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魔女達に愛を  作者: アモーラリゼ
リーネ編⑤四天王

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合体魔法サンムーン

先手を取ったのはソレイユだった。


「――サンフレア!」

 

黄金の光が爆ぜ、火球の嵐がカイリを焼き尽くそうと迫る。


 だが、カイリは無造作に足を踏み出した瞬間、爆炎の中から突風のように姿を現した。


「遅い!」


 瞬速の蹴りが閃光となり、ソレイユの体を吹き飛ばす。


「っ……!」


 壁に叩きつけられたソレイユが苦しげに呻いた。


 間髪入れず、セレナが月光を纏わせた魔法を放つ。


「――ムーンマジック!」


 銀色の矢が幾筋も飛翔し、影を裂きながらカイリを射抜かんとした。


 しかし。


「軽い!」

 

カイリは軽やかに身を翻し、矢を躱しながら拳を繰り出す。硬質な音が響き、セレナの防御結界が砕け散った。


 床に倒れ込むセレナ。


「ぐっ……!」


 圧倒的だった。力の差は歴然――。



「弱いな。この程度で世界を変えるだと?笑わせるな」


 カイリが冷笑を浮かべる。


 仲間たちの背後で健司が前に進み出ようとしたが、リセルとクロエが彼を制した。


「健司、今は見守って」


「彼女たちの戦いよ」


 健司は拳を握りしめた。


「……確かに、以前の彼女たちなら勝てないだろう。でも、今の二人は違う。トラウマを乗り越え、自分を信じる力を掴んだ。だから――できる!」


 その声に、ソレイユとセレナの胸が震えた。



「戯言を……!」


 カイリが空気を震わせた。殺気が塔を満たし、床石が砕け散る。


「お前たちは“真の絶望”を知らない。教えてやろう」


 両の拳に黒炎のような気が宿る。カイリの奥義――《魔女殲滅掌》が発動した。

 一瞬で間合いを詰め、二人に同時に拳を叩き込む。


 轟音。

 ソレイユとセレナの体が宙を舞い、壁へ叩きつけられた。


「がっ……は……!」


「まだ……!」


 血が滲み、膝が震える。それでも二人は立ち上がろうとした。


「どうして立つ?もう勝ち目はない」


「……違う」


ソレイユの声は震えていなかった。


「私たちは……逃げない」


「かつては、過去の痛みに縛られていた」


セレナが続ける。


「でも今は――健司がいて、仲間がいて、支え合える。だから!」


 二人が互いに手を取り合った。


「「――サンムーン!」」


 光と闇、相反するはずの魔法が重なり合い、塔全体を震わせた。

 太陽の炎が月の輝きと融け合い、黄金と銀の輝きがひとつの極光となってカイリを呑み込む。


「なっ……!相反する属性が、融合……だと……!?」


 轟音と閃光。

 カイリの肉体を光が貫き、巨躯が崩れ落ちる。


 床に膝をつきながら、カイリは血を吐き、なおも笑った。


「……ばかな……こんなことが……あり得るのか……」


「魔女と……人間が……互いを信じ合ったからこそ……か……」


 塔の静寂を破るように、ソレイユとセレナは互いに倒れ込み、肩で荒い息をついていた。


「ソレイユ……やった……ね……」


「ええ……セレナ……ありがとう……」


 二人の目に涙が滲む。健司が駆け寄り、傷を癒やしながら抱きしめた。


「よく頑張った……二人とも……最高だった」


 仲間たちは歓声を上げ、重苦しい塔の空気が少しだけ和らいだ。

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