第一話 第一話 日常
投稿し直し第二段です。
神弓 結理の朝は早い。
午前5時
日の出前に起床し、
顔を洗うと軽く家の掃除をして、
朝食と昼の弁当の支度をすることから始まる。
因みに彼の家族は
彼が中学に上がる時に事故によって
既に他界している。
今は近所に住む親戚に
世話になりながらの一人暮らしである。
~閑話休題~
午前5時30分
朝食と弁当の支度がある程度終わると電気釜のタイマーをセットし、
仏間に行き仏壇の
両親と妹の遺影に手を合わせ3人に朝の挨拶をする。
「…」
やがて、挨拶をし終わると寝間着をジャージに着替えて日課のランニングに向かう。
玄関から出るとちょうど日が昇るところだ。軽く身体をほぐして走り出した。
これから約1時間程ランニングをしてるのでそこは割愛しよう。
6時30分頃に自宅に戻ってくると、
前日に出た洗い物とさっきまで着ていたシャツや下着を洗濯機に入れスイッチを入れる。
その間にランニングで出た汗をシャワーで流し、
先ほど支度をしていた朝食と弁当を仕上げて、
学校の支度をする。
午前7時
学生服に着替えリビングでご飯が炊けるまでテレビを観ながら待つ。
『…次のニュースです。
今日未明、〇〇市××にある△△ビルと□□ビルの間にある路地裏に、
[大量の血痕がある]と、
警察に通報がありました。
警察によりますと、通報したのは二つのビルに新聞を配達する新聞配達員の石上 隆治さんが配達の為ビルの裏口がある路地裏に入った時に発見し、通報したとのことです。』
テレビではニュースキャスターが朝から物騒なニュースを読み上げていた。
そのニュースを聴いたカミューは眉を僅かに顰めた。
なぜならこのニュースに出てきた現場は、彼が通学する為に使用しているバスで、次の停留所の近くだからだ。
「…学校の近くだな。
野次馬に行くヤツが馬鹿なことをしなきゃ良いけど…。」
カミューは誰に言うわけでもなくそう呟くと、丁度タイマーセットした電気釜が炊き上がったことを知らせる。
カミューは立ち上がるとキッチンに行き、弁当箱に炊き上がったご飯を詰め、朝食の支度をしていく。
カミューは両親と妹が亡くなって中学を卒業するまでは、まだ近所に住む親戚の家で生活していたが、
中学を卒業してからは一人暮らしをするようになった。
その為だろう、手慣れた手つきで朝食と弁当を作ると、弁当箱の蓋はせず朝食だけをテーブルに並べていく。
テーブルに並べ終えるとそのまま椅子に着座して朝食を食べ始める。
「…いただきます。」
因みに今日の朝食は、
・豆腐となめこのみそ汁
・焼き鮭
・漬け物
・白米
と純和風の献立だ。
何故カミューはこんな立派な朝食が出来るのかというと、
二年程前まで世話になった親戚に、
『世話になっているから家事を手伝う!
それに何時かは一人暮らしをするんだから、家事は出来ないと困るから教えて欲しい!』と言い、教えて貰ったからだ。
親戚の方も『手伝ってくれるんなら助かる』と、
カミューに家事を教えていったが、元々主夫の才能があったかのように全て覚えていった。
その為今では親戚をたよらず一人で家事全般をこなせるようになっていたからである。
~閑話休題~
午前7時30分
朝食を食べ終えると、使った食器を洗っていく。
それが終わると弁当箱の蓋をしてカバンに入れ、
朝食前に廻していた洗濯機の中身をベランダに干していく。
幸い今日は快晴なため雨の心配をしないで良い。
コレが雨天や午後から雨だったら部屋干しになる為、少し時間が掛かる。
洗濯物を10分も掛からず干し終えると、
またキッチンにいき水筒に飲み物を淹れていく。
今日は若干寒いので熱めに淹れた日本茶だ。
午前7時50分
戸締まり・ガスの確認をし家を出る。
バス停まで3分程で到着すると、スマホで今朝のニュースの続報をチェックするが、特に進展はなかったのでスマホをしまう。
そこへバスが到着しカミュー以外の人と一緒に乗り込む。
バス内はカミューと同じ学生服を着た者が数名いるが、学年が違うのか知り合いはいなかった。
そうこうしている内に、バスはカミューが通う高校の近くに到着するアナウンスが入る。
『次は反町学園高校前、
反町学園高校前です…』
カミューと一緒に数名の生徒がバスを降りる。
降りた場所は学園の正門より若干遠いので、
カミュー達生徒はノンビリ歩いて登校していった。
午前8時45分
学校に着き上履きに履き替えたカミューは自分の教室である2―Bへ向かっていた。
階段を登り、3階にある教室に向かって廊下を歩いていると、
背後から抱きつきながら声をかける者が現る。
「おっはよ~!カミューちゃん!?」
ギュッ!
「亮…ちゃんはやめろ。
それと離せ。」
抱きついてきたのは、
同じ中学からこの学園に入学した親友の葛城亮だ。
「わぁったよ…カミュー。
でも、離すのはイヤだね!」
「…」
ドスッ!
「ウグッ!?」
ズダン!!
「ガハッ!?」
亮はカミューに指摘されたちゃん付けは止めたが、カミューに抱きついたまま教室に向かおうとする。
カミューはそんな亮の態度に怒りを覚え、
背後にいる亮のわき腹に肘鉄を喰らわし、
怯んで拘束が弛んだ亮の腕を取ると、そのまま廊下に投げ飛ばした。
「…亮、俺は離せと言った。殴るぞ。」
「イタタ…つーかもう殴っているし投げ飛ばしたじゃねーか!?」
「フン…お前が馬鹿なことをし続けるからだ。」
「んなこと言ったって、カミューは可愛いんだからついやっちまうんだよなぁ…」
「…もう一度殴るぞ」
…そう、カミューは17才にしては155cmと小さく、
顔もどちらかというと女の子といった方がいい女顔だった。
昔から女の子に間違えられることが多かったカミューは、せめて体格だけでも大きくしたかったので家族が亡くなる前から、空手・柔道・剣道・etc…と習っていたが、亡くなった両親も背は小さい方だったので遺伝であろうか、背はそれ程伸びなかった。
それでもあきらめずに背を伸ばそうと未だに武道は続けていたが、こちらも遺伝なのかそれ程筋肉はつかなかった。
見た目は学生服を着た女の子にしか見えないからか、女の子と間違えて告白してくる者や、先ほどの亮のように抱きついてくる輩まで現るようになった。
最も抱きついてくる輩には亮のように投げ飛ばされるのが関の山だが。
~閑話休題~
亮を投げ飛ばしたカミューは更に一発殴っておき、教室に向かった。
「おはよう。」
教室のドアを開けながら挨拶をすると、教室内にいたクラスメート達もカミューに挨拶を返すとそれぞれの話しに戻っていく。
どうやら話題は今朝のニュースのことのようだ。
カミューは自分の席に着くと授業の支度をしながらそれらを聴いていた。
「…あそこのビルの裏側って、よく不良達の溜まり場になっていたよな?」
「ああ、俺もあそこでカツ上げされたことあるから知ってるけど、真夜中にやるか?」
「それもそうだな。
じゃあなんで大量の血痕なんてあったんだ?」
「おおかたその不良達がなんかしたんじゃね?」
「なんかって、何だよ(笑)」
「さぁ?俺そんな時間に外を彷徨く不良じゃねーから知らねー(笑)」
クラスメート達の話しを聴くともなしに聴いていたカミューは、ふと時計を見た。
時刻は8時58分を差しており、丁度担任教師がやってきた。
「おはよう。ホームルーム始めるからみんな席に着けよ~。」
担任は生徒達を席に促すと、出席確認をして連絡事項を伝えていく。
「…ああ、そうだ。
みんな知ってると思うが今朝学園の近くで事件があったが、野次馬に行くなよ」
担任はそう話しを締めくくると教室を出ていった。
入れ替わりに1時限目の教師がやってきて授業開始となった。
<続く>
お読み下さり、有り難う御座います。
m(_ _)m
読んで頂いた方はわかると思いますが、
第一話から第四話までは、
前回の【反転世界に行ったら、性別が反転していた(笑)[仮題]】のそれぞれの話をまとめて、編集し直しております。
そのため話に若干の違和感があるかもしれません
もし宜しければ、
ご指摘頂ければまた編集しますので、
宜しくお願いします。
m(_ _)m