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復仇の衛士 〜魔王軍最強幹部は魔王に復讐したい〜  作者: ミソ3
第4章 ワースとインティス防衛戦
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第28話 弱点と罠

(まただ。またこの展開だ。ボスからもらった力があっても、霊具持ちには勝てないのか・・・こんなの、こんなのどーしたら)


「シダ! 次くるぞ! 死ぬ気で避けろよ!」


 シダとクリスは12人の敵に囲まれている。まとめて攻撃を喰らわず、かつ互いに助け合えるギリギリの距離を保ちつつ交戦。

 敵の攻撃は四方八方、十二方から降り注ぐ火矢の嵐。クリスもシダも、致命傷を負わないようにかわすので精一杯だった。


 シダは絶望していた。もう、半分諦めていた。でも諦めきれない。まだ何も達成していないから。折れそうな心を、クリスが支えてくれているから。


 クリスの声で我を取り戻し、必死に攻撃をかわす。そして。


 シュー〜・・・


 クリスが影を一つ潰すことに成功した。


「よし!!! 次行くぞ!」


「おう!!」


 クリスは叫ぶ。シダもそれに強く返した。まるで恐怖を振り払うように。


「やるな。だが1体減ったからといって、貴様らに勝ち目が生まれたわけでは無い」


 燼は、分身を1体やられた事に賛称を送ったが、動揺する様子は一切なく、休む間も無く矢を放ち続けた。


「やはりそうか」


「どうしたクリス!」


 矢を武器で払いながら、一旦合流し背中合わせになるシダとクリス。どうやら矢の攻撃にも慣れてきて、かわさずに応対できるようになったようだ。それを理解し、燼も分身を一旦集め、陣形を組み直す。


「分身は増えれば増えるほど弱くなる」


「なるほど。なんのリスクも無しに数が増えるとは思ってはいなかったが、そう言うことか」


「あぁ。俺が1対1で戦ってた時のあいつの動きはもっと俊敏だった。奴が多くの分身を出している今がチャンスだ!」


「オーケー。なら俺が盾になる。お前は俺の後ろからチャンスを見て本体を打て!」


 長く戦っていたおかげで、ついに分身の弱点を掴んだクリス。ようやく反撃の準備が整った。


 シダは、左手に装備した盾を構え、すきあらばボウガンで牽制しながら突っ込んだ。クリスはシダの背中に隠れ、その後を追う。


 対する燼は、11人が横に並び、各自火矢を2人に向かって放ち続けた。


「今だ!!」


 シダは直前の火矢を右の剣で払い飛ばし、小型ボウガンで牽制の一発を放つ。その瞬間クリスはシダの左側へ飛び出し、一気に燼との距離を詰めた。


「はぁぁぁあ!!!!」


「ぐっっ!!!」


 クリスの渾身の右ストレートが、燼の左肩に炸裂した。

 しかし、次の瞬間クリスは燼の本体ごと周りの分身に矢で撃たれ、蜂の巣状態になってしまった。


「クリスーー!! 嘘だろ・・・自分ごと打つなんて・・・」


「嘘じゃないさ」


「なっ!!」


「なんせ、俺は影と本体の位置を瞬間的に交換できるんだからな。だがあれはいい拳だったぞ。油断していたとは言え、俺に一発入れるなんてな」


 突然後ろから声をかけられ、驚くのもつかの間。シダを燼の蹴り攻撃が襲う。それをかろうじてかわし、距離を取りつつクリスの元へと向かった。


「大丈夫か、クリス! 罠だったことかよ。ったく冗談キツイぜ」


 文句を言いながら、クリスに肩を貸すシダ。

 クリスの体には、6本の矢が刺さっており、傷口を中心にひどい火傷を負っていた。かろうじて急所は守ったようだが、もう多々かけるような状態ではなかった。


「さぁ! とどめと行こうか」


 燼はもう一度分身で2人を囲み、火矢を構えた。


「弱点を見破り、即座にそこを築こうとしたのは良かったぞ! お前達と出会えて、俺は更に成長できた気がする。さらばだ! よく霊具無しにこの俺とここまで戦った。誇りを持って死ぬがいい」


 弓を強く握り、矢を限界まで引く。敬意を込めて、全身全霊をかけてとどめを刺そうとしたその時、一つの分身の頭に石ころがポカリとぶつかった。

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