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第十七章   準備

「ただいま~」

「シンジさん! 私に魔法を教えてください!」

「は?」

 おばさんとの話も済んで、 宿に帰るとローラが一も二もなく言い放った。

「だから私に魔法を教えてください!」

 ローラが必死の形相で訴えてくる。

「一応聞くけど・・・なんで?」

 ちなみに、 『盗賊を懲らしめるためです!』なんて言ったら却下。

「もちろん盗賊の人達を懲らしめるためです!」

「はい却下」

 ローラを無視して、 ベットに飛び込む。

「なんでですか、 なんでですか~」

 ローラは、 隣のベットでごろごろ転がり始めた。

「そりゃあ、 ローラが魔法なんか使えなくても、 俺が一人で何とかできるから」

 今さらりと、 俺最強です、 と言った気がするが気にしない。

「えっ! シンジさん一人で行くつもりなんですか!?」

「もちろん」

 ついてくる気だったのかよ・・・。 でもさすがに一緒に行くのはまずかろう。

 身の危険もあるし、 なにより・・・。見ちゃいけないことなんかが起こるかもしれないから。

「お願いします! 私も連れて行ってください!」

「なんでわざわざ危険な場所についてくるの?」

 俺がいるとしても、 ローラが絶対安全というわけではない。

「盗賊団の人達に言いたいことがあるし・・・シンジさんが心配だからです!」

 いや、 心配なのはこっちなんですけど。

 しかし、 このままだと本当についてきそうだな。

 だったらここは。

「わかった、 盗賊団を懲らしめに行くのは明後日にして、 今日は魔法のことについて話したげる」

「ありがとうございます!」

 ローラはごろごろモードから、 正座に移行。

「魔法を教えるって言っても、 ほとんど・・・いや全部俺のオリジナルだけど、 問題無い?」

「ぜんぜん問題無いです! よろしくお願いします」

「うむ、 では俺の魔法の持論を話そうではないか」

 意味は無いが、長老モードに移行。

「よろしくお願いします! 長老!」

 おぉ! なんてノリがいいんだ!

「あの森の中でローラは、 想像した現象が起こることが魔法、 と言ったのう」

「言ったような、 言わなかったような・・・」

「うん、 魔法ってこれだけ」

 はい、 長老口調疲れたッス。 よって通常モードに移行!

「ズバリこれとは?」

「だから想像するだけ」

 何気ない口調で言ったのだが、 ローラは納得できないようだった。

「想像するだけなら私もできます!」

 そう言い放つと、人差し指の先端に、 炎が灯った。

「でもこれをどうすればいいかわからないんです」

 確かに、 人差し指の先端に炎が灯ってても誰も臆さないだろう。

「だから、 魔法ってのはね、 想像するだけでいいの」

「この場合どんな想像ですか?」

 ローラは人差し指を突き出す。

「簡単なことだよ。 ローラはこの炎をどうしたい?」

「前に放ってみたいです」即答。

「それでOK。 今度は、 炎が灯った後、 どうなるかも想像してみて」

「わかりました」

 ローラは人差し指の先端に灯っていた炎をいったん消す。

 そして再び火を灯す。

 その火の玉は・・・。

「やりました!」

 見事に前方に射出されていた。

 が、 十センチ位進むと消えてしまった。

「あう」

 肩をすくめて落ち込むローラ。

「いやいや、 最初にしては上出来だって」

「本当ですか?」

 途端に顔を輝かせるローラ。

「うんうん」

「ありがとうございます」

「お礼はいいからさ、 今日はもう遅いし、 もう寝ようか」

 天井のランプに手を掛けながら言った。

「わかりました、 明日も魔法のこと教えてくださいね」

 そう言うとローラは、 毛布にうずくまりすぐに眠りについた。

 作戦成功・・・だよな?

「ごめん」

 俺はベットからおりて、 部屋にあったテーブルに座る。

「創造魔法とやらをやってみるか」

 図書館で見た本の内容を思い出す。

「確か大量の魔力、 それと繊細なイメージが必要だっけ?」

 まあ、 魔力とやらの方は大丈夫だろう。 なんか魔力量多いらしいし。

「とりあえず・・・ナイフかな」

 目をつぶって、 手のひらにナイフができるイメージをする。

 目を開けるとそこには。

「お~できてる」

 手のひらには、 俺の持っているナイフにそっくりなナイフが創造されていた。

「やっぱり、 俺の持論はあってるみたいだな」

 俺の持論、 それは元々いた世界で言う、 プログラムだ。

 何が発生して、 どのように動く、 それをプログラミングした物が通常魔法。

 物の細部をプログラミングして、 その物体を発生させるのが創造魔法。

 プログラミングする、 という発想に気付いてからの成長速度はすさまじかった。

 炎の弾丸なら、 拳銃の先端に炎を出現させてそれを高速射出するよう脳内でプログラミングする、 たったそれだけのことだった。

 時計でたとえるなら、 時計が動くのは誰でも知っているだろう。

 では時計の設計図はどうなっている? と聞かれればほとんどの人が答えられないはずだ。

 つまり俺の持論とは、 創りたい物の詳細な設計を、 脳内でプログラム化させてそれを創り出す。 それが創造魔法の正体。

「これなら・・・アレも創れるんじゃないか?」

 設計図は母さんが持っていたやつが、 そのまま頭に入っているからな。

「いくぞ」

 ゆっくりと目を閉じ、 ある物体の設計をプログラミングする。

 プログラムが完成すると、 一気に魔力を放出する。

 そして目を開けると、 そこには。

「まじかよ・・・」

 日本の自衛隊等が制式採用している89式5.56mm小銃があった。

 他の物も創ってみたいが、 時間がないので必要最低限の物だけを創ることにした

「まずは弾かな」

 早速創ろうとしたが、 ある事を閃いた。

「一応やってみるか」

 弾丸とマガジンの設計図は頭に入っているので創造、 ついでにいくつかのプログラムを組み込んでおいた。

「これができたら、 本気で最強だな」

 部屋にあった紐を89式に取り付けて、 肩に掛ける。 

「さて、 俺は俺のやるべきことをしないと」

 ローラに気づかれないように、 音を立てないようにして部屋を出る。

 向かう場所は東にある盗賊団のアジト。

 そして目的は・・・。  


89式は作者の趣味です。

次回、 89式が火を噴きます!

よくわからない説明だったかもしれません。 反省。

こんな文ですが感想などよろしくお願いします。


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