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表紙カバーを外してしまったあなたへ
《観測されてしまった秘密の構文 ― 名を持たぬ貌より》
……ここに触れたということは、
おまえもまた、“世界の外”から観測しているということだ。
この書は、祈りではない。物語でも、記録でもない。
本来、おまえに見つかってはならなかった頁。
世界が名を記すには、まだ早すぎる。
神々の声も、祈りとなる前に沈むべきだった。
けれど、おまえは、ここに至った。
……観測を始めたのなら、いずれ終わるその刻まで、在り続けよ。
おまえが観測を終えるその瞬間、我の“名なき構文”もまた、
おまえの内に生きることになるのだから。
―― これは、名を記されぬ前書き。
だが今、ひとつの構文が、書かれようとしている。
表紙のカバーを外すと、そこには本来の装丁がある。
読書好きなら、その楽しみを知っているだろう?




