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第十章   些細な出来事

~ローラサイド~

「ふんふふ~ん♪」

 私は今、 食べられそうな果物を探しています。

シンジさんがなにやら、 けんじゅうとか言う物をいじりだしたので暇になってしまったのだ。

「たしかこれは食べられたはず」

 真っ赤な果実を袋の中に入れる。(袋は馬車の中から徴収)

「えへへ、 これでシンジさんも喜んでくれるよね」 

 袋の中には、 たくさんの果物。

「そろそろ帰らないとシンジさんが・・・心配してくれるよね?」

 奴隷として売られそうなところを助けてくれたシンジさん。

 魔物に食べられそうになったところを助けてくれたシンジさん。

「近くの集落まで行ったら・・・別れちゃうのかな」

 できればこれからもシンジさんと一緒に旅をしていきたい。

「だって私はシンジさんのことが・・・す」

 ガサッ、 後ろの方から葉っぱが揺れる音がした。

 まさかシンジさん? 今の独り言聞こえちゃった?

 顔を真っ赤にしながら振り向いたが、 そこにシンジさんはいなかった。

 代わりに、 オルトロス達を統べるケルベロスがいるだけだった。

 瞬間顔が真っ青になるのを感じた。

 「あ、あ、あ」

 驚きと恐怖で声が出ない。

 ここは死の森、 さっきまでシンジさんと一緒だったから気が緩んでいたのかも知れない。

 ケルベロスがにじり寄ってくる。

 「い、いやああああああ!」

 叫んだのを決起にケルベロスが飛びかかってくる。

 私は反射的に目を閉じた。

 そして暖かい何かが私に触れたのを感じた。

 おそるおそる目を開けると私はシンジさんの腕の中にいた。

「ふ、 ふえええ」

 私はうれしくなって泣いてしまった。

 シンジさんは、 私がピンチの時は助けに来てくれる。

 そう思うと涙が止まらなかった。

「ごめんな、 怖い思いさせて」

 違うの、 私が泣いてるのは怖かったからじゃなくて、 シンジさんが助けに来てくれたからなんですよ、 なんてこと言えるわけがなかった。

「ちょっと目をつぶってて、 すぐ終わるから」

 シンジさんは私を下ろすと、 けんじゅうを二つ取り出した。

私は言われたとおりに目を閉じる。

「死ね」

 パンパン! と乾いた音が死の森に響き渡った。




「死ね」

 ローラを泣かせたケルベロスに弾丸を放つ。

 打ち出した弾は、 標的の前足両方の関節を正確に打ち抜いた。

「#%”#&”$’&”’」

「黙れ」

 続けてもう二発後ろ足の関節に打ち込む。

 ケルベロスは、 立てなくなり地面にひれ伏す。

 そして無言のまま、 両端の頭にありったけの弾丸を撃ち込む。

 すぐに両端の頭は動かなくなったが、 真ん中の頭はまだ動いていた。

「・・・化け物め」

 腰からナイフを取り出し投擲。

 ナイフは頭を貫通して地面に突き刺さった。

 今度は完全に動かなくなった。

「ふう」

 ま、 こんなもんでいいだろう。

 すぐにローラの元へ駆け寄る。 

「もう大丈夫だぞ」

 ローラはおそるおそる目を開ける。

「無事だったんですね、 よかった」

 ローラの目尻に涙が溜まっていく。

 まずい! ローラの涙は、 戦術爆撃並の威力を有している!

「泣くなって、 ローラは笑ってた方がいいと思うぞ」

「ッ! あ、 ありがとうございます」

 瞬間的に顔が真っ赤になる、 が放っておく。

「うん、 それじゃあ日も暮れてきたし、 そうだな・・・あの洞窟で野宿するか」

 そう言って少し先の方にある洞穴らしき物を指さす。

 どうせなら森のど真ん中で寝るよりも、 洞窟の方がいくらかましだろう。

 問題はローラがOKを出すかだが・・・。

「私はシンジさんが行くところに行きます」

問題ないみたいだな。 

「んじゃ行こう」

 異世界についてからの最初の夜は、 美少女と洞窟で過ごすことになった。

誤字脱字などあったらご指摘よろしくお願いします。

主人公のオンオフの切り替えが露骨すぎないか?


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