羊はあくびがすき
たくさんたくさん考える
考えなくてもいいことだってぜんぶ考える
心配事、今日のこと、あなたのこと、明日のこと
考えてるようで、実はからっぽだけど、装う
わたしはきょうも夜更かしをする
はやくこっちへ来いと、羊たちが待っている
普段うるさく叱る星たちは、とてもしずかだけど
きょうはお休み?そういえば雲が多いのね
ふとんはわたしの体温で、もう溶けそう
気を抜けば、ふとんにわたしが溶けそうね
それでも、わたしは夢を捨てて夜更かしする
枕もとのくまが笑う
どうして泣くの?涙はどこに行くの?
不思議だね、どこに行くんだろうね
あの世かな、地面にしみて種を育てるのかな
もうちょっとお話しよう、ラストのない話だけ
けど、ほら、月がそろそろ何か言いたげ
雲の隙間、ちらちら顔を出しては、また隠れる
大丈夫、わかってるよ、もうすぐ寝るからね
あなたが向こう側へ帰るまでには寝るからね
もうちょこっとだけ、ね、お願い
4時って夜かな、朝かな、月かな、太陽かな
また考えなくていいことばっかり
けどそんな日だって必要なのよ、わかるでしょう
私みたいな生活してる人はたくさんいても
私と同じ生活をする人は、誰一人としていないのよ
そんな特別なことって、ある?
そんな平凡すぎて特別すぎること、ある?
すてきね、考えなくても、涙がふわわって
涙って、とっても綺麗ね
月は諦めてくれた、わかってる、ありがとう
けど、もう下半身はふとんにのまれちゃったし
羊も私を待ちくたびれて いなくなっちゃった
街に繰り出したのかな、夜の街はどんなかな
隣のくまはまだ私の話を聞いている
おもしろくないでしょう、そろそろ寝ようか
お待たせしました、お月様
明日は、夜の街を教えてもらわなきゃ
ふわふわわ なひつじさんに