックの小さな家の中では、ジャックの妻であるリリーが朝食を作っていた。その横でルイと同じくらいの女の子が手伝いをしている。リリーはギュエルタスから話を聞くと、夫が戻らなかった理由に驚きつつも、いつかはやりかねないと思っていたらしく、すぐに身支度を整えエマと共にギュエルタスについて行った。

「奥さんが話の分かる人で良かった」

「色々とごめんなさいね」リリーは申し訳なさそうに長い髪を耳にかけてそう言った。

「おじさん誰?」無邪気なエマがギュエルタスへ声をかけた。

「おじさんではなく、お兄さんね」娘の良い様に、リリーは慌ててエマに言い直しをさせた。

「ねー、お兄さんおじさん、誰―?」しかし幼い娘には理解できなかった。

「ははは、お兄さんはお父さんの友達でギュエルタスだよ。お嬢ちゃん、お名前は?」

「んー?エマー」

 子供がいたせいもあって、ジャックの家からリュックたちのところまでは、緊迫した状況下の中でも和んだ雰囲気だった。リリーとエマが到着すると、ジャックは満面の笑みで二人を出迎え、力強く抱きしめた。その様子を見ながらリュックはゆっくり近づくと、ジャックたちにそっと話しかけた。

「私と息子はギュエルタスの家で過ごすので、卿は家族と共に我が家を使うと良い」

「俺はお前を殺ろうとした男だぞ?良いのか?」

「それはお互い様だろ。命を懸け合った同士だからこそ生まれる友情もあっても良いと思わないか?今は妻を亡くし、あの家は私には少し広すぎる」

「そうだったのか。すまない。こんなありがたい話、断る訳にはいかねえだろ」

「そして時が来るまではクリュヴェイエの牧場を手伝ってくれ」

「分かった。仕事まで頂けるのか」

「あの広大な牧場だ。人が何人いても足りないくらいだ」

 こうしてジャックはリュックの仲間となった。ゼロから出直しのジャックを集落の人々は暖かく向かい入れた。リュックがルイを牧場に連れて行く時は、ジャックもエマを連れて行った。エマとルイが仲良くなったのは、ジャックたちがこの集落に来たその日だった。エマは人懐こい性格で、すぐにルイと打ち解けていた。

「ねえ、あなたお名前は?」

「私はルイだ。君は?」

「私はエマ」

「エマ、馬に乗ってみないか?」

「乗ったことないよ?私が一緒に乗ろう」

「本当?少し、怖いな」

「大丈夫だよ、クリュヴェイエさんにお願いしてみるから」

 こんな会話から始まり、今ではお互いが唯一無二の存在になっていた。集落で唯一の子供、遊ぶときはいつも一緒だった。


 ある日の夕方、リュックとジャックはギュエルタスの家の前で子供たちを見守っていた。家の中ではソフィアを中心に食事会の準備を進めていた。ギュエルタスの家では定期的に食事会が開かれていた。集まりにはジャックの家族は勿論のこと、集落の老人たちやダミアンも招待されていた。

「なあリュック、子供は打ち解けるのが本当に早いな」ジャックは自身の顎をなでながら、無邪気にはしゃぐ愛娘とルイに暖かい眼差しを送った。指名手配となったジャックはその身を少しでも目立たなくする為に、長年蓄えていた髭は剃り落していた。髭を触るのが癖だったので、今でもついつい顎をさすってしまう。

「皆がそうであれば平和なのにな」リュックもまた同じ目で子供たちを見つめている。

「そうかもしれないな」

「ああ。私はそういう平和な国を作りたい」

「ああ、俺もそう思う。家族を持って初めて理解できたよ」

「家族を持っても理解できない者もいる。理解できたのは卿が優しいからだ」

「ふっ、まさか元敵に優しいと言われるとはな」

「今は仲間だろ」

 日も落ち始めた頃、ソフィアが外にいる皆に声をかけた。食欲をそそる香りが外まで溢れ出している。「皆、夕飯が出来たよー!」

 その声掛けを共に待っていましたと言わんばかりに、子供たちは家の中へ駆け込んだ。その後ろをリュックとジャックが続く。家の中では集落の老人たちも夕食の準備を手伝っていた。

 食事会も終盤に差し掛かり、口直しのデザートや飲み物を飲み始めていた頃、リュックは暖炉の脇辺りに立ち、口を開いた。

「皆さんにお伝えしたいことがあります」

 リュックのその一言に皆は会話を中断させ耳を傾けた。

「何だ、リュック、改まって」ギュエルタスはすぐに話し出さないリュック声をかけた。

「実は、私の名は、リュック・リリエ=ド・ロレンヌ。ロレンヌ家の者です。今まで黙っていたことを、お詫び申し上げます」

「何だ、リュック、そんなこと皆知っているぞ!」ギュエルタスが笑いながらそう返すと、皆も同じ面持ちで「そうだそうだ」とドッと笑い始めた。

「え?」

「私がしゃべった」そう言ってソフィアが目を見開らき、口を引き延ばしながら手を挙げた。

「どういうことだ?いつから?」

「リュックの記憶が戻ってすぐだよ」

「私が落ち込んでいたのを見かねてね、皆が励ましてくれたの。それに誰もリュックが国王を殺したなんて信じていないよ」

「そうだったのか。では先日ロマニア兵たちが調査に来た時も知らない振りをしていたのか?」「そうだよ。誰も仲間を売らない。それがこの国でしょ?」

「ああ、そうだ。ロレンヌ王国の民は皆、家族であり、どんな時も自分を愛し人を愛する。自分を信じ、仲間を信じる。それがロレンヌという国だ」リュックは活き活きとそう語った。

 つい先日、集落にロマニア国ロレンヌ領の治安部隊が調査に着ていた。調査内容は主に、指名手配犯を匿っていないかの調査だった。指名手配リストにリュックの名前は無かったが、弟のパトリックや、集落にいるジャックの名前と顔絵は記されていた。治安部隊は何の手掛かりや情報も得ることは無くこの集落を後にしていた。

「知っている者もいると思うが、私は仲間と共にロマニア国からこの国を取り戻そうと計画している。そしてその準備に六年の年月をかけ、それがいよいよ整った。明後日、仕掛ける」

「いよいよか。リュック、そろそろここには収まり切れない物があるのだが」そう口を開いたギュエルタスは作戦に加わる予定は無かったが話は聞いていたので、この日の為に準備してあった物を用意した。

「どうした急に?」

「これだ、今なら何処の家の紋章か分かるだろ」そう言ってギュエルタスは箪笥の奥からリュックの剣を取り出した。手入れを怠っていなかったようで、錆び一つない見事な剣だった。剣にはロレンヌ家の紋章、フェニックスが刻まれている。

「これか」そう言ってリュックは剣を懐かしみ、手に取りながらまじまじと見つめた。

「おい、リュック、話の外枠は理解しているが、準備が整ったというのは何を持って整たんだ?俺たちは何をすればいいんだ?」ジャックは左の手のひらを見せてそう話した。

「そうだな。今、この国ではミシェル・オゾン元大将とフレデリク・バル参謀長を中心に国の奪還計画の準備が遂行されている。この国は現領主、元大臣のローラン・ワルテルの陰謀によってロマニア国の手中に収められた。ではどのようにこの国は乗っ取られたかというと、一番の要因はワルテルの狡猾さにある。ワルテルは国内外の権力者たちそれぞれの欲望を聞き出し、その望みを叶えるとの約束で、彼らを巧みにマインドコントロールした。弟パトリックもその一人だろう。情報操作で王暗殺の罪を私に被せ、ワルテル自身はそれを暴き捉えた英雄だと、即座に国中へ広めた。私たちが同じことをワルテルにするのだ」

「では今日までその様な裏取引をしていたということか?」

「その通り。不平不満を抱えた者は大勢いた。ワルテルは飼い犬に噛まれることになる」

「俺がここにいる時点で既に片足を噛まれている様なものだ」

「ふっ、そうだな。国内や城内、王宮にも協力者がいる。我々の仲間にはロマニア兵も多くいる。目印には左腕に、この赤い布を巻く。あと、これは卿の義手だ」そう言ってリュックはジャックの義手を自分の部屋から持ち出した。

「おお、こいつはありがてえ」その義手はジャックが捕まるまで使用していた物だった。

「卿は仲間たちに慕われていたようだな。質屋に流れていたそれを買い戻したそうだ」

「そいつには礼をしないとだな。これが有ると無いとでは全然違うからな。そいつの名をは?」

「そこまで私は聞いていない。これもクリュヴェイエから預かったにすぎん」

「そうか。誰か分かったら教えてくれよ」そう言ってジャックは義手をはめ込み、握って開いての動作を繰り返しながらうれしそうにニヤ付いた。

「リュックもジャックも無事で戻って来るんだよ。戻らないとここにいる全員が悲しむ」マリアンヌ・トーマンはゆっくり年老いた足で二人に歩み寄ると、二人の手を順番に握り、優しく抱きしめた。


―国の奪還作戦当日

リュックとジャックは、ダミアンの荷馬車に積んだ干し草に隠れて城内に侵入することとなった。

「おい、リュック、今もしも横から槍で刺されたら、俺たち抵抗出来ずに死んじまうな」

「そうなったらそれまでだ」そう言ってリュックは鼻で笑った。

「お二人共、お静かに願います。今から城の敷地内に入る為の城門を潜ります故」

「「承知した」」二人は小声で返事をした。

パカパカとゆっくり繰り返されていた馬の足音がピタッと止まった。

ダミアンは城門の前で、門番のフェリックス兄弟に声をかけられた。ワルテル派と呼ばれる者たちが続々と出世する中で、この双子は現状維持を自ら志願して継続していた。幼い頃から今に至るまでずっと一緒だった二人は、いつ何時も二人でいたがった。この門番の仕事であれば門の左右に分かれて同じ仕事、同じ勤務時間で一日が終わる。それだけが理由だった。

「おっ、ダミアンさん、今日もご苦労様です」

「どうもどうも、フロリアンさん、フロリモンさん、お世話になっております。ではでは」

「ダミアンさんもお体ご自愛ください!」

フェリックス兄弟は見分けがつかないくらいそっくりだったが、長年城門を通過しているダミエルは、両方の特徴を捉えていた。どちらも金髪の直毛で髪は肩までの長さ、小柄ながら数多の危機を乗り越えた影響で、瞳は自身に満ち溢れている。兄のフロリアンは右目だけ二重で、歯に八重歯がある。弟のフロリモンは両目とも二重で八重歯は無かった。ダミアンは毎回、名前を間違わずにしっかり挨拶をするので、フェリックス兄弟はダミアンに対し好感を抱いていた。

「・・・おいリュック、あいつらこのじいさんが伝説の剣士だって知らないんだろうな」

「ああ。戦慄の騎士、クリュヴェイエの名は有名だが、まさかここにいるとは誰も思わないからな」

 城門を無事に通過すると少し安心したのか、二人はボソボソと言葉を交わした。

「着きましたぞ。死角を作ったので、順番に右側へそっと出て、出たらすぐに馬小屋へ入って下さい」ダミエルはそう話しながら右側である方から干し草の中へ手を差し伸ばした。

 二人が馬小屋へ移動すると、中ではミシェル・オゾンが待っていた。

「お待ちしておりました。干し草の中にお二人の甲冑がございますので装着してください」

 リュックとジャックは手際よく甲冑を身に着けた。フル装備というよりは、動きやすさを重視した物で、腕や足のパーツは無く、主に体を守るのみの甲冑だった。リュックとジャックは城内で顔がばれると即、大事になるので目元を隠す仮面も準備されていた。

「・・・よし。時は満ちた。ミシェル、ジャック、準備は良いな?」

「「はっ」」

「では参ろう」

 三人は馬小屋の隠し通路から城内に侵入した。馬小屋から城内へは三つの隠し扉があり、そう簡単には到着出来ない造りになっていた。そしてその通路から到着した城内は、葡萄酒を補完する地下にある地下貯蔵庫だった。

「凄いな。こんなに沢山の古い葡萄酒があるなんて。戦いが終わったらこれで祝おう」酒好きのジャックは初めて見る年代物の数々に瞳を輝かせた。

「ああ、そうしよう」リュックはジャックの言葉を場違いだと少し感じたが、前向きでもあったので暖かく言葉を返すことにしたのだった。

「リュック様、こちらです」そうリュックの名を呼んだのは、かつてリュックを牢から脱獄させた五人衆の一人、クレール・リッツォだった。「お久しぶりです。」

「クレール、立派になったな。以前は助かった。改めて礼を言う」

「恐縮です。では参りましょう!」クレールは覚えられていたことに喜び、気を弾ませた。

 リュックたち、通称・革命軍は、城内や王宮内他、街の中まで散り散りに出番を待ち構えていた。まとまるよりも散って各々の役割を果たす方が、この革命には向いていたからだった。

「リュック様、ここからワルテルがいる部屋まで配備されている者たちは全て味方です。当時の重役で唯一、現状維持を許されたフレデリクが、その才を活かして配置致しました」

 リュック、ジャック、ミシェル、クレールの四名は、地下の貯蔵庫から上へ上へと階段を静かに登った。途中で兵士やメイドなど、様々な人物に出くわしたが、誰一人としてまるでそこにリュックたちが存在していないかのように気に留めることはしなかった。よく見れば左腕に赤い布をささやかに巻いている。

「俺たちはまるで透明人間だな」

ジャックの言葉に納得できる程、移動は驚異的にスムーズだった。

「この先です」クレールはそう言って、城内の大きな通路にある大きな扉の前へ出た。

「ああ、懐かしいな。態々この部屋を使うとは気持ちの悪い男だ」

 案内された先は、かつてピエール王が公務の拠点としていた国王専用の部屋だった。王の部屋の入口にはフレデリクが、そして警備長から大将へ昇格していたエドガー・ベラスコが、リュックの到着を待っていた。二人はリュックたちが近付くと静かに跪いた。

 リュックはまさか自分を監獄送りにした男が仲間になっていることに驚いたが、今はワルテルの暗殺を最優先させた。リュックが頷くと、エドガーが王の部屋の鍵を静かに開錠した。そして次の瞬間、リュックたちはワルテルの部屋へ一気に流れ込んだ。

「これは⁉」

 そこには既にワルテルの姿は無く、ワルテルの妻がベッドの上で怯えていた。

「やつは何処だ⁉」エドガーは怒りを露わにそう言った。

 ワルテルの妻は震えながら涙を浮かべ、リュックたちを睨みつけていた。しかし何も話そうとはしない。

「こっちに逃げた形跡があるぞ」すぐにフレデリクが開いた隠し通路を見つけた。

「追うぞ」

そう言ってリュックは暖炉に近付いたが、ミシェルに手を取られ止められた。

「お待ちください」

「どうした?追わないのか?」

「この通路の出口は一つしかありません。先回りしましょう。クレールは予定通り、外へ花火を打ち上げ、全体に合図を頼む」

「はっ」

「ジャックはこのままこの隠し通路からワルテルを追ってくれ」

「任せてくれ!」

「リュック様、ここからは第二のシナリオに移ります。隠し通路の出口、礼拝堂に急ぎましょう」

「よし急ごう」

 リュック、フレデリク、ミシェルとエドガーは礼拝堂へ向かった。礼拝堂へ向かう途中一人二人と今日のことを知らない兵や城内で働く者たちが、何事かと次々に話しかけてきたが、そこはフレデリクやエドガーが『非常時の訓練』など適当な理由を付けて回避してくれた。それでも忠誠心やら心配性やらで、ついてきてしまう者もいたので、ついにフレデリクとエドガーは足を止める他なかった。

 リュックとミシェルは足を止めずに辿り着いた礼拝堂の扉を開けると、肩で息をするワルテルと対面した。

「ワルテル、観念するんだな」リュックはそう言って剣を抜き、剣先をワルテルへ向けた。

「ハア、ハア・・・リュック・・・王子か・・・」ワルテルはリュックの声ですぐに正体に気付いた。そして乱れた呼吸を整えると「おい!誰かいないのか⁉」と城内の兵士を呼び出した。

「・・・誰も来ないな」リュックたちは身構え辺りを見渡したが、誰一人助けには来なかった。

「何故だ!おい!エド!ジェジェ!警備兵はおらんのか⁉」ワルテルは焦った様子で何度も辺りを見回した。

「おっと、ここに出るのか」突然、ジャックが礼拝堂の椅子の下から顔を出した。

「貴様はジャック・ヴェイユ。牢屋にいたはずじゃ⁉」

「その節はどうも」ジャックはいやらしく笑ってみせた。

「ワルテル、もう貴様は終わりだ。おとなしく投降し、悪事を国民の前で吐け」

「こんなはずではない!」

「だがこれが現実だ」

「こんなはずではない!」納得できないワルテルは同じ台詞を再び吐いた。

そしてその時、礼拝堂にエドガーが現れた。

「おー!エド!この者たちを捉えよ!」

ワルテルは両手を挙げ、心底頼れる家臣の登場を喜んだ。しかし、エドガーは受諾の返事をしない。手にはジャン=ジャック・ジャヌレ元帥の首がある。

「ん?おい、ちょっと待てエド、その首は⁉」ワルテルはわが目を疑った。厚い信頼を寄せる部下の手の中に、同じく厚い信頼を寄せる部下の首がある様に見えたからだ。

「・・この首は・・・ジェジェのものです」エドガーは心苦しそうに、言葉を振り絞った。エドガーにとって、ジャンは兄のような存在で、ワルテルの下、ずっと苦楽を共にしてきた仲だった。しかし礼拝堂へ向かう途中、行く手を阻まれ対峙した。そして互いが同じ道を行くことは不可能だと悟ると互いに剣を抜き、命の炎を燃やしたのだった。

「エド、貴様!裏切ったのか⁉」ワルテルは幻滅と怒りで顔を真っ赤にし、声が裏返る程にエドガーに怒鳴り付けた。

「ワルテル様、裏切ったのではございません。快心したのです」エドガーは悲しそうにそう言葉を返した。

 一番頼りにしていた部下を失ったワルテルは、即座に観念した。革命開始の合図である花火が打ち上げられると、僅か二時間でロマニア国ロレンヌ領は革命軍の手に落ちた。

「これで終わりではないぞ。ロマニア国に喧嘩を売った様なものだからな。まずはロマニアへ友好的且つ驚異的な情報を大至急流す必要がある。フレデリク、抜かりはないな?」リュックはネジを巻きなおす意味で参謀長のフレデリクへ声をかけた。

「既にロマニア本国に派遣済みです」フレデリクに抜かりは無かった。六年の歳月をかけて計画された本作戦は、全てフレデリクの想定内だった。

「よし、では次の段階へ進もう」リュックはそう言うと、仲間と共に礼拝堂を後にした。


「「「ウォー!」」」外では勝ちどきの声が上がっていた。

城の頂上には、六年ぶりにロレンヌ王国の国旗が掲げられ、街は一気に祭りに突入する勢いで、前例に無い盛り上がりを見せていた。

一方、城内では次の段階に向けた話し合いが行われていた。

「リュック様、ワルテルは公開処刑する方向で宜しいですね」フレデリクが自身の台本そのままに、自分たちの次の動きをリュックへ確認した。

「いや、公開自白をさせる。処刑はしないで罪を償ってもらうさ」

「リュック様、恐れ多くも申し上げますが、やつは・・・」フレデリクにとってリュックの選択は予想外だった。公開自白など聞いたことが無かった。

「分かっている。今からワルテルのところへ行こう」

リュックはミシェル、フレデリクと共に、ワルテルを投獄した牢屋に向かった。そして獄中のワルテルに話しかけた。

「ワルテル、貴様はこれからどうなると思う?」

「それを言わせて私に恐怖心を抱かせたいのですか?」

「そうではない」

「まあ、公開処刑でしょうな」

「うむ。通常だとそうであろうな」

「何ですか通常って?助けてくれるのですか?」ワルテルはリュックの予想外の回答に思わず吹き出してしまった。相変わらずワルテルはリュックを見下していた。

「ワルテル、貴様には家族がいるよな?」リュックはその思いを見破りつつ、そう言った。

「ちょ、ちょっと待って下さい。まさか家族を?」ワルテルは血相を変えた。

ワルテルにはアレットという妻一人と五歳のレオという息子が一人、そしてサラという三歳の娘が一人いた。ワルテルはロレンヌを手中に収めると、身を固めようと国内の美女を厳選し、その中で最も自分好みだったアレットを自分の妻としていた。ワルテルは財力にものを言わせると何でも買い与え、妻に不満や不安を抱かせる余地を与えなかった。嫌々ワルテルの嫁となったアレットだったが、外では気を吐く男が家では恋に不器用な中年の男であるというそのギャップにいつしか惹かれ、今では相思相愛の夫妻となっていた。

「ミシェル、家族を連れて参れ」

リュックがそう言うとミシェルがワルテルの家族を連れて来た。三人とも怯えていることは明らかだった。

「ワルテル、歴史を振り返れば、お主を始め、家族皆が公開処刑だ」

「はっ、はい・・・・。ハァハァ・・・」ワルテルは突き付けられた現実に心底震えた。「リュック様、私は・・・私はどうなっても構いません。手足を引きちぎるなり、車輪で引くなり、好きにして頂いて構いません。しかし、しかし、家族だけは・・・家族だけは、助けて頂けませんでしょうか?」

「ワルテル、そしてワルテルの家族・・・少し話をしよう。そこで私の考えを聞いてほしい」リュックはそう言うと、自身の考えを語り始めた。


そして迎えた翌朝、リュックはロレンヌの民へ国を取り戻した旨を公表する為、高台に立った。人々は歴史的瞬間の喜びを共に味わおうと、広間に集まり、新王の言葉に耳を傾けた。

 

「第十八代国王、ロレンヌ王国、国王、リュック・リリエ=ド・ロレンヌ殿下」

そう紹介されると、建物からリュックが国民の前に現れた。リュックは王として初めて、ロレンヌ王国の国民へ演説を始めた。

「まず、皆に伝えたい。今、こうしてお集まり頂き、私の声に耳を傾けてくれていることに、心から感謝します。そして謝罪させて頂きたい。王国でありながら、私たちのふがいなさから、多大なる迷惑を皆にかけてしまったことを。ご存知の通り、私は父親殺しの罪を被せられ、投獄された。しかし、優秀な仲間の手によって助けられた。ロマニアが攻め入った際、私は愛する人を守ろうと、戦で死にかけ、記憶を失っておりました。

しかし、愛する人の愛によって、その失われた記憶を取り戻すことが出来ました。私には今、ルイという息子がおります。愛する妻は殺され、もうこの世にはおりませんが、私は、息子の中に妻の面影を感じ、愛の儚さを感じずにはいられません。皆には家族がいるだろうか?皆には大切な人がいるだろうか?はたまた一人で孤独を感じているだろうか?この地に生きる全ての民は、ロレンヌという家族だということをどうか忘れないで欲しい。忘れそうな時は、この言葉を唱えて欲しい。どんな時も、自分を愛し、人を愛する。自分を信じ、仲間を信じる。

私はこれから皆と手を取り合い、この国を再建して行きたい。皆が毎日笑顔で暮らせる国にしていきたい。そうする為にも、そうなる為にも、どうか皆の力を貸してほしい。

困っているならば手を貸そう。ロレンヌは国の名であり、私たちの心にある家族の名。愛する妻の為、愛する子供たちの為、愛する友の為、我々の未来の為に、共に幸せになりましょう」

 リュックが話し終えると、一瞬の静寂の後、壮大な拍手が巻き起こった。その止まない拍手の中、リュックの前に一人の男がミシェルに連れてこられた。ワルテルだ。手首には縄が逃げられないようにしっかり結ばれている。王のスピーチで盛り上がりを見せていた民も、突如変わったその雰囲気で一気に静まり返った。

 

「この男はローラン・ワルテル。ピエール王の暗殺を指示し、その罪をリュック様に押し付けた。そしてロマニアに国を売り、領主として六年もの間、贅を肥やした不届き者である」そう話すのはミシェルだった。ミシェルは民の表情を見回した。

民はこれからワルテルの公開処刑が始まることを予期し、ざわつき始めていた。

その様子を予想していたリュックは、まず手を挙げて民を静まらせると、口を開いてこう話した。「今からワルテルの公開自白を始める」

その場に集まった全ての民は顔を見合わせ我が耳を疑った。公開処刑ではなく、公開自白。そんなこと聞いたことが無かった。

 その様子を見ながらワルテルの横にいるミシェルが手を挙げ、民を静まらせた。そしてその場が静まると、ワルテルは口を開き自白を始めた。

「私、ローラン・ワルテルは、六年前、当時、料理長であったフィリップ・シエロに王の料理に毒を盛るように指示をし、殺害させ、その罪を、当時王子だったリュック様に被せました。そして投獄しました。リュック様は脱獄されましたが、もし脱獄していなければ公開処刑をする予定でした。王の暗殺や乗っ取りは十年以上にも渡って計画したもので、私はロマニア国と内通し、王の暗殺に合わせて、ロマニア軍を攻め入らせました。そして国を乗っ取ると、六年間、私は領主として好き放題、ロマニアを統治させて頂きました」

 このワルテルの公開自白はワルテルの妻と子供たちも、リュックの家臣たちと共に聴いていた。まだ内容をよく理解できていない子供たちは、ただその異様な光景を不安そうに見つめていた。そして妻は夫のしてきたことの重大さを知り、深く涙した。

 ワルテルは荒く呼吸しながら民たちの顔を見渡した。民たちはワルテルを軽蔑の目で見ながら、各々が言いたいことを話し合い、時には暴力的な言葉をワルテルに投げた。その横でリュックは手を挙げこう話した。

「今、ワルテルが話したことが、彼が犯した罪の内容である。しかし、今からこの話をもう少し深堀りする。皆にはもう少しだけ付き合って欲しい」

ワルテルは商人だった頃、その才能を買われ、ロレンヌ王国の立て直しに貢献した男である。しかし商人だった頃、恋人とその家族を殺めている。貧しい貴族だった恋人の父親は、商人ではなく、娘には貴族との結婚を希望し、ワルテルと一緒になることを認めなかった。ワルテルは絶望し、恋人家族を殺害した訳だが、その家にはもう一人、娘がいた。まだ幼かった娘は路頭に彷徨い、散々苦労した末、私と出会った。先日、彼女は何者かに殺されてしまったが、今、私には彼女との間に生まれた息子がいる。この愛憎劇の中で、何が一番良い答えなのか?皆はどう考えるだろうか?私にとってこの男は、私の父を殺し、亡き妻の不幸を呼び寄せた男であり、親愛なるロレンヌの民を苦しめた男でもある。救いようがないだろうと嘆く者もいるだろう。しかし、彼は私に自分の罪を認めた上で、自分ではなく、家族の命乞いをした。ワルテルは今やっと、愛を知った。家族の大切さを知った。ワルテルを支持する者はもういない。しかしワルテルを愛する家族はいる。私はこの男を処刑しない。そして家族も処刑しない。ワルテルには一生、牢獄で罪を償ってもらう。しかし家族に罪はない。ワルテルの家族は私が見守ろう。愛とはこういうことだと私は思う。それは何をしても罪を問われない国ということではないし、処刑が無くなるということでもない。罪人にはそれ相応の罪を償ってもらう。それは大いに痛みが伴うものであろう。私が強く願うのは、皆に寄り添い、国として共に愛を育みたい。そう思うので、この様な判断をした。どうか、皆には、ご理解頂くと共に、ご協力頂きたい。・・・以上である」

 国民の拍手の数は五対五。リュックの意見には賛否両論が飛び交った。その後、リュックは公言した通り、街で民の声を聴き、改善の日々を送ることになる。


「これが私の考え方だ。卿らも協力してくれ。それにロマニアが攻め入って来る可能性は十分にあるのも事実、準備を進めよ」

「「はっ」」

 リュックは城の中に戻りながら仲間たちとこれからのロレンヌ王国について話し始めると、その話し合いは白熱し、夜更けまで続いた。



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