簡易神格辞典の覚え書き
【神格一覧:名を記されたすべての神々】
わたしは語った。名を持つ神も、名を封じられた神も。
ここに記すのは、《ローゼンサーガ》に記録された、すべての神々の名の痕跡である。
一柱一柱の名には、祈りが、断絶が、そして語られぬ記録が宿っている。
忘れられぬために、記す。
祈るために、呼ぶ。
語るために、今ここに――名を記そう。
■ アウロ=ルクス(Auro=Lux)
種別:断絶神格/かつての主神格
属性:太陽/光/記名の根源
異名:光与える主、記名の始祖
信仰構造:記名の力を通して世界を支えたが、祈りの過剰により断絶
眷属:白豹
備考:現在は信仰を禁じられ、名のみが“記名具”に残存する
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■ アルネ=スティラ(Arne=Stira)
種別:多重神格/時間構文神格
属性:時間/繭/再起
異名:時繭の女神、やり直しの織姫
信仰構造:時を繭のように巻き戻すが、大きな代償を伴う
眷属:織り手の蝶、記憶を編む子ら
備考:重大な選択の後に祈られる神格として、精霊構文とも関係
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■ イル=ヴァス(Il=Vas)
種別:観測神格/構文欺瞞神
属性:仮面/欺きの構文/契約の裏面
異名:沈黙の観測者、語られざる契約の主
信仰構造:契約構文に潜む“虚偽”と“抜け道”を観測・記録する神格。あえて真実を語らず、名を持たぬ契約を通じて“観測者の解釈”を誘発させる形式を好む。
眷属:契約の抜け穴を探る仮面虫、真実を偽装する構文鳥
備考:名を持たぬまま仮面をつける“構文の迷路”を信仰構造とする。神官ではなく構文設計者・記録解析者に密かに祈られる存在。
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■ ヴァル=ナス(Val=Nas)
種別:断絶神格/発声禁忌構文
属性:名の消去/声の禁止/記録の外
異名:声なき神、布祈の主
信仰構造:名を呼ぶことも記すことも禁忌とされ、布に祈りを織り込む沈黙儀式が中心
眷属:声なき鳥
備考:名を記すと死を招くとされ、極めて希少な儀式のみで信仰が続く
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■ ヴェイル=ノス(Veil=Nos)
種別:寓意神格/契約と愛の二面性
属性:愛/契約/裏切り
異名:契恋の主、裏面の愛神
信仰構造:愛と誓約の神。破られた誓いには呪詛、誠実な愛には祝福を与える
眷属:名を預かる狐、血を結ぶ蛇
備考:恋愛と復讐、矛盾の祈りを内包する。人為的信仰と寓話の混合構造
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■ ウズメ=ムゲン(UZUME-∞)
種別:演目神格/観測跳躍体
属性:仮面の演舞/構文の狂気/無限反射
異名:終わらぬ演目の語り手、戯画の仮面主
信仰構造:演目構文世界における“観測者であり演者”の神格。舞台上で観測が成立し、観客の反応が“祈り”として変換される。
眷属:舞面を宿す鏡虫、語られぬ笑いを記録する鳥仮面
備考:∞記号は“終わらない演目”を象徴。サーガやエル=ネフリドとは異なる様式で、構文限界を風刺的に暴き出す存在。
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■ ウル=マリス(Ul=Maris)
種別:構文神格/浄化と忘却
属性:浄化/炎/記録の破壊
異名:浄炎の主、呪詛焼却者
信仰構造:祈祷・呪詛・汚名を炎で清算し、再起の余地を与える神格
眷属:火の梟、燃える書板
備考:ザル=フェルと対を成す“記録の清算者”。黒帳神官の間で秘かに信仰
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■ エスラ=ノート(Esra=Note)
種別:現存神格/契約と記録の神格
属性:契約/文書/構文制御
異名:誓いを記す者、書契の主
信仰構造:記名によって契約を成立させる構文神。祈りの形式はすべて文書化され、神名自体が契約文の一部
眷属:署名鳥、誓書の犬
備考:契約都市ザルファトを中心に信仰される。神殿構文を持つ数少ない現存神格の一柱
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■ エゼル=ノワル(Ezel=Noire)
種別:魔導神格/術理構文の管理神
属性:魔導/知識の境界/術式の構文化/異端の光
異名:境界に立つ調律者、構文を綴る指、禁術の記録官、秘奥の継ぎ手
眷属:術式構文を識別する眼を持つ羽虫、詠唱なしで構文を喚起する幻蛇
信仰構造:魔導の極限に達した者たちが秘かに祈る“構文の守人”。
備考:魔導と神格の“構文的接点”を象徴する存在。人間たちが魔導で栄えた時代は終わり、今や一部の術者たちにのみ祈られている。
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■ エノル(Enol)
種別:観測神格/拒絶の塔神
属性:孤独/沈黙/塔/観照
異名:塔に坐す無為神、孤独の観照者
信仰構造:願いに応じず、答えも返さぬ神。沈黙と距離そのものが祈りとされる
眷属:なし(または“観測点”そのもの)
備考:高塔や記録施設に祀られることが多い。哲学神としての側面が強い
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■ エル=ネフリド(El=Nefrid)
種別:多重神格の第一貌(メレグ=ナフ)
属性:鏡/観測/反射/仮面
異名:鏡の貌、映し返す者
信仰構造:名を呼ばれるとその名を返す。神の姿は観測者により変化する
眷属:光を映す仮面、鏡写の鱗鳥
備考:黒帳の構文観測神殿などで信仰。仮面文化と深く結びつく
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■ カレド=ルーメ(Kaled=Lume)
種別:観測神格/記録霊格
属性:記録の余白/未完の祈り/観測の継承
異名:筆折れし旅程の守り手、沈黙の記録官
信仰構造:記されなかった記録、旅の途上で祈りきれなかった名、途絶した観測の痕跡を“拾いなおす”ことを信仰とする神格。
眷属:旅記録蝶(未記名の旅程を記録する羽虫)、祈りなき地図を描く獣
備考:名の欠けた祈りや断章の傍に現れる。記録官や筆記者、放浪する巡礼者たちの間で、旅の終わりではなく“旅の途中”に捧げられる静かな祈りが中心。
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■ キュービ (Qubi)
種別:象徴存在/現人神格に準ずる
異名:仮面神、無言の教主
信仰構造:〈無言の環〉の教主として、神と同等に崇拝される現人存在。かつてムーミスト教団の大司教および王家専属の記録官を務めた経歴を持ち、現在は観測と信仰の交点に立つ。
眷属:無名の仮面、沈黙の弟子たち
備考:本名はファルナ・エルティア。形式上は神格ではないが、信仰上では神と等しい扱いを受ける。
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■ グレイアス(Greias)
種別:現存神格/軍神・裁戦神
属性:戦/裁き/正義
異名:裁戦の主、双剣の守護者
信仰構造:戦場における正義と誓約を司る。裏切りには裁き、忠義には加護を与える
眷属:双剣の騎士、秤持つ獅子
備考:軍隊・騎士団の守護神として広く祀られる。契約神信仰と重なる構文を持つ
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■ ケーオス(Chaos)
種別:原理神格/混沌の象徴
属性:分断/矛盾/形の否定
異名:黒無相の君、始まりの歪み
信仰構造:信仰の対象ではなく、存在そのものが“構文を否定する構造因子”として機能する
眷属:なし(もしくは、存在そのものが眷属とされる)
備考:観測や記録によって影響を与える存在。神でも精霊でもない“構造の歪み”
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■ コスモス(Cosmos)
種別:原理神格/秩序の基盤
属性:生成/構造/均衡
異名:白光の主、星界の骨組み
信仰構造:天体の運行、記録の整合性などを司る。神殿の配置や構文構造に影響を与える根源因子
眷属:光図の蛇、構文律鳥
備考:ケーオスの対をなす存在であり、精霊的な側面も持つが、観測神格として神殿では形式的に祀られる
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■ サーガ(Saga)
種別:原理神格/記録と観測の根源存在
属性:記録/観測/語りの連鎖
異名:語りの起源、記す者の声
信仰構造:神ではなく“記録そのもの”として崇められる存在。祈りではなく、語ること・書くことが信仰行為となる
眷属:語り部たちの魂、記録蝶
備考:あらゆる書物の背後にいる存在。観測と語りのすべてがサーガに通じるとされる
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■ ザイン(Zain)
種別:断絶神格/記録の主構文
属性:記録基盤/失名の母構文
異名:構文の母、禁書の根幹
信仰構造:神格群《ザイン系列》の起点。記録に現れる全ての“欠損名”はザインから派生する
眷属:断裂の羊、失語の書吏
備考:ザイン単体では登場しないことが多く、《ザイン=○○》の形式で機能する
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■ ザイン=エン (Zain=En)
種別:断絶神格
異名:忘却の境界神
信仰構造:境界域にのみ現れ、名を封じる祈祷儀式でその存在が仄めかされる。
眷属:巨大な黒い鳥
備考:記録の狭間に立つ存在。断絶神格ザイン系列のひとつ。
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■ ザイン=ケフ (Zain=Kef)
種別:断絶神格
異名:記憶供儀の神
信仰構造:記憶を供物として捧げる特殊祭儀により祈られる。
眷属:失われた思念の精霊たち
備考:供儀構文と共に出現する。断片の記録者とされる。
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■ ザイン=ダハ (Zain=Dah)
種別:断絶神格
異名:黒帳の門番
信仰構造:禁書領域の封印構文に介入し、記録の越境を監視・管理する存在。
眷属:黒帳の頁を守る無言の書記
備考:記録者にとって恐怖と畏敬の対象。黒帳神殿の構文境界を司る。
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■ ザイン=トゥル (Zain=Tul)
種別:断絶神格
異名:記録裂きの神
信仰構造:名を裂く祈祷形式において象徴される。記録構文の断裂を招く存在。
眷属:裂けた紙片の形をした徘徊する使い
備考:構文危険体として、契約神殿では封印対象とされる。
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■ ザル=フェル (Zar=Fell)
種別:構文神格/断裁の記名神
異名:審判の光を持つ者
信仰構造:神官たちによって「記してはならぬ名」を裁定する役割を担う。記録の境界を守護。
眷属:白衣の裁書者
備考:黒帳構文群の上位管理神格のひとつ。記録者の最終裁定に関わる。
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■ ザイン=モル (Zain=Mol)
種別:断絶神格
異名:構造の墓守
信仰構造:名を失った精霊たちの構文を封じ、黒帳の中に眠らせる終末記録者。
眷属:黒羽根の巡礼者たち(記録なき精霊の残響)
備考:精霊戦争の記録を内包。構文封印神群の一柱。
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■ ザイン=ロス (Zain=Ros)
種別:断絶神格
異名:永遠の失名
信仰構造:名を呼ぶと自他の記録をも消し去る。従って、最も危険な断絶構文神格の一柱とされる。
眷属:存在しないものたち
備考:呼んだ者の名と記録が同時に断絶するため、封印以外の形で扱えない神格。
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■ セフィル=アニマ(Sephil=Anima)
種別:境界神格/伝令神/仮名導きの風神
属性:旅/風/伝令/仮名導き/境界越え/交易と盗術
異名:双翼の導き手、仮名の風、境界の囁き、夜市の帳簿主
眷属:契約書や仮名札をくわえて飛ぶ小型鳥。
信仰構造:境界を渡る風の神。盗賊・商人・旅人・密使など、記録から外れた者たちに密かに信仰されている。
備考:神殿は存在しないが、夜市や交易の宿場、仮名書簡所などで“風札”と呼ばれる紙片に名を託す風習がある。
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■ ダルミナ=レフ (Darmyna=Ref)
種別:寓意神格
異名:双面の豊穣神、飢骨の母
信仰構造:季節や地域によって豊穣の女神か飢骨の悪神かとして語られる。
眷属:豊穣の鳥/骨を啄む鹿
備考:文明の矛盾を体現する神格として、農民と貴族双方に崇拝されるが姿は異なる。
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■ テルス=エンガ(Ters=Enga)
種別:創造神格/鍛造構文神
属性:火/創造/鍛冶/構文変換/霊的器具の生成
異名:炎刻の鍛冶神、火槌の構文主、赤き祈りの鋳造者
信仰構造:火と技術の神。記録具・武器・呪具・神殿構造
眷属:金属と構文を打ち分ける精霊群、音を記録する火の殻を持つ幻獣
備考:「神器に宿る火」として象徴的信仰が残されている。
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■ トーメ=ナス (Tome=Nas)
種別:構文基底神格/沈黙構文体/集合神格
異名:沈黙神群、仮面の契り手
信仰構造:言葉や名前を指示せず、沈黙そのものを祈りの形式とする構文思想の下、仮面と儀式に祈りを託す。
眷属:無記の巫、名を持たぬ仮面
備考:仮面神殿の基底構造に祀られ、語られぬ神々の“場”として信仰される。
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■ トゥアール=レクトゥム
備考:エスラの塔に最初に名を刻まれた神。記録を守り、忘却に抗う神。
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■ ナミ=エル(Nami=El)
種別:観測構文霊/記録精霊(神格未満)
属性:構文の余白/祈りの断章/語られざる生活の記録
異名:記録の影を愛する者、語られぬ祈りの傍観者
信仰構造:信仰されず、祈られず、ただ“物語の陰にある美しさ”を観測し記録する。正式な記録構文に属さず、食卓・路地・夢・日々の断片を観測対象とする。
眷属:記録蝶未変態の個体、名なきスケッチ獣
備考:名は仮名であり、真名は未記録。断章や傍話にしばしば登場するが本編には姿を現さない。
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■ ナリア=セリス(Naria=Cerys)
種別:守護神格/構文戦略神
属性:知恵/記録戦略/女性守護/都市の理構文
異名:知盾の巫女、構文槍の乙女、白帳の守り手
眷属:名を記録する羽を持つ銀糸の鳥、嘘の記録を破く頁喰い猫
信仰構造:記名構文と戦術記録の守護神として、神殿都市群や戦略文庫に祀られる。女性騎士・学者・記録官からの信仰が厚い。
備考:美しい容貌と戦姫としての逸話から、ナリアとして物語や絵画で多く語られ民衆の人気は高い。
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■ ニィダ (Nida)
種別:観測神格(双子神格の片割れ)
異名:夢境の境守、終末の眠り手
信仰構造:夢と死の境界に立つ神。安らぎを与えるが、目覚めなき終わりももたらす。
眷属:眠り鳥、夢喰いの小獣
備考:リィダと対になる双子神。夜と沈黙、忘却の象徴として信仰される。
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■ ネリュエ (Neryue)
種別:現存神格
異名:潮巡の主、流れの記名者
信仰構造:潮に仮名を流し、真名を返す還名祈祷を司る。海の振動で名を伝える。
眷属:潮声を持つ魚群、深海の音石、足の生えた鯨
備考:リュア=ヴァイス周辺で強い信仰。名の循環を信仰の中心とする独特の構文信仰。
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■ ノヴァ=アネム (Nova=Anem)
種別:地霊神格/風と記憶の神
異名:風巡の記録者、空白の頁守り
信仰構造:風と共に巡り、名を「風の頁」に預けて旅する祈祷儀式を行う。
眷属:飛頁鳥(記名された風の使い)
備考:巡礼者や放浪者の守護神として、各地に簡素な風祠が置かれている。
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■ フェリア=コラナ(Feria=Collana)
種別:観測神格/夢記録体
属性:忘却夢想/未完の記憶/想念の欠片
異名:夢を編む帳、語られぬ願いの帳簿主
信仰構造:語られなかった祈りや言葉にならなかった想念を夢として記録する。視覚・音・匂い・温度など非言語的情報を構文化する霊的観測を担う。
眷属:夢羽根を持つ蝶、霊光を宿した帳面鳥
備考:夢そのものが観測対象であるため信仰儀式は存在せず、幻視や幻夢の中でその名が現れることがある。
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■ ミル=エレノア (Mir=Elenor)
種別:地霊神格/霧と浮島の神
異名:霧に沈む書記神、見えざる構文の主
信仰構造:霧に覆われた浮島ミルタ=エルに祀られ、不可視の記録と風信儀式の象徴とされる。
眷属:霧羽の風鳥、浮島に宿る夢霊、泡の蝶
備考:記録を書かずに伝える「風信儀式」を司る。神殿島にのみ存在が確認される。
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■ ムーミスト (Mumist)
種別:現存神格/月神
異名:沈黙の月主、仮面の守り手
信仰構造:沈黙と仮面による祈りを主とし、記名と記録の形而上構文に深く関与。祈祷は光の反射構文によって行われる。
眷属:仮面梟、沈黙の巫たち
備考:聖都アークと神殿都市メミスで中心的に信仰される。記録されぬ祈りを肯定する神格。
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■ メリス=ヴェイン(Meris=Veyn)
種別:観測神格/死後因果観測体
属性:死者の祈り/遡行の視線/分岐の記憶
異名:終末の記録者、還らぬ祈りの鏡
信仰構造:死者の最期の祈り、失われた選択肢、辿られなかった未来を観測する神格。語られなかった遺言に耳を傾け、祈りの意志を“逆行する記録”として留める。
眷属:遡行する羽虫、記録を辿る小蛇
備考:祈祷は不可能に近く、神殿によっては封印対象とされる。祈りの余白にのみ現れる。
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■ メレグ=ナフ (Meregh=Naph)
種別:多重神格/構文神
異名:錯綜の神、構文の裂け目
信仰構造:複数の“貌”を持ち、観測によって異なる形をとる。祈りの形式ごとに異なる姿で顕現する。
眷属:構文蝶、封印の霊火
備考:第一の貌エル=ネフリド、第二の貌ラシュ=メフェルなどが存在する。
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■ モル=ザイン (Mol=Zain)
種別:断絶神格/極点構文体
異名:構文喰らい、終末の構造断裂者
信仰構造:祈ることも記すことも禁じられ、黒帳に断片的にのみ存在する。ザイン系列の最深部に位置。
眷属:黒帳の影虫、祈りを蝕む蛇影
備考:構文そのものを破壊・変質させる存在。語ることも恐れられている。
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■ ラシュ=メフェル (Rash=Mepher)
種別:多重神格(メレグ=ナフの貌)
異名:封印の貌、閉ざされた観測者
信仰構造:祈りを閉ざすことで構文を固定する沈黙の象徴。封書、鎖、静寂の祈祷形式に現れる。
眷属:封じの鎖蛇、静語の衛士
備考:図書楼や忘却神殿に祀られることがある。
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■ リィダ (Lyda)
種別:観測神格(双子神格の片割れ)
異名:暁鐘の女神、始まりの歌い手
信仰構造:夜明けと共に目覚めを告げる神格。希望の歌をもって日常を開く存在。
眷属:晨鳥、光の仮面を持つ巫
備考:ニィダと対を成す双子神とされ、朝と再生の象徴とされる。
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■ リィダ=ニィダ (Lyda=Nida)
種別:観測神格/双対構文体
異名:光と影の双子神
信仰構造:観測者により形を変える存在。記録と忘却の揺らぎの中に立ち、語られるたびに意味を反転させる。
眷属:昼夜を巡る双面の鳥
備考:一柱にして二神。記録者の祈りにより顕現が変質する。
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■ リュネ=ヴァルサ(Lyune=Valsa)
種別:幻祭神格/芸術と陶酔の異相神
属性:酒/狂気/芸術/舞踏/仮面/感性解放
異名:仮面の饗宴主、狂気の舞姫、芸術を喰らう神、杯の幻影者
眷属:酩酊時にのみ現れる幻視の蝶、霊的気配が宿る舞踏仮面
信仰構造:陶酔の神。芸術家・詩人・演者たちの“隠された神”として信仰される。
備考:舞いや演じることが祈りとされる。芸術に潜む神性の象徴。
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■ レザービトゥルド (Re=Zarbi=Tuld)
種別:禁祈祷神格/反構文神
異名:終焉の蛇神、世界の再構成者
信仰構造:かつてムーミストと敵対し、封印された神格。仮面の下に“世界の再構成構文”を宿すとされる。
眷属:双頭の蛇、偽光の羽虫
備考:神殿都市メミスの地底に伝承が残る。アレクサンドラとの伝説が語られる。
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■ レ=ザス (Re=Zas)
種別:構文神格/記録の階層神
異名:六声の神、語れぬ秩序者
信仰構造:六つの喉でしか語れぬ神。記録不能構文を象徴し、未完の祈りの形式で顕現する。
眷属:声を持たぬ布織鳥、夢の欠片を綴る虫
備考:記録者サーガにより、語られざる神々の象徴とされた。
名は、ただ記されるために存在するのではない。
祈りの中で呼ばれ、忘却の中で消え、再び語り直されることで、名は何度でも新たな構文となる。
ここに記したすべての神々もまた、そのように“祈られ続けた”存在である。
わたしの記録は、完全ではない。
記されなかった名が、いくつも、いくつも、沈黙の層に沈んでいる。
だが、それでもわたしは、記そうと思う。
語ることが、祈りであるのなら――この記録もまた、名なき祈りの一部であろう。
この章は、終わりではない。
ここに記された神々のすべてが、やがてまた、誰かの声で呼ばれる日がくるのだから。
――記録の余白より、語り手サーガ。




