第六章 召還されて
~???サイド~
部屋が光で包まれた。
眩しすぎて目を開けることができない。
「姫様! 大丈夫ですか!」
どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。
おそらく、 部下の兵士の声だろう。
「大丈夫です! それより召還魔術の方はどうなりましたか!」
視力も回復してきたので慌てて魔法陣の方へと目をやる。
そこには、 一人の少年が横たわっていた。
「どこだここ?」
第一声はこれだった。
「たく、 ドッキリにしては気合い入ってんな」
あたりを見回す。
どうやら森の中のようだ。
「え~と、 確か・・・不良に絡まれて、 裏路地に逃げて、 それから・・・」
ここで、 腰に手を当てる。
そこには、 いつものようにナイフが携帯されていた。
「ナイフに、 あと拳銃も」
脇に手を当てると愛銃のM92FとM1911がホルスターに納められていた。
「バックは・・・」
うん、こっちも問題なし。
「ちゅうことは、 これは夢ではないだろう」
とりあえず、 お家に帰りますか。
「でも帰り方がわかんねえ」
まあとりあえず歩いてればどうにかなるだろう。
そう思って振り返った瞬間、 ここは俺の住んでいた世界ではない、 と確信した。
「なんだこいつは?」
~和也サイド~
なんで俺こんなところで横になってるの?
それからなんでこの人達は俺のこと見てんの?
とりあえず現状把握しておこう。
「あの~ここどこですか?」
瞬間、 ここにいる人たちがビクッと飛び跳ねた。
「申し遅れました、 私この国の第一王女のアリア・カスタロットです。 以後お見知りおきを」
知らない国の名前、 王女様、 鎧を着た人たち、 このヒントから得られる答えは。
「もしかして俺・・・召還されちゃいました?」
一瞬驚いたような顔をした後、 にこりと微笑んで言い放った。
「はい、 ものわかりがよくて助かります」
やっぱりか・・・。
「それで、 俺に何をやらせたいんですか?」
大体予想はできてるけどな。 一応聞いて置こう。
「あなた様にはこの国の勇者をやっていただきたいのです」
ほらきたよ。
「まあそれはおいおい考えるとして・・・ここにもう一人誰かいませんでしたか?」
あの時の魔法陣によって召還されたのなら、 あの上に乗っていた真治も召還されるはずだろう。
「いえ、 あなた様一人でしたが、どうかなさいましたか?」
「いやそれが、 俺が召還されたときに仲間も一緒にいたような気がしたのですが」
もしかしたら真治は召還されなかったのかもしれない。
しかしそんな期待を裏切るように、 一人の兵士がこの部屋に入ってきた。
「報告します! 南部にある死の森の中心部分から巨大な光が発生しました!」
「本当ですか!?」
姫様が妙に慌てている。
「どうかしたんですか?」
「それが・・・あなた様がここに来たときも、 巨大な光が発生したのです」
「それじゃあ! その森の中心部に真治が召還されたかもしれないんですね!」
「おそらくそうですが・・・」
「では早く、 助けに行きましょう!」
しかし兵士達はこちらを見ようとしない。
「助けに行きたいのは山々なのですが、 その森は死の森と呼ばれ、 凶悪な魔物がたくさん住み着いているのです」
「それじゃあ助けに行かないんですか!」
「おそらく召還されていたとしても、 すでに命は・・・」
くそ! こんなことってあるか! なんで真治がそんな目に遭わなきゃ行けないんだ!
「落ち着いてください、 これから今後のことを話し合いましょう」
「・・・・・・わかりました」
今はそうするしかできなかった。
展開が早いかもしれませんが・・・。
次は真治の戦闘シーンです!
感想などよろしくお願いします。