第二十九章 決勝戦
「さぁー! 始まります! なにがって? 武道大会の決勝戦ですよ!」
瞬間、 会場に歓声が響き渡った。
それにしても司会者テンション高すぎるだろ。
「出場選手は、 セリア&カズヤペア。 どうやらこちらの方にチップが集中している模様です!」
おい、 この試合賭が行われてるのかよ。
「対するシン&ローラペアにも、 僅かながらチップが賭けられております」
僅かかよ。
「まあそんな御託はどうでもいいです! それでは始めましょう! 武道大会決勝戦! 始め! それからセリアペアがんばれ!」
最後に私情混ざってるぞ。
と、 そんなことに気を取られている暇は無い。
前回同様にある物を地面に叩きつける。
相手ペアは閃光球の対策なのか黒いゴーグルを掛けているが、 関係ない。
今回は光ではなく、 音だ。
瞬間会場内に轟音が響き渡った。
おー、 相手ペアも耳を押さえとる。
それにいきなり轟音が響くと、 反射的に目をつぶっちゃうものなんだよな。
でもこっちは耳栓してるから、 平気なんだけどね。
それじゃあ勝負を終わりにしよう。
打ち合わせ通りローラの肩を二回叩く。
耳栓を取ってもいいという合図だ。
「行きます!」
ローラがPPKの狙いを男の方に向ける。
そして俺はM92Fの銃口を女の方へ。
これで、
「「フィニッシュ!」です!」
パンパンと響く銃声。
しかし倒れたのは、 男の方だけだった。
そして女の方が口を開いた。
「やりますね。 今度は音ですか。 どうやらカズヤさんは倒れてしまったようですが、 私は立っています」
「みたいだな」
そう喋る女の目の前には、 水で出来た障壁のようなものが展開されている。
その中には、 俺の放った弾丸が。
「これでしたか。 あなたたちが使っている武器は」
女はそう言いながら、 障壁の中で止まっている弾丸を手に取った。
「ご名答。 でもこれは、 防げない。 あなたがどんなに強くても」
「そうですか。 なら先手必勝です!」
バッと女がこちらに駆けだしてきた。
しかも滅茶苦茶早い!
「ローラは下がれ! 俺がやる!」
「は、 はい!」
そんな短い会話をしているうちに、 女がこちらの懐に入ってきた。
「っ、 この!」
すぐさまM92Fの銃口を向けるが、
「どうやらその穴から何かを高速射出しているようですね」
そう言って銃口から逃げるように動き出した。
確かにいい動きだ。
拳銃相手と戦うときは、 弾丸を避けようとするのではなく、 銃口を避けるようにして動くのがベストだ。
しかし常人相手なら、 狙いをつけるほうが早くあまり関係がないのだが、 この世界では違うようだ。
「動き早すぎるだろ!」
こちらが狙いを定める前に次の位置へ移動するので、 狙いが定められない!
「そこです!」
女が腰の剣を抜いて、 こちらに振り抜いてきた。
しかも魔法付きだ。
前回の試合同様に鞭のような物が伸びている。
そしてそれは俺のM92Fを正確に弾いた。
「って、 やるなあんた」
「これでも王国一強いと言われているので」
さて、 次の一手は、 どうする?
M1911を抜くか?
いや、 これだけ強い相手だ。
そう会うことも出来ないだろう。
なら、
「ちょいと俺の鍛錬に付き合ってもらうぜ」
すいません、 本当にすいません。
更新めっちゃ遅れました。
でもおかげで受験は終わりました。 第一志望合格です。
これで更新がもう少し早くできると思います。
でもこれだけ遅れたのにも、 理由があります。
そう、 他の作品を書いていたのです。 しかも長編。
一応UPしますが、 2011/02/26日の23時59分に削除します。
ぜひそちらもよろしくです!