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第一章 第四話 反転

投稿し直し第五段です

「…し…なか…!

ああ…るし…ったのよ!!」


「…が…に…法が…ろうが!?」


「…んうっ…?

…!?…アンタは…?」


カミューは周囲が騒がしいことで気が付いた。

目を覚ましたカミューは、自分を見下ろしている女性と目が合った。


「…あ、気がつきましたか?

…ちょっとまって下さいね!

…ジュリア、ゼル、ジオノ様!

この子、気がつきましたよ!!」


「「「!?」」」


カミューが誰何した女性は先ほどから騒がしい方に向けてそう言った。


「…!?…あ、ご、ゴメン!?…ぐっ!?」


「あ、駄目ですよ!?安静にしていなければ!?」


カミューは女性の見ている方を向こうとして、自分がその女性に膝枕をされていたことに気がつき、あわてて退こうとしたが、背中の傷が痛みそれは叶わなかった。


それを見ていた女性はカミューを再び自分の膝に乗せた。


「…うぅっ…。(すっげえ恥ずかしいんだが…)


「…ホッ…良かった~、気がついて…ごめんなさい!」


「…すまん…」


「…えっ!?…な、なんで2人が謝っているんだ…?」


「…じ、実は…」


カミューが膝枕に恥ずかしがっている時、ジュリアとゼルが突然謝罪をしてきた。

当然カミューには何故謝るのか、理解出来ない為聞き返した。


それによると、

背中に大怪我を負った状態のカミューに、風眠(ヒュプノ・ウインク)をかけたところまでは良かったのだが、その前にジュリアがカミューの応急処置として魔力で傷に蓋をしていたことが問題だった。


カミューにそれをしていた為、背中の傷は一時的に出血は治まっていたが、風眠(ヒュプノ・ウインク)をかけたことによりカミューの身体は術と魔力、両方の力を理解し、

こちらの世界で唯一といってもいい、魔力保ちになってしまったらしい。


…カミューの住むこの世界には、魔力や魔法・魔獣等といった超常の存在や力は存在していない。

そういったモノは漫画や小説、映画等のフィクションとされているものしかない。

つまり、もしカミューの力がバレた場合、

良くて研究材料としてモルモットにされ、

最悪の場合は気味悪がられ殺されてしまうかもしれない。


「…マジ…?」


「ホント、ゴメン!?」


「…すまん…」


「……だから、ワシは普段から言っておったじゃろうが!

お前は魔力こそ高いがそれに振り回されないように、日々精進せいと!!」


2人が再びカミューに謝っている時、ジュリアに説教をしながらこちらに歩いてくる老人が現れた。


「まあまあジオノ様、その辺でいいでしょう?

2人も反省しているみたいですし…」


「…むぅ…じゃがティナよ、この少年の今後を考えるとのう…」


再びジュリアに説教をしようとしていたジオノと呼ばれた老人は、ティナと呼ばれた女性にたしなめられた。


「…ところで、爺さ「誰が、爺じゃ!わしゃ、まだ138才じゃ!!」…ひゃくっ!?」


カミューはジオノに聞きたいことがあり質問しようとするが、ジオノはカミューの爺呼ばわりに講義したため出来なかった。


「あははは…

あのね…えっと…そう言えば、名前聞いてなかったわね…」


「…あ、俺は結理、神弓 結理です。

…カミューで良いです…」


「…わかった。カミューね?

…あのね、カミュー。

この方はあたしのお師様のジオノ様。

…あたし達の世界では魔力の多い人は大抵長寿なの。ジオノ様も例に洩れず、

見た目はお爺さ「ジュリア?」…おじさまだけど、魔導師の中では若い方だからその…」


「…あぁ…その…失礼しました。」


「…ふん…もう良い…

カミューと言ったな?」


「は、はい!」


カミューがジオノの歳に驚いていると、ジュリアが解説してくれた。


それによると、魔導師は魔力の多少に拘わらず普通の人より長生きするらしい。


…因みにジュリアが聞いた過去最高年齢は524歳だとか。



閑話休題



ジュリアから説明を受けたカミューは、素直にジオノに謝った。

ジオノはそんなカミューの謝罪を受け入れると、カミューに話しかけた。


「…うちのバカ弟子がバカなことをして、すまなかったな。」


ペコリ


「「「「!?」」」」


「…い、いえ!?

…どのみち、あのままだったら死んでましたから…ジュリアさんに感謝こそすれ、恨むようなことは出来ませんよ…

ですから、頭を上げて下さい!?」


「…ふむ…そうか…。」


ジオノは自分の弟子であるジュリアの軽はずみな行動を詫びると頭を下げた。

これにはカミューだけではなく、ジュリア達も慌てた。

カミューは居心地が悪くなりジオノになんとか頭を上げてもらった。


「……ときにカミューよ?

これからどうするか、考えておるか?」


「…いえ、とりあえず怪我が治るまでは学校は休んで、家に引きこもろうかと…」


「…あの~、少しよろしいですか?」


ジオノはカミューと今後のことを相談していると、それまで黙って話を聞いていたティナが話しかけてきた。


「あ、はい…えっと…「あ、すみません。

わたくし、ティナ・リディウスと申します。

」…えっと、ティナさ

「ティナとお呼び下さい。」…わかった。

…それでティナ、なに?」


「はい、カミューさんのお背中の傷はわたくしなら、ある程度までなら治療出来ます。

…ただ、わたくしはまだ修行中の身のため、完全に治すことは出来ないので、傷痕は残ってしまうかもしれないのですが…」


ティナはカミューの背中の傷は治すことは出来るが跡が残ってしまうことを告げた。



ティナはカミューの傷は傷痕は残るが治せるが、どうするかカミューに問いかけた。


「…」


「…あ、もちろん全力で治療魔術を使って、出来るだけ痕が残らないように致しますが、どうしても少しは残ってしまうかもしれないのですよ…」


ティナはカミューが傷痕が残ることを気にしていると思い、出来るだけ痕が残らないように治すことを誓った。


「…ティナ、ありがとう。

じゃあ、頼むよ…」


「は、はい!

…では、そこにうつぶせになってもらえますか?」


「おう…これでいいか?」

「はい、そのまま動かないで下さいね?

…ジュリアさん、わたくしが合図をしたら、カミューさんの背中に掛けてある魔力を解いて下さいませ。」


「わかったわ。」


カミューはティナの説得?を受け入れ、治療魔術をかけてもらうことを了承すると、ティナはカミューに寝そべるように指示を出した。

カミューは指示通りにその場でうつぶせになり、それを確認したティナはジュリアにも指示をだした。


「…カミューさん、今から治療魔術を使いますが、その際ジュリアさんが施した魔力が邪魔になりますので解いてもらいますが、今まで魔力で出血を止めていましたが、それがなくなるとまた出血してしまい、急に気持ち悪くなったりめまいがすると思いますが、動かないようにして下さいませ。

…大丈夫ですよ…すぐにわたくしが治療魔術を掛けますので心配しないで下さいね?」ニコッ


「お、おう…」


ティナの説明を聞いたカミューは若干緊張しながら治療が始まるのを待つのだった。


「すぅ…はぁ…参ります。」


ティナはカミューの傍らに立つと、僅かに深呼吸をして杖をカミューの方、正確にはカミューの背中の傷に向け両手で保持すると、ジュリアに僅かに視線を向けた。


「…解くわよ?」


スゥッ…クラッ


「うっ…」


その視線を受けたジュリアは、カミューに流していた魔力を解くとカミューの背中からまた出血し始めた。カミューは魔力が解かれたことで、元々出血し貧血気味になっていたが、更に出血して気持ち悪くなってしまう。


「…大いなる大精霊(ラウル)に願い奉る…我が前に倒れ伏す者に救済を…快癒(ヒールフォース)!!」


フワッ…カッ!


「…!?」


ティナは目を閉じ呪文を唱えると何処からともなく光がティナが構えた杖の周辺に集まり、やがてその光はカミューの背中の傷口に降り注いだ。


カミューはあまりに眩しいため、傷の痛みを忘れて目を閉じた。


シュゥゥゥッ!


…すると先ほどまでは傷口から出血していたが、いつの間にかそれも止まり、それどころかまるで逆再生のように傷口が塞がっていくではないか。カミューは目を瞑りながら、先ほどまでの激痛が治まっていくのがわかった。


「…終わりました…」


…やがて、カミューの背中から光が消えると、ティナは杖を下ろした。


その声を聞いたカミューは瞑っていた目を開けると、ゆっくり起き上がった。


「うっ…?痛く…ない?」


「はふぅ…Σす、すみません、カミューさん!」


ティナは治療魔術を使い終わって一つ息を吐くと、カミューに目を向け確認した途端誤りだした。


「えっ!?ティナ、なんで誤ってるんだ!?」


「やはりわたくしは未熟者です…カミューさんの背中の傷は治せましたが、やはり傷痕が残ってしまいました!」


ティナの言うように、カミューの背中には狼男に付けられた4本の爪の跡と、腰の辺りに1つの穴があったが、ティナの治療魔術後は腰の辺りの傷は治っていた。

だが、狼男に付けられた4本の爪跡のうち、3本は綺麗に治ったが、恐らく中指の一番長い爪跡だけ残ってしまったのだ。


「…えっと、ティナ?

これぐらいだったら大丈夫だから…

それより…ありがと…う!?」


ズクンッ!


「…!?カミューさん!?」


カミューは自分の背中をなんとか確認すると、治してくれたティナにお礼をしようと立ち上がったのだが、急に全身に痛みが走り途中で出来なくなり倒れそうになった。


ズキンッ!


「あぐっ!?…あああぁぁぁぁっ!?」


「「「「「!?」」」」」


それを一番近くにいたティナが支えるが、痛みは一向に収まらない。

それどころか増す一方だった…


「あああぁぁぁぁっ!?」


カミューは突然襲ってきた激痛に、自分の身体を抱きしめながらその場にうずくまった。


「カミューさん!?しっかりして下さい!?」


「カミュー!?」


苦しそうなカミューを見たティナとジュリアはカミューに駆け寄ると、カミューの様子に焦りだした。


「これは…もしや…」


「…ジオノ…」


「ウム、おそらくはお主も感じているとおりじゃろう…ジュリア、ティナ!

2人共落ち着かんか!?」

一方、カミューの様子を遠目に見ていたジオノとゼルはあることに気付くと、ジオノは2人に落ち着くように言った。


「ジオノ様、ゼル!

何かわかるんですか!?」


「わたくし、ちゃんと快癒(ヒールフォース)を掛けたはずですのにどうして…!?」


「ええい、落ち着かんか!?

カミューに起こったことを説明するわい!?」


ジオノは2人を落ち着かせると説明を始めた。


「恐らくじゃが、カミューは真反者(リヴァールド)じゃ。」


真反者(リヴァールド)…ってなんですか?」


「…このバカ弟子が!?

先日お前達に教えたじゃろうが!!」


「…まさか…カミューさんが!?」


「…コクリ…」


「え?え?」


「…ハア、しょうがない。

バカ弟子のためにもう一度教えてやるか…バカ弟子のために!!」


ジオノの説明によると

真反者(リヴァールド)とは、別世界に行っても自分の意志で反転(リリース)をしたり、解除出来る者のことだという。

また真反者(リヴァールド)は別世界に行かなくとも、自分の世界でも反者(リリース)することがあるという。


…こちらの世界に[狼男]や[吸血鬼]など、怪物の伝記や話があるのは、もしかしたら真反者(リヴァールド)反転(リリース)した姿を誰かに見られたからかもしれない。



閑話休題



「…じゃあ、カミューは…反転(リリース)してしまうんですか!?」


「…いや、おそらくこれは反転(リリース)ではないじゃろう…カミューの身体中でジュリアとティナ、それと目覚めたばかりのカミュー自身の魔力が暴れまわっておるだけ…過剰反応じゃな。」


「…か、過剰反応、ですか?」


…通常魔力はどの世界の者でも力の大小は関係なく持つものだ。

怪我や病気等で身体が弱ってくると魔力は怪我や病気等の原因となったモノを排除しようとする…白血球のようなモノだ。

だが真反者(リヴァールド)の魔力は普通の者とは違い、他者の魔力を取り込み身体を強化することが可能である。


…今回のカミューの身体の中は、ジュリアによって目覚めた魔力がカミューを生かそうとジュリアの魔力を少しずつ取り込んでいたが、

そこにティナの治療魔術が掛かってしまい、カミューの魔力は更にティナの治療魔術からティナの魔力をも取り込んでしまったのだが、カミューの身体は既に回復してしまい取り込んだ魔力の行き場がなく、カミューの身体中を暴れまわっているのだった。



「…で、ではこのままカミューさんが自信の魔力を制御出来なければ、どうなるのでしょう?」


「…わからん。

たが解決策となるやもしれんモノがそこに転がっておるわい。」


「「えっ!?…まさか!?」」


ジオノはそう言うと、

少し離れた場所を指差した。

ジュリアとティナはジオノが指差した方を見るとそこにあるモノが、自分たちもしている大精霊(ラウル)のペンダントだと気付いた。


ジオノが指差した先には、カートが捨てた大精霊(ラウル)のペンダントが僅かに蒼く輝いていた。


「「大精霊(ラウル)のペンダント?」ですか?」


「そうじゃ…。

カミューが反転(リリース)せんように大精霊(ラウル)のペンダントを使い、真反者(リヴァールド)としての力を封じればよい。

あとはカミューからお前たち2人の魔力が抜ければカミューは大丈夫じゃろう。」

ジオノはそう言うとカートのペンダントを拾いに行った。


「…うぅ…あああっ!?」


ドンッ!


「…きゃっ!?カミューさん!?」


その時ティナに介抱され落ち着いていたカミューが、突然先ほどよりも苦しみだした。

それどころか介抱していたティナを突き飛ばすと、その場で暴れ出した。


「うぅあああっ…!?」


「…カミュー!?

…お師様!カミューの様子が変です!?」


「…カミューさん!しっかりして下さい!?」


ティナがカミューに突き飛ばされたのを見たジュリアは、カミューの様子がおかしいのを察知すると直ぐさまジオノを呼び戻した。


「…!?2人共離れろ!

…!?ジオノ!?」


「…やれやれ、人使いが荒い…!?こ、これは…もしや…!?」


そこに普段はあまり喋らないゼルが、2人を様子がおかしいカミューの傍から離れるように大声で促した。


そしてゼルもジオノを呼ぶが、ジオノはカミューの様子を見た瞬間、そのまま動きを止めてしまった。


「ウゥッ…!?

(な、なんだ!?身体中の関節が…!?)」


ファサッ!


「…!?髪が…!?」


倒れて呻いているカミューを見ていたジュリア達だったが、突然カミューの髪が伸び始めたのに気付いた。

だが変化はそれだけではなく、両手の爪も徐々に伸びていたが、カミューが身体中の関節が痛み出したことに苦鳴を上げたため、両手を握っていたのでジュリア達は気付かなかったし、カミュー自身も自分の外見が徐々に変化していることには気付かなかった。


「…反転(リリース)…」


「ゼルさん…?」


「…遅かったか…ゼル…剣から手を離せ…」


「お、お師様!

カミューにいったい何が起きているのですか!?」


ゼルはカミューの様子を見てポツリと一言洩らすと、背中の大剣の柄に手を当てる。

ゼルが洩らしたことが聞こえてなかったティナは、突然大剣に手を伸ばしたゼルを訝しげに見ていた。

ジオノはそんなゼルを止めて、先ほど拾いにいった大精霊(ラウル)のペンダントを握りしめながら、カミューを見ていた。

ジュリアは師であるジオノに何が起きているのかわからず問いかける。


「…ジュリア、ティナ…

カミューは真反者(リヴァールド)として反転(リリース)しておるんじゃ…」


「「!?」」


「…今となっては遅いかもしれぬが、気休めにはなるじゃろ…」


ジオノはそう言うと、持っていた大精霊(ラウル)のペンダントをカミューに掛けた。


カッ!


「…ウアッ!?

(な、なんだ!?俺に何が…!?)」


すると徐々に変化していたカミューの身体は、まるで逆再生のように元に戻っていくが、カミュー自身は身体中の違和感がまだ残っていた。


「…うぅ…い、いったい…ハァハァ…なにが…おきたんだ?」


「…カミューよ…恐らく、今お主の身体は真反者(リヴァールド)として覚醒した影響によって、お主の身体の中の異物を排除しようとして、反転(リリース)しようとしたのじゃ…」


やがてカミューは身体中の痛みが引いたことに疑問を呟くと、それを聞いたジオノが説明をした。

それによると、

カミューの身体は異物であるジュリアとティナの魔力をなんとか排除しようと、真反者(リヴァールド)として覚醒しその力で2人の魔力を自身の物とするために、カミューの意思を無視して反転(リリース)しようとしていたらしい。


「…じゃあ、俺の身体の中にある、この違和感は…?」


「恐らくそれが2人の魔力じゃろう…」


「…そうか…もう一つ聞きたいんだが…俺はこのままだと“魔獣”になるんだろ…?」


「「「!?」」」


「…気付いとったか…」


説明を受けたカミューはジオノ達に衝撃発言をする。

それを聞いたジュリア達は言葉が出ないほど驚くが、ジオノは違った。


「…ああ…さっき反転(リリース)しかけた時に、な…」


「カミューさん…」


「……」


「だ、大丈夫よ!

カミューには大精霊(ラウル)のペンダントがあるんだもの!!

…そうですよね、お師様!?」


「…スマヌ…先ほどお主に掛けた、その大精霊(ラウル)の力もそれ程長くは保つまい…」


「「「!?」」」


「な、なんでですか!?」


「…持ち主が違うから…」


「…ゼルの言うとおりじゃ…

その大精霊(ラウル)のペンダントは、元々カートがこの世界に来るために持っていたものなのは、皆も知っておろう…?」


ジオノは全員を見回すと次のように語った。


元々大精霊(ラウル)のペンダントは、別世界に行くために彼らの世界にあった。

以前ジュリアがカミューに説明したように、大精霊(ラウル)のペンダントは大精霊ラウルの加護がかかっており、その力によって彼らは別世界で活動出来るようになるのだ。

だがその力は無限ではなく、期限があった。

現在カミューがしているものも例外ではなく、保って半年らしい。

その期限が切れれば、カミューは再び真反者(リヴァールド)としての力によって反転(リリース)して、魔獣となるかもしれない。


「…」


「…いつ、カミューが魔獣となるかはわからぬがのう…」


ジオノはカミュー達に説明すると、そう締めくくった。


ジオノが説明したことにより、その場の雰囲気は暗くなってしまった。


「「「…」」」


「…ジオノ…」


「ウム…まぁ手がないワケではないんじゃがの…」


…バッ!


「「「!?」」」


ジオノはゼルに促され、自分が説明したことに補足するかのようにそう言う。

カミュー・ジュリア・ティナの3人はその言葉を聞いた瞬間に一斉にジオノに視線を向けた。


「本当ですか!?」


「どういうことですか、お師様!?」


「マジか!?どうすりゃ良いんだ!?」


「…ええい!落ち着かんか!?」


3人はそれぞれジオノに詰め寄りながら、問いかける。

ジオノはそんな3人を落ち着かせようと大声を張り上げるが、3人は『早く言え』とその目が語っていた。


「…はぁ…わかったわかった、言うから少し落ち着け」


ジオノは3人をどうにか落ち着かせると話しはじめた。


「まず、カミューに聞きたいことがあるのじゃが…」


「…なんだ?」


「…お主、この世界を棄てることが出来るかの?」


「…どういうことだ?」


「…知ってのとおりお主は真反者(リヴァールド)じゃ。

じゃが、お主はそのことを知らず今まで普通に生活しておった…ここまでは解るの?」


「…はい…」


「…じゃが今回の事件でお主の真反者(リヴァールド)としての能力(ちから)が覚醒してしまい、

更にジュリアとティナの魔力によってその能力(ちから)が暴走しかかったのじゃ…」


「…暴走(それ)を抑える為にこのペンダントですね。」



そう言ってカミューは自分の胸元に揺れる大精霊(ラウル)のペンダントを確認した。



「…そうじゃ…じゃがそれはこの世界にはない物質(もの)で出来ておる…たとえ儂ら全員の持っている大精霊(ラウル)のペンダントを渡したとしても、このままでは遠からずお主は、反転(リリース)してしまうじゃろう…」


「…」


「…!?まさか…ジオノ様、カミューさんを?」


「…どういうこと?」



「…はぁ…ティナは解ったらしいが…「…ジオノ…」…ゼル?」



ジオノの説明を聞いていた3人だったが、ティナはその説明でジオノがしようとしていることがわかったらしく、ジオノに確認するように話し掛ける。

だがカミューとジュリアは未だに理解していないようにしているため、ジオノは2人に更に説明をしようとしたが、ゼルに遮られた。



「…その話は後だ…そろそろ結界が切れる…何処かに移動した方がいい…」


「…そうじゃな。

とりあえず移動するかの。

…カミューよ、何処か落ち着いて話を出来るところはないかのぅ?」


「…ここから1時間ほど歩けば、俺の家があるのでそこで良いですか?」


「…良いのかの?」


「…はい…どうせ誰もいませんから…。」


「「「…!?」」」


「…すまんのぅ…ではそこに案内を頼む。」


「…はい…あ、ちょっと待ってもらえますか?

先に着替えたいので」



カミューはジオノ達を自分の家に案内するため、立ち上がったがその表紙に自分の今の格好に気がついたのだった…





<続く>

ここまでお読み下さり、有り難う御座います。

m(_ _)m


とりあえず編集し直したモノは、このお話でお終いです。


前回の【反転世界に行ったら、性別が反転していた(笑)[仮題]】の最終話は、ページ数が少ないため投稿し直すのは見送ります


しばらくお待ち頂くことになるかもしれませんが、長い目で見て頂けると助かります



感想・レビューは随時受付中ですので、

宜しくお願いします。

m(_ _)m



2017/7/21

・編集ミスを発見した為、編集し直しました

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