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謀婚  作者: 樫本 紗樹
四章 恋心と陰謀
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誘拐の狙い【前編】

 翌日、ジョージとライラの手紙を持った早馬が出立後、カイルは執務室に来ていた。

「隊長、スタンリー軍団長が面会を望まれています」

「スタンリーが? トリスタンの件でもわかったのか?」

「内容は隊長に直接会って話したいとの事です」

「わかった。ここでよければ話を聞こう」

「かしこまりました。ではそのように伝えます。失礼致します」

 一礼するとカイルは執務室を出て行った。

「スタンリー軍団長というのが黒鷲隊隊長?」

 ライラは特にする事がないので、ジョージの横に置かれた椅子に腰かけていた。

「黒鷲は隊ではなく軍だ。だから隊長ではなく軍団長。彼は信頼出来る男だよ」

「それなら私はここにいない方がいいわよね」

「いや、構わないよ。スタンリーが嫌だと言ったら考える」

 普通は嫌だと思うのではないかと考えながら、ライラはスタンリーが来るまでは大人しく座っている事にした。暫くしてノックをする音が執務室に響く。

「スタンリーです、宜しいでしょうか」

「あぁ」

「失礼致します」

 扉が開き、白髪交じりの銀髪でがっしりとした体型の壮年の男性が入ってきた。彼は扉を閉めると、ジョージとライラに一礼をする。

「彼女は妻のライラだ。同席しても構わないか?」

「ジョージ隊長がそれを望むのでしたら、私に異存はございません」

 ライラは驚きながらも表情には出さずにジョージの横でスタンリーに会釈をした。

「この度は我が軍一等兵トリスタンがご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございませんでした」

「いや、スタンリー軍団長が謝る事ではない。こうして妻も無事だから気にしなくていい」

「ありがたきお言葉恐れ入ります」

 スタンリーは一礼した。律儀そうな人だなとライラは思っていた。青鷲隊隊長がどこか頼りなさそうだったのに対し、こちらは部下に信頼されていそうな雰囲気がある。

「それだけを言う為にわざわざ来たわけではないだろう?」

「はい。盗まれていた馬車が見つかりまして先程ここに戻ってきたのです。そしてそこにはトリスタンもいたのですが……」

「息がなかったか」

「はい。おそらく昨日やられたかと」

 ライラの表情が悲痛に歪む。いくら自分を誘拐しようとした者とはいえ、すぐに殺されるなどとは思ってもいなかったのだ。

「それで彼の荷物をこちらに運ぼうと思うのですが、いかがでしょうか。もしかしたら何か手がかりが残っているかもしれません」

「いや、こちらから向かう。わざわざ運ぶのも手間だろうから」

「かしこまりました。すぐに向かわれるのでしたら今からご案内致します」

「宜しく頼む。ライラ、一緒に行くか?」

「行きます」

 ライラにもう悲痛の表情はない。簡単に人を殺した敵を憎むような力強い光が、彼女の目には宿っていた。

 三人は執務室を後にし、一旦外に出て別の建物に入った。軍団基地の中には複数の建物があり、隊によって使用している建物が違うのである。三人はトリスタンが使用していた部屋の前へと辿り着いた。

「共同部屋ですので、トリスタン以外の物は触らないで頂けますでしょうか」

「承知している。しかし四人部屋によく潜んでいたな」

「同じ部屋の者に確認したのですが、特に怪しい雰囲気はなかったとの事です」

 部屋の中に入り、トリスタンが使用していた一画に着いた。そこはまるで暮らしているとは思えない程荷物が少なかった。

「今回の件の為に荷物整理をしていたのか」

「いえ、同室の者の証言によると、元々持ち物が少ないとの事です」

「何か残っている物がないか、少し調べても宜しいでしょうか?」

「えぇ。全て焼却処分ですからお好きなだけ荒らして頂いて構いません」

 ライラはスタンリーに会釈をするとベッドのシーツをはがし、枕カバーも外して何かないか探したが何もない。彼女がふと目をやるとカバーを外した枕に不自然な縫い跡を見つけた。彼女は髪飾りを取ると、勢いよく枕にさして穴を開けた。

「ライラ、もう少しお淑やかに出来ないだろうか」

「申し訳ございません。以後気を付けます、ジョージ様」

 にこやかに笑いながらもライラはその穴を力で破っていく。スタンリーは綺麗な女性の言動の不一致に驚きながら、ただ眺めていた。

 ある程度の穴を開けた所で、ライラは手を入れてその中に何かないか探っていく。そして紙切れのようなものを探り当て、それを掴んで引き抜き、折り畳まれていたのを開いた。

「何語でしょうか。レヴィ語ではありませんね」

 スタンリーが覗き首を傾げる。しかしライラには何が書いてあるかわかった。だがそれを表情には出さすに彼の方を見た。

「こちらを持ち帰っても宜しいでしょうか」

「えぇ。何か重要な事が書いてあるかもしれませんし、是非調べて下さい」

「ありがとうございます。他にも何かあるかもしれませんので、もう少し宜しいでしょうか」

「えぇ、お気の済むまでどうぞ。この部屋の隊員は今週野営組ですので、交代で戻ってくるまで誰もいませんから」

「ではその野営していた所にも荷物があるという事でしょうか」

「いえ、昨日から野営だったのです。なので向こうには彼の荷物はありません」

「では彼は荷物を持って馬車に乗り込んだのでしょうね。ここの荷物だけでは着替えなど足りない気がします」

 ライラがベッドを調べている時、ジョージは引き出しなどを開けていた。生活していたにはやはり物が少なすぎる。そして収穫と言える物も何もなかった。ライラはジョージの広げた所から一冊の本を手に取った。

「これも宜しいでしょうか」

「問題ありませんが、その本に何か?」

「いえ、この紙が風で吹き飛ばされないように挟んでおこうと思いまして。必要なら後で返しに来ますけれども」

「いえ、結構です。そちらで処分して頂いて構いません」

「ありがとうございます」

「これはもう何もなさそうだな。一回戻るか」

 ジョージは少ない荷物をあらかた調べ終えてため息を吐いた。彼の言葉を肯定するようにライラは頷く。

「えぇ、そうしましょう。スタンリー軍団長、ありがとうございました」

「いえ。一応この部屋の者が戻る前日まではこのままにしておきますので、またここへおいでになりたい時は仰って下さい」

「あぁ、気遣い感謝する。スタンリー軍団長は通常業務に戻ってくれ。何かあれば報告をする」

「かしこまりました」

 スタンリーを部屋に残し、二人は元の執務室へと戻った。ジョージは鍵を開けてライラを先に部屋に入れる。

「ねぇ、ジョージ。何故わざわざ執務室に鍵をかけるの? ここは赤鷲隊の建物でしょう?」

「俺だけの時は鍵をかけてなかったよ。ライラの物が盗まれたら困るから」

「宝飾品をつける事をやめた方がいい? 目につくと出来心を誘うかもしれないし」

「いや、そのままでいいよ。出来心を抱く奴がいたら隊を出ていってもらうだけだ。それよりさっきの紙、本当は何が書いてあるかわかったんだろう?」

 ジョージの言葉にライラは困ったような表情を向ける。

「私はそこまでわかりやすい顔をしていた?」

「全く。ライラが文字も読めると言ってたから、そうかなと思っただけ」

 ライラはほっとしながら椅子に座ると、手に持っていた本から紙切れを出して机の上に広げた。

「妹の命が大事ならば、ガレスの姫君を無傷のまま連れてこい。決して薬など使用しないように。もし連れて来ても、彼女に何かあれば妹の命はないと思え」

「何、その悪趣味」

 そう言いながらジョージも腰掛ける。

「お兄ちゃん、助けて」

「え? どういう事?」

 ジョージが訝しげな表情をする。ライラは紙切れの一部を指した。

「ここだけ筆跡が違うでしょう? 多分妹さんに書かせたのだと思うの。だから捨てられなかったのかはわからないけれど」

「これ帝国語?」

「いいえ。北方の言語よ。妹さんのもそう。露見しないようになのか、本当に母国語がこれなのかわからないわね」

「そっちの本は? 挟みたかったというのは言い訳だろう?」

 ライラは再び困ったような顔をして本を置いた。そしてカバーを外す。カバーはレヴィ語の何て事のない題目がついていたが、中の本は帝国語だった。

「何か気になっただけなのよ。一冊だけ本があるなんて、何だか不自然でしょう?」

 ライラは本の中身をぱらぱらと見た。恋愛小説のようだ。そして中盤以降所々落書きがあった。彼女はそれを目で追い、本文の線を引いてある所を追っていく。そして最後の方になり彼女は本を落とした。手が震えている。

「ライラ、どうした?」

 ジョージの呼びかけが聞こえないかのように、ライラは身体を震わせていた。彼女は顔面蒼白である。

「ライラ? ライラ!」

 ジョージがライラの両肩を掴んで彼女を揺さぶった。彼女はやっと気付いたかのように彼を見上げた。瞳は怯えていて呼吸も乱れている。

「どうした? 何が書いてあった?」

 ライラは何も言わず首を横に振っただけだった。そして頼りなさそうにジョージに腕を回して彼に抱きつく。彼は状況が呑み込めず、彼女の背中を優しくさすった。暫くして彼女の呼吸は徐々に落ち着いてきた。

「ライラ、大丈夫?」

「ごめんなさい、大丈夫」

 ライラはそう言ってジョージから離れた。彼は机の上にある水差しからグラスに水を注ぐと、彼女に手渡した。彼女はそれをゆっくりと口に運んだ。

「どうした? 何が書いてあった?」

「ごめんなさい。出来たらカイルにお願いして。その本は帝国語だから」

 ライラはまだ少し乱れた呼吸を整えようと深呼吸をしている。そんな状況で彼女に無理強いするジョージではない。

「わかった。あとでお願いする。ライラはそのままで大丈夫? 横になる?」

「大丈夫。ただの恋愛小説だと思ったのに、あまりの内容に動揺しただけだから」

 ライラは机にグラスを置いた。

「確かおばあさんからハーブを貰ってたよな。茶器を用意させるからそれを飲んで少し落ち着いたらどうだ。鎮静効果とかあるのもあったろう?」

「ありがとう。茶器なんて軍団基地にあるの?」

「料理長の趣味であるんだよ。菓子がないなら茶は不要だと思うんだけど」

「ジョージはお菓子を食べる時、一切飲まないわよね。よく喉が詰まらないなといつも不思議だったの」

「水分はあまり摂取しない癖がついてるんだよ。戦闘中に都合悪いだろう?」

 ライラは笑った。ジョージと話していて現実に引き戻された気分になった。彼は窓を開けると、外を歩いている隊員に声をかけた。

「アントニー、悪いがカイルに茶器とお湯を持ってここへ来いと言ってくれないか」

 アントニーと呼ばれた隊員はジョージに敬礼すると走っていった。執務室は三階である。よく窓から覗いて、地上を歩いている隊員が誰かを見極め、大声で言うものだとライラは呆れた。

「その言い方だと私が我儘を言っているように聞こえないかしら?」

「そう? アントニーはそんな事を気にしないと思うよ。カイルの小言はあるかもしれないけど、それはこの本を読んだらわかるだろうし」

 ジョージはそう言いながら、ライラが落としたままになっていた本を持ち上げた。

「でも普段通りに戻ってるように見えるね。さっきは焦ったよ。顔面蒼白だったから」

「少し血の気が引く内容だったのよ。先にハーブを取ってくるわね」

 ライラは立ち上がると寝室への扉を開けた。部屋の中に置いてある自分の荷物に手を伸ばし、その中にあるパメラに貰った袋を取り出した。彼女はその袋を初めて開けたのだがそこにはハーブ、種の他にジャムの瓶がいくつか入っていて、ジョージと食べたあのタルトの果物のジャムもあった。

「ジョージ、パメラさんがジャムもくれたの。これ」

 ライラはそう言いながら寝室を後にし、ハーブとジャムの瓶を机の上に置いた。

「これダンさんの所のジャムじゃん。おばあさん、わざわざ買ってくれてたんだ」

「そうなの? それならあのタルトの味なのね。これは開けずに持って帰って、王宮でサマンサが何て言うか楽しみにしておくわ」

「絶対苦いって言うから。大体クリームがないから拒否すると思うよ」

「確かにクリームと一緒だからいいのよね。あのクリームを料理長に再現してもらうのも無理だろうし残念」

「近い物なら作ってくれると思うよ。俺が注文するとその味になるし」

「そうなの? 料理長は優秀な人なの?」

 昨日の夕食前、ライラは初めて料理長に挨拶をした。料理長は優しそうな雰囲気の中年男性だった。何故ジョージが名前を呼ばないのか不思議だったのだが、自分を呼ぶ時は必ず料理長と呼んで欲しいと言われ、彼は本人の意思を尊重していたのかと納得したのだった。料理長は料理長という職にとても誇りを持っているようだった。

「そうなんじゃない? 俺が入る前からいる人だから詳細は知らないけど」

「そのように長く務めている人にお菓子を作らせていたの?」

「文句を言うならもう分けてあげない。あれは俺用の焼き菓子なんだから」

「あー、ごめんなさい。私も甘党なの。料理長のお菓子も好きなの」

 ライラが謝るのを見てジョージは微笑む。

「甘党なのはわかってるよ。侍女を通してお礼を貰ったと料理長も言ってたし」

「どれも美味しいのだもの。毎日楽しみだったわ」

 ライラは笑顔を浮かべる。王宮では読書漬けの毎日だったが、クッキーから始まった差し入れは毎日あり、しかも毎回種類が違うのにどれも美味しく、彼女はレヴィが美食大国という事を実感していた。

「料理長は何を作らせても美味しい。ただここには窯がないから焼けないんだって。窯を作らせようと思ったんだけど、それだと常駐するという意味になるからやめたんだ。ハリスンまで行けば買えるわけだし」

「それだと王宮に戻ってジョージが出かけたら、私はお菓子を食べられないという事?」

「そうなるね。料理長は俺に帯同するから」

「商人が王宮にお菓子を売りに来たりしないかしら?」

 ライラの発想にジョージが笑う。

「そんなの聞いた事ないよ。だいたい王宮に来る商人は高級品を扱っている者ばかりで、単価の安いお菓子は売りに来ないと思う」

「あぁ料理も覚えておけばよかった。料理だけは出来ないのに」

「それは前も言ってたよね。何で料理だけ? 刃物を持つから?」

 本来公爵令嬢なら使用人がするような事は一切出来ないのが普通である。しかしライラは身支度も洗濯も掃除も出来る。レースを編むくらいだから手先が不器用でもなさそうなので、ジョージは不思議に思っていた。

「違うわ。実家の料理長は絶対に厨房へ入れてくれなかったの。料理は職人がするものであって、お遊びでやるものではないと煩くて」

「それは一理あるな。料理人はそれぞれ拘りを持ってそうだし」

「すみません、開けて頂けますか? 手が塞がっているのです」

 扉の奥からカイルの声がした。

「悪い、今開ける」

 ジョージは扉に近付きゆっくり開けた。カイルが茶器を乗せたトレイを両手で持って部屋の中に入ってきた。そして一人の隊員が湯気の立っている陶器を持って続く。

「アントニー、悪かったな。うちの姫君の我儘に付き合わせて」

 ジョージの言葉にライラは顔を扉の方に向けた。彼はアントニーと呼んだ隊員から陶器を受け取っている。

「ありがとう、アントニー」

 声のした方をアントニーは見た。ライラはジョージに言いたい文句を堪えて、それを表情に出さずにアントニーの目を見ながら微笑んだ。アントニーは顔を赤らめる。

「いえ、失礼致します」

 アントニーは頭を下げると足早に部屋を出て行った。ジョージは扉を閉めると、少し不満そうな顔をライラに向けた。

「アントニーはまだ若いんだから可哀想だよ」

「窓から呼びかけたのはジョージでしょう?」

「いや、それじゃなくて、今のは自覚なしか」

 ジョージは小さくため息を吐く。ライラの笑顔がアントニーの心を奪ったように見えたが、当の本人は無自覚である。カイルは机の上にトレイを置いた。

「自覚はないでしょうね。そもそも本当はライラ様の我儘ではないのでしょう?」

「何でそう思う?」

「もし紅茶が飲みたいのでしたらお二人で食堂へ赴けばいい話です。それをわざわざ人を使ったという事は、ここから離れられない何かがあったのでしょう?」

 カイルはそう言いながら机の上に置いてある瓶に目をやる。

「ハーブですか? 珍しいですね。ケィティで買ったのですか?」

「それは祖母に貰ったんだ。鎮静効果があるものらしい」

「鎮静効果?」

 そう言いながらカイルはライラを見た。

「特に必要なさそうに見えますけれど?」

「アントニーを呼んだ時は必要だと思ったんだよ。ライラは顔面蒼白で」

 ジョージはお湯の入った陶器を机に置くと、先程の本をカイルに手渡した。

「何故ここに帝国語の本があるのですか?」

「さっきトリスタンの所持品を確認しに行って持ってきた物だ」

「トリスタンの? つまり彼はもう――」

「そう言う事だ。先程馬車と共に見つかったとスタンリーに報告を受けた」

 二人が話しているのをよそにライラは陶器に手を伸ばし、お湯をティーポットに注ぐ。

「二人も飲むわよね」

「ライラ様はお茶もご自分で淹れられるのですか?」

「エミリーがいたら淹れないわよ。同じ淹れ方をしているはずなのに味が違うの。だからすごく久し振り」

 ライラはティーポットが温まったのを確認し、お湯をティーカップへと移していく。そしてハーブをティーポットに入れ陶器からお湯を注いで蓋をした。蒸らしている間にティーカップに入れたお湯をトレイに乗っていた空の容器に捨てていく。

「十分美味しいお茶になりそうですけどね」

「王宮に戻ったらエミリーの淹れた紅茶を飲んでみて。同じ茶葉なのか疑いたくなるから」

「カイル、それより何が書いてあるか本を読んで」

「申し訳ありません。この為に呼ばれたのでしたね。ですがライラ様なら読めますよね?」

「もう読みたくない、焼き捨てたいくらいよ」

 ライラは嫌そうな顔でカイルの手にある本を見た。彼は不思議そうに本の題目を見る。愛の果て。恋愛小説だろうが幸せな結末ではなさそうな感じはする。

「この本を全部読まれたのですか?」

「途中に書き込みがあるの。そこから線の引いてある所を読んだだけ。丁寧に次に飛ぶ頁の数字も書いてあるから、それだけを追うならそこまで時間はかからないわ」

 カイルはライラの説明に頷いて答えると、小説の頁をめくり始めた。

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