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プロローグ
昔、レヴィ王国には王子が二人いた。
長男は温厚で、次男は野心家だった。
このままでは長男が殺されかねないと危惧した国王は国を大河で区切って二人に分け与える事にした。
長男には大河の向こう岸三割を、次男にレヴィ王国の王都がある七割を与えた。
長男はそれを文句も言わずに受け入れ、感謝の意味を込めて国王の名からガレス王国とした。
しかし次男は全てを手に入れたくて仕方がなく、度々ガレス王国を攻めた。
国王が変わってもそれは繰り返され、元々同じ国だったこの二国は争いの絶えない関係となってしまった。
そしてこの二国間に先日休戦協定が結ばれた。
その中の条件のひとつがガレス王国からレヴィ王国に嫁を出す事。
この話はガレス王国で選ばれた姫がレヴィ王国に無事到着した所から始まる。