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第十一章 この世界のこと


~和也サイド~

「それではまずこの世界のことについてお話します」

 俺達は召還された部屋を出て、 大きな会議室みたいな部屋にいた。

「この世界には大陸が現在確認されている中で3つあります。 そして我々が属している大陸はカスタリア大陸と言って、 世界で最大の規模を誇っています」

「国の関係はどうなっているのですか?」

 勇者として呼び出されるということは、 何か問題があると言うことだろう。

「はい、 この国は、 魔国、 セイーン、 アルジア、 合計三つの国に囲まれており、 そして現在はアルジアと・・・」

 姫様が何か言い淀んでいる。 まさか・・・。

「アルジアと戦争をしているのですか?」

「はい、 正確にはまだ表立った戦争は起こっていませんが、 いつ大規模な戦いが起こるか・・・」

 やっぱりな、 悪い予想は当たるもんだ。

「それで、 戦力の方はどうなっているのですか?」

 この国の勇者として呼び出された以上、 やるしかないだろう。

「我がカスタロット帝国の兵士の数は約五万ほどで、 アルジアの兵士は約・・・八万ほどです」

 三万差! これだけ差があればすぐにでも侵略してきそうなものだが。

「これだけの差があって大丈夫なのですか?」

 姫様はにこっと笑って言った。

「確かに人数差では負けておりますが、 こちらは有能な魔法師がたくさんいますので」 

 魔法ね、 やっぱりあったか。

「それにこちらには勇者様がいますしね」

 勇者というのは俺のことだろう。

 でも俺なんかが役に立つのだろうか?

「おれ、 いや私は魔法の魔の字も知らない一般人なのですが」

「心配はいりません、 召還された時にいろいろと力がついたはずです」

「力・・・ですか?」

 力といってもいまいちぴんと来ない。

 何が変わったのだろうか?

「主に肉体の強化、 魔力の無限化、 言語の理解と言ったところです」

 肉体の強化に魔力の無限化その言葉を聞いた瞬間、 頭の中で何かがはじけた。

「魔力というのは魔法を使うための源ですよね!?」

「え、 ええ」

「それじゃあ、 シンジが魔法を使ってあの森を抜け出せる、 ということはないでしょうか?」

 しかし帰ってきた返事は、 俺の希望を打ち砕くのは十分な威力だった。

「魔力を持っていたとしても魔法の使い方を知らなければ意味がありません。 それに肉体の強化といっても生身ではあの森の魔物には太刀打ちできません」

「そう・・・ですか」

 結局ダメ・・・か。

「そんなに悲しまないでください。 勇者様がそれではどうするのですか」

「そうですね」

 俺が勇者としてがんばるから見守ってくれ。

「それでは、 明日から訓練を開始したいと思います」

「わかりました」

 見ててくれ、 最高の勇者になってみせるから。




「一つ教えてもらいたいんだけどいいかな?」

 現在俺とローラは洞窟の中で果物を食べていた。

「ふえ? なんですか?」

 どうやらOKらしい。

「拘束を解いてあげるときに、 雷属性がとうたらこうたら言ってたけど、 あれって・・・もしかして魔法だったりする?」

 ローラは間髪入れずに返事を返してくれた。

「はい、 この世界には魔法がありますが・・・シンジさんの国には無かったんですか?」

「ごあいにくね」

 その代わり科学って奴がものすごかったけど。

「もしかして、 使い方とわかっちゃう?」

 もしそうなら是非ご教授頂きたい!

「魔法の仕組みなら知ってますけど・・・」

「YES!」

 英語なんて伝わらないはずだが、 ニュアンスは伝わったようだ。

「え~と確か、 魔法とは奇跡を具現化する物であり、 世の理を歪めさせる物、 だったような気がします」

「奇跡・・・ねぇ」

 正直それだけの説明じゃよくわからん。

「もっと具体的に言うと?」

「魔法を使うには魔力が必要ですが、 大体の人が生まれたときから持っています」

 ふーん、 じゃあ俺にもあるんじゃね?

「使用するには、 術者の強い想像力が必要不可欠だと言います」

「ふむふむ」

「私も簡単なものならできますが」

「マジで! やってやって!」

「わ、 わかりました」

 ローラは、 その辺に落ちていた木の棒を取ると、 目を閉じながら木の棒を前につきだした。

 やがてマッチに火が灯るかのように、 木の棒の先端に小さな火の玉が生まれた。

「おお! 魔法スゲ-!」

 ローラは照れたのか頭を掻いている。

「このように簡単なものなら誰にでも使うことができます。 木の棒を使ったのは、 その方がイメージがしやすかったからです」

 ローラの説明によると何も無くても魔法は使えるが、 木の先端に炎を灯す、 剣に雷をまとわせる等とイメージした方が成功率が上がるらしい。

「より具体的に想像できるしな」

「簡単な魔法は無詠唱で行えますが、 強力な魔法を使うのには詠唱が必要になります」

「ん~そっちはいいや」

 詠唱なんてやっている内に、 殺られるなんてことになったら目も当てられないからな。

「説明はこれくらいですけど・・・やってみますか?」

「ん、 そうしたいのは山々だけどそろそろ寝るか」

 洞窟に着いてから結構時間が経っている。

 俺はともかくローラの方が・・・ね。

 さっきから非常に眠たそうにしている。

「俺が見張りをしてるから、 安心して寝てていいよ」

「シンジさんに頼りっぱなしじゃ申し訳ないですぅ」

「わかった、 じゃあ1時間交代でしよう。 最初は俺がするな」

 これで納得してくれたのかローラは、 すぐに眠りについた。

「まあ、 ウソだけどね」

 この様子なら、 起こさなければ朝まで寝続けるだろう。

「さて、 魔法の練習でもするか」

 この世界は退屈しなさそうだな。

 そんなことを考えながら果物を一つ取った。


魔法が出てきました! 

説明が下手かもしれませんが、 どうぞ読んでやってください。

次回! 主人公の魔法が!

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