表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/41

第十三章   森を抜けて


「ほら、 起きろ。 お~いローラ起きろ~」

「むにゃ、 交代ですか?」

「まさか、 もう出発するぞ」

「出発って・・・えええええ!」

 ローラが大声を張り上げる。

「なんで起こしてくれなかったんですか?」

「いや~あんまり気持ちよさそうに寝てたもんで」

 ちなみにこれは、 四割本当で六割ウソだ。

「近くの集落まであとどれくらい掛かるかわかる?」

 ローラは何を言っても無駄だと悟ったのか、 大人しく答えてくれた。

「はあ、 たぶん歩いてあと・・・2時間ほどだと思います」

「ん、 じゃあ飯はそこで食うか」

 ここでローラが訝しそうに俺を見る。

「2時間と言っても普通に歩いてですよ。 途中で魔物に会ったらもっと掛かります」

「まあ大丈夫だって」

 そうですかといってローラは歩き出す。

「? 行かないんですか?」

 こちらを向き言った。

「いや行くことは行くんだけど・・・」

 喋りながらローラの前に移動、 そしてしゃがむ。

「何してるんですか?」

「いや、 おんぶするから乗って」

 瞬間ローラの顔は真っ赤に染まった。

「い、 いやいや。 もう腰なら大丈夫ですよ!」

 明らかに慌てるローラ。

「いや腰とかの話じゃなくて、 こうした方が早く着くかな~と思って」

「う~う」

 結局承諾してくれたようだ。

 ローラが背中に乗ったのを確認して立ち上がる。

「方角は?」

「こ、 こっちです」

 ローラは、 右の方向を指さす。

「さて、 これから走るけど・・・しっかりつかまってろよ」

「? わかりました」

「それじゃあ・・・行くぜ!」

 足に力を込めて大地を蹴る!

「にゃにゃ~」

 ローラがかわいらしい悲鳴を上げる。

 それもそのはず、 現在俺は相当な早さで森の中を駆けている。

 いや、駆けているというより、 飛んでいるだな。

 一度足を踏み出すたびに、 六メートルくらい飛んでいる。

「いやぁ、 爽快爽快!」

「ふにゃ~~~」

 相変わらずローラはかわいいなと思った。



「見えてきました!」

 そう言ってローラが指さす方向には村らしきものがあった。

「うまい食い物があるといいな~」

 ちなみに洞窟を出発してからおよそ十分くらい経過。

「それにしてもすごい身体能力ですね」

「いや、 これ魔法だけど」

「魔法? シンジさん魔法が使えるようになったんですか?」

「まあな」

 昨日の訓練でやりたいことはほとんどできた。

「一晩中訓練したかいがあったな」

「シンジさん一晩中訓練してたんですか!」

 ローラが声を張り上げる。

「人間は生まれた時から魔力を持っていると言いましたが、 それは魔術を使うためでもありますが、 生命維持のためでもあるんです!」

「へぇ」

 つまり魔力が無くなったら死ぬ、 ということだろう。

「体は何とも無いですか?」

 心配してくれるローラ。

「ああ大丈夫、 すこぶる快調さ!」

 どうやら安心してくれたようだが、 続けて質問された。

「ちなみに・・・今どんな魔法を使ってるんですか?」

「風だよ」

「風・・・ですか?」

 ローラの頭の上にクエスチョンマークが出現する。

「こうさ、 風を丸めた球体を着地地点に発生させて、 それをバネみたいにして飛んでるんだよ」

「へえ~器用な使い方をするんですね」

 身体能力が上昇する魔法も考えたが、 うまくイメージできなかったので代わりに風の魔法を代用した。

「到着!」

 話し込んでいる内に集落に着いたようだ。

「ほら、 飯食いに行こうぜ」

「そうですね」

 俺たちは、 食堂を探すことにした。

やっと森を抜けました。

次は集落でのお話です。

感想などよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ