第二七章 昼飯を抜くことのつらさ
「あ~、 腹減った」
「だからシンジさんの分も買いに行きましょうって言ったのに」
昼飯騒動からおよそ一時間。
本戦1回戦の開始時刻だった。
しかも運の悪いことに1回戦の出場選手というのが俺たちだった。
なので現在所在地は、 予選が行われた会場だ。
「さっさと終わらせて、 飯買いに行くか」
「がんばります!」
ホルダーからPPKを取り出すローラ。
見たところ相手の中に魔法使いがいるな。
杖持ってるし。
「まあ、 銃があれば瞬殺は間違いなしなんだけど・・・保険を打っとくか」
そのためのゴーグルだし。
「ローラちょっと耳貸して」
「ふぇ? どうぞ」
ごにょごにょごにょ。
「・・・わかりました」
「よろしい」
軽い打ち合わせってやつだ。
「さ~~~て、 始まります! 武道大会本戦が! 1回戦はまぐれで勝ち上がったシン&ローラペアVS昨年準優勝ペアのカイト&ボアペアです! 私正直この試合を見るのが辛いです! おそらく瞬殺となるでしょう! しかし時間は待ってくれない! それでは始めましょう、 本戦1回戦・・・始め!」 ・・・好き勝手言ってくれるじゃねえか。
お望み通り、 瞬殺にしてやるよ。
「ポーズ!」
そう叫ぶと、 相手の選手は各々の武器を構えた。
・・・いや、 相手に言ったんじゃないよ。
もちろんローラだよ。
いや、 そんなことはどうだっていい。
俺は手に持っていたそれを適当に放り投げる。
相手が対処するよりも先にそれは起動した。
瞬間、 会場内が光によって埋め尽くされた。
目が眩むほどの光量。
ま、 普通にしてられるのはゴーグルをつけた俺とローラくらいかな。
やがて光が引き、 観客全員が会場中心に注目した。
なんてことは無い。
俺とローラが立っているだけだった。
~和也サイド~
「予選お疲れ様でした~」
「まあ、 ほとんどセリアさんだけどね・・・」
予選が終了してから、 相手選手の視察をしようと観客席に座ることになった。
「で、 どうですか? どっちが勝つと思います」
「順当に行けばカイト&ボアペアだと思うが・・・あの少年からは、 並々ならない何かを感じる」
セリアさんが言っている少年とは、 あのゴーグルをしてローブを羽織っている少年のことだろう。
「考え過ぎじゃないですか?」
「・・・そうだな」
ここからでは何も見えないが、 女の子の方は何かを取り出した。
おそらく杖の類だろう。
「あんな小さな女の子が戦うの? 危なくない?」
心配顔をするアリア。
「見た目がどうであれ関係ありません」
と、 厳しい評価を下すセリアさん。
「さ~~~て、 始まります! 武道大会本戦が! 1回戦はまぐれで勝ち上がったシン&ローラペアVS昨年準優勝ペアのカイト&ボアペアです! 私正直この試合を見るのが辛いです! おそらく瞬殺となるでしょう! しかし時間は待ってくれない! それでは始めましょう、 本戦1回戦・・・始め!」「始まっちゃった」
俺らの意に介せず、 試合が始まってしまった。
先に動いたのは先程言っていた少年だった。
右手を掲げて何かを叫んでいる。
しかしここからでは何も聞こえなかった。
そして何かをひょいっと投げた。
それだけだった。
それだけで変化が起きた。
会場内が光で包まれたのだ。
「きゃ」
「くっ」
「うわっ」
三者三様の驚き。
しかしその光は一瞬で引いた。
「なんだった?」
「あっ、 あれ! 見てください!」
アリアが指さす方向には、 少年と少女がなんてこと無かったかのように突っ立っていた。
すいません! 本当にすいません!
いいわけを言わせて頂けるのなら、 叫ばせて頂きます。
高校受験の馬鹿野郎ーーー!
ふぅ、 少し落ち着きました。
しかし終わったのは私立受験。
作者の進学希望は公立高校。
・・・つまり作者の戦いは終わっていないと言うことです。
またまたしかし! こんな状況でも更新は続けていきたいと思っています。
離れていってしまった読者様。 戻ってきてください。
それでは長文失礼いたしました。
これからもよろしくお願いします。
あ、 ちなみに私立の方は合格間違い無しです。