第十二章 魔法ってすごい
「さて、 まずは」
俺は今洞窟の目の前で魔法の訓練をしています。
「イメージは、 手のひらに火の玉が、 火の玉が」
しかしいくら待っても火の玉は出てこなかった。
「イメージが弱すぎるかな」
ここで、 さっきのローラの行動を思い出す。
「そうだ! 俺も木の棒使うか!」
幸い周りには木の棒がたくさん落ちていた。
それを拾い上げて、 再びイメージをする。
「火のついたマッチ、 火のついたマッチ」
すると木の先端に小さな(ピンポン球くらい)火の玉が出現した。
「うおおおおお! すげえええええ!」
俺魔法使っちゃったよ!
「でも・・・これじゃあねぇ」
たしかに火の玉は出てきたが・・・小さすぎる。
「もっといい方法無いかな」
早いとこ拳銃以外の防衛方法を身につけないと。
弾も無限じゃないし。
拳銃のことを思い浮かべた瞬間、 俺はいいことを考えついた。
「これならピンポン球でも問題無いだろう」
そう言いながら拳銃を取り出す。
「拳銃の先端に火の玉、 拳銃の先端に火の玉」
ぶつぶつ呟いていると、 木の棒と同じように、 M92Fの先端に、 ピンポン球くらいの火の玉ができあがった。
「おしっ! 第一段階OK。 次はこれを・・・」
拳銃の役割は、弾丸の射出。
今のこの拳銃の役割はこの火の玉の・・・。
「射出!」
そうイメージすると、 目に見えぬ早さで、 火の玉が射出された。
「YES! YES! これはいいんじゃないんですか?」
続けてM1911も取り出す。
「行くぜ・・・」
今度はすぐに射出するイメージを組み立てる。
「おらっ!」
両方の拳銃の先端から火の玉が飛び出す。
「小さくても早さがあれば、 頭ぐらいは貫けるだろう」
これで弾の心配はなくなったわけだが。
「次は属性付加ってのをやってみるか」
拳銃をホルスターにしまい、 代わりにナイフを取り出す。
「まずはやっぱり・・・雷から!」
ナイフに、 電流が通うイメージをする、
案の定こっちの方は簡単にできた。
「なんか・・・すごいな」
ナイフがびりびり言ってる。
「これで、 スタンガン内蔵ナイフになったのか?」
使い勝手を調べるため近くの木に軽く投擲する。
そして絶句。
「・・・半端なさ過ぎだろ」
軽く投げただけなのにナイフは木を貫通してしまった。
ナイフの柄の部分に糸を仕込んであるので無くしはしなかったが。
「切れ味も上がってるな」
魔法・・・便利すぎだろ。
「他にもいろいろやってみるか」
そんなことを考えているうちに夜が明けるのだった。
これらは簡単な魔法ですが、 炎を弾として打ち出すという発想が無いので、 この世界の人たちは使っていません。
感想などよろしくお願いします。