第七章 初めての実戦
「なんだこいつは?」
今目の前に、 犬を大きくしたような生き物がいる。
そこまではいい、 そこまではいいんだ!
ただ、 その四足歩行生物には、 頭が二つあった。
「なに? オルトロスですってか?」
「グルルルルル」
明らかに相手は『今日の飯はこいつだぜ』って感じで唸っている。
「どうしたもんか?」
頭が二つある犬を、 生け捕りにしたまま母さんにプレゼントしたら、 喜ぶだろうな、なんて考えているうちに、 オルトロスが飛びかかってきた。
「おっと、 やっぱりすばしっこいな」
前足をつかって横凪に爪で斬りかかってくる。
「こりゃ・・・やるしかないよな」
先に襲いかかってきたのはそっちの方だ、 正当防衛と行かしてもらおうではないか。
腰に常時携帯しているナイフを取り出す。
「さって、 かかってきなワン公」
そんな挑発を理解しているはずもないが、 怒ったのか今度は真っ直ぐ飛びかかってきた。
「そんな単調な動きじゃ・・・死ぬぜ!」
突進を容易く避けて、 隙のできた脇腹にナイフを深く差し込む。
「!%&’%!」
刺した瞬間、 とてつもなく大きな鳴き声をあげた。
「うるさいな、 って俺のナイフ!」
オルトロは刺されてもまだ生きているようで、 バックステップをとった。
「ま、 どうせ瀕死なんだから、 なんもできないだろ」
ほれほれ、 かかってこいや~、 先に喧嘩売ってきたのはそっちだろ~。 なんて悪態をついた。
しかしここで、 意思の疎通などできているわけがないのに、 明らかにオルトロスは怒ったような鳴き声をあげた。
「なんだ? 威勢がいいだけじゃ、 生き残れないぜ。 って危な!」
間一髪で相手の攻撃を避けることができた。
相手はバックステップを取ってたから、 すぐに攻撃はできなかったって?
そうですよ、 しかし彼は、 炎をはいてきたのです、 はい。
「そりゃないだろ! どんだけファンタジーなんだよ!」
と叫びつつも、 回避行動をやめないところは、 親父の訓練のおかげだろう。
「さて、 ナイフはあいつに刺さったまんまだし、 炎をはくから迂闊に近寄れないし・・・どうするか」
そんな考えをしているうちにも、 炎による第二撃を放とうとしている。
「やっぱ・・・これしかないよな」
自分の脇を触る。 あ、 変な意味じゃないよ。
「ただ、 拳銃を取っただけですよ!」
ショルダーケースから拳銃を二丁取り出す。
そして二丁使って相手の頭に一発ずつ打ち込む。
今度は鳴き声をあげずに・・・死んだ。
「生き物なら、 頭に食らったらさすがに死ぬだろ」
どうやら、 魔物も例外ではなかったようだ。
「恨むなら俺ではなく・・・人間の先端技術を恨むんだな!」
そう言い残してこの場を去った。
すいません、 戦闘は初めて書くのでうまくないかもしれませんが・・・。
感想などよろしくお願いします。