第十四章 図書館で
「いらっしゃい!」
食堂に入った俺たちを迎えてくれたのは、 元気そうなおばさんだった。
「注文はどうするね?」
いきなり注文とか言われても決めようが無いんだが。
「すいません、 俺たち旅の者なのでよくわからないんですけど」
「まあ! 旅の方! 珍しいねぇ」
この言い方だと旅人は少ないようだ。
「おすすめの物を二人前お願いします」
ちなみにお金は、 馬車の中から押収。
ローラが言うには結構な量だそうだ。
「はいよ!」
そう言い残しておばさんは厨房に駆けていった。
「さて飯食ったらどうする?」
今後の予定、 それを決めておかなくてはならない。
「ちなみに俺は一晩ここで宿を取ってから、 大きな町に向かうつもりだけど」
「わ、 私は・・・」
「あ~無理して、 ついて行くなんて言わなくていいぞ」
ローラのことだから、 心配してついて行くなんて言いかねない。
「わ、 私シンジさんが行くところに行きたいです」
「? なんで?」
「・・・・・・」
無言のままこちらを睨むローラ。
やがて大きな声で言い放った。
「シンジさんが心配だからです! 大きな町で問題でも起こされたらたまらないです!」 「お、 おお、 わかった」
そこでちょうどおばさんが料理を運んできてくれた。
「はいよ! 二人前お待ち!」
目の前にハンバーグみたいな物が置かれる。
「それじゃあ、 いただきます!」
とりあえず、 食ってから考えるか。
「ふぃ~~~疲れた」
「やっとゆっくり休めますね」
俺たちは食堂を出た後、 宿を取って休むことにした。
ちなみに相部屋。
最初は二つ部屋を取ろうとしたのだがローラが『お金がもったいないです!』と言って聞かないので相部屋にすることにした。
「さて、 俺はこれから、 この村の図書館とやらに行ってみようと思うんだけど・・・ローラはどうする」
「私は生活に必要な物を買いに行きます」
そう言い残してローラは村の中心の商店にくりだしていった。
「俺も行くか」
そして俺も部屋を後にした。
「へ~意外としっかりしてんな」
現在図書館の中で本を探していた。
探している本は、 魔法についてのことが書かれている本。
「これなんてどうだ?」
手に取った本の題名は『ゴブリンでもわかる魔法入門書』・・・まあいいか。
席に座って本を開く。
「これは・・・当たりじゃないか?」
この本、 題名こそふざけてるが、 中身は非常にしっかりした物だった。
「まずは、 目次と」
目次にはこんなことが書かれていた。
『目次
一 魔法とは何か
二 魔力について
三 簡単な魔法回路
四 攻撃魔法について
五 治療系魔法について
六 無属性魔法について
七 創造魔法について
八 失われた魔法について
後書き』
「ふむ」
魔法の基本的な仕組みはわかっていたので、 詳しい説明が書かれている四章あたりから読むことにしよう。
「でも、 こんなに読んだら、 集合が遅れちゃうな」
よし、 どれか一つだけ読むことにしよう。
少々考えた末決定。
「ん~やっぱりこれだな」
俺は目次に従ってその項目のページを開いた。
ぜんぜん戦闘が無いですね。
さてシンジはどの項目を読むのか!