第12話
幼馴染みと逢う
王立職業訓練所を卒業してから、一度実家に帰り両親に今まで育ててくれた
感謝のお金を渡した。
わたしは王都で、冒険者として生活する事、今後定期的に実家にギルド経由で、
送金する事、両親は遠慮していたが、話して納得して貰った。
辻馬車で20日掛かる所、走って5日で王都に着いた
それからは、ソロやスポットで冒険者をして稼いでいた
今日受けたクエストは、多数の頭を持つ大蛇 これをソロで退治出来たから
良かったけれど・・・
そんなこんなでクエストを消化して暮らしていた。
スポットでAランクのパーティに、報償金は人数で割ると決めて参加し、
洞窟に居るヘルハウンド討伐、だか奥の部屋に大量のヘルハウンドが現れ
メンバーはパニックに陥った。
ーーー流石に魔物の数が多い 死者が出る前に片付けるか・・・
「わたしが殺る お前たちは円陣を作って 自分を守って」
いつもの高速ジクザグ移動、剣の一撃で倒しながら、群れの真ん中で回転斬り
これは返り血を浴びるが、数が多いから仕方ない。
火魔法の乱舞撃ち、回転斬り、を駆使して屠って行き、全部倒した。
ーーー良かった 何とかメンバーは全員無事
ーーーげっ 全身血みどろ やだ メンバーが引いている
「わたしの姿 血塗れで怖いよね 今 浄化魔法で綺麗にするから」
身体を綺麗にしてから
「魔石回収して 戻ろう」
この様な戦い方するから、戦乙女・リーナやブラッディ・リーナとか
二つ名がこの時から、囁かれる様になった。
------------------------------------------------------------------------------------
カズトは辻馬車で20日間かけて、夕方に王都に着いた。
ーーーまずは ギルドで冒険者登録して 口座も開設しよう
受付で手続きを終えて、どんな依頼が有るか見ていると、雰囲気が
変わった。
聞き耳を立てていると、冒険者が
「おい Sランク冒険者の リーナだぞ」
「この間 多頭の大蛇を ソロで倒したみたいだ」
「パーティ組んで ヘルハウンド討伐してたら オーバーフロウしたらしい
その時 1人で全部倒したのだとか 血塗れで鬼神の様だとか 色々と話は
尽きないみたいだな」
「まだ14歳だろ 見た目は可愛い女の子なのに 成長したらどうなるのか」
冒険者の間から見ると、金髪が長く綺麗な、幼馴染のリーナだった。
ーーーリーナは一流のSランク冒険者 俺はやっとのDランク冒険者
自分に引け目を感じて、立ち去ろうとした瞬間
「あっ」
凄まじい勢いで来て 手を掴まれ
「カズトだよね」
目を伏せて何も言わないでいると
「やっぱり カズトだ」
ブンブンと上下に手を振って、涙ぐんでいた
「覚えていたのか」
「当たり前じゃない 一度も忘れた事ないよ」
リーナが周りの冒険者に注目されているのを見て
「酒場に行こう」
手をつないだまま、ギルドから連れ出され、隣りの酒場に入った。
「マスター 部屋1つ空いている?」
「空いているよ 誰か泊まるのか?」
「うん この子が泊まる いいかな」
「一番安いので 1泊大銀貨5枚からだよ」
「シャワー付きの部屋だと いくら?」
「大銀貨8枚だよ」
「その部屋でお願い 支払いはわたしのギルドカードで」
「後 ここの酒代も わたしのでね」
「あと 個室で食べたいのだけれど 空いている?」
「空いているな 給仕に付いてってくれ」
「よろしく」
ーーーリーナ凄く慣れているな
ーーー前は 俺の後ろにくっついて 前に出る子では無かったのに
ーーーSランク冒険者の自信が 気を強くしたのかな・・・
個室に入り、食べ物と飲み物を注文してから
「カズトと別れて1年 やはり寂しかった・・・」
「ギルドに居たって事は 冒険者になったの?」
テーブルに手をつき身を乗り出して、嬉しそうに聞いてきた
「なれたけれど やっとのDランク冒険者」
「レーナは凄いな 冒険者のトップで・・・」
食事と飲み物が運ばれてきて、食べながら
「今はソロでクエストしているから それにギルドからの
指名依頼も多くて 結構大変だよ」
「片っ端からクエストしないと 終わらなくなる」
ーーーリーナも大変なのだな 一瞬疲れた顔を覗かしているし・・・
「カズトは 別れた後どうしていたの?」
ここからカズトが、冒険者になったいきさつを話した。
食事を終えて、リーナは佇まいを直し
「カズトは今後どうするの?」
ーーー俺が王都に来たのは 一端の冒険者に成る為だよな
ーーー出来たら リーナの隣に立ちたいし
ーーー引け目を感じている場合じゃないな 素直に先輩冒険者に
ーーー頭下げてでも 教えてもらおう
「冒険者として生活したいと思っている」
リーナは暫く沈黙してから
「一緒に Sランク冒険者目指さない?」
「俺でもSランクになれるのか?」
「わたしの友達 2人Sランク冒険者になっているよ」
「これからする話を 信用して貰わないとダメだが・・・
とうする?」
カズトは考え込んでから
「リーナは幼馴染みで いつも真っすぐで 嘘つかない女の子・・・」
「うん 信用する 教えて貰える?」
それから、スキルの事ランクとの関係、少し特殊な生活 等
を話した。
「生活そのものが 訓練になるから でもそれだけしないと
Sランク冒険者には到達しない」
「カズトのスキル 鑑定していい?」
「いいよ 見て」
鑑定で目の前にスキル表を表示して、内容の説明した。
「魔法は風と火が使えるのね 運がいい これなら問題なく練習出来る」
「熟練度 剣で60パーセント 魔法は10パーセント これは発芽直後
の値だよ」
「剣の基礎は出来ている 頑張ったのね わたしは嬉しいな」
「熟練度アップが 強くなる基本だからわたしの言う通りにして貰うよ」
立ち上がり
「わたしが 普通との違いが判るよね?」
「うん」
「じゃあ 明日から基本訓練するね もう寝よう 疲れたでしょ」
ーーー一緒に訓練出来る 嬉しいな
カズトを部屋に案内してから、借りている自室で寝た。
翌日朝食を取りながら雑談し、カズトにはギルドに居る様に伝えて、
王立職業訓練所に行き、修練場を使わせてもらう許可を取った。
先生から理由を聞かれたので
「わたしの幼馴染みは 発芽は1つで剣だけでした」
「地元の町で 剣道場に入門して剣の練習し 1年になる前に
発芽水晶で見て貰ったら 魔法が発芽していたそうです」
「同時に2つ発芽していれば 此処で必要な知識訓練が出来たのに」
「このままでは 勿体ないと思ったから」
「王立職業訓練所は スキル持ちの成長させる施設だから
理にかなっている その幼馴染みを指導して 1人前にしなさい」
「はい ありがとうございます」
ギルドで落ちあってから、修練場で基礎訓練始めた。
「カズト そこの丸太の訓練 剣の素振りと型を 見せて」
剣道場でしていた訓練をして見せた
「次はわたしとの 模擬試合しよ」
これも わたしの攻撃を受け流して スキあらば攻撃を仕掛けてきた。
「体術と剣術は良く出来ているよ 魔法は全くの初心者だから
こっちをメインで教えるね」
「カズト見てて わたしの強化走りするから」
魔力操作や強化走りの模範演技を見せ 走った後
「凄いな 此処まで早く走れるとは・・・」
強化走りが出来る様になってから、王立職業訓練所の授業のある日は、
Dランククエストをカズトのサポートして、いやって程実戦させた。
王立職業訓練所の先生に会い、カズトの基礎訓練が終わり、修練場の
使用も終わった事を伝えた。
カズトが自分で訓練出来る様になり、リーナは時々溜まっている
指名依頼を減らして職務を果たした。
アリスやアルフに指導した事を教え、1ヶ月後には習得出来
「明日から 1日で複数のクエスト受けて 完了する練習します」
「うちのパーティ ライラックでしていた事だから 一緒にがんばろうね」
ーーーカズトかなり強くなった もうすぐ昇格出来るかな
一筋縄周回クエストを毎日半強制的にさして、ギルドポイントを貯めていき
ついに ランクアップを迎えた。
当然問題なくCランクに、ギルドカードが銅色になり とても喜んでいた。
その日の夕食は、個室でお祝いをしてあげた。
わたしは、一緒に徐々に受けるクエストを増やしたり、遠くの依頼を
したりして鍛えていくが、時々疲労で辛そうにしている事も多くなった。
「カズトごめんなさい 辛いよね でも一緒に冒険者をしたいの・・・」
「Sランク冒険者に昇格して わたしたちの ライラックに加入して貰いたい」
「同じランクでないと クエストを行うにも問題が有るし カズトが引け目を
感じてしまうかも・・・」
「リーナ 心配かけてごめん 先輩まだまだ未熟だから 指導おねがいします」
順調にランクが上がり、1年後にSランク冒険者になり
鑑定した結果
「カズト 剣が剣術に上がり熟練度は10パーセントに戻った 魔法は魔法師に
なり 熟練度は30パーセントになっていたよ」
「魔法は強化走りで稼いでいるから」
「今後 剣神 大魔法使い を目指そう だから走り回って 死ぬ程実戦しよ」
「優しく教えて ね」
「アハハ」
リーナは15歳になり、宿屋暮らしから王都近郊に、修練場付き邸宅を買った