第89章
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ザマンサ「あの、祈祷師のジュズッピと申されましたが、国王はどのようなきっかけで彼と顔見知りになられたのです?」
オレガド国王「側近から立っての申し出があり、一度面会したのだが、彼は我が国の歴史について中々見識の高い人物だったので専属として雇い入れたのだ。すると君は彼とは既知の間柄なのか?」
ザマンサ「ええ、私達パリピメロン家に伝わる「呪い魔法のダイアリー」の調査団が事あるごとに彼の罠にはまりまして、彼はインチキ祈祷師だと考えておりましたら、長旅のその後どうやら彼は改心されたと風の噂で聞いたばかりでしたので。」
ザマンサは彼の事を当たり障りのない説明で国王に伝える。
オレガド国王「何だって、彼はインチキ祈祷師なのか?それにしても改心されたのならば彼の長所である歴史についての知見から君の言うパリピメロン家についての事の調査に加えてみてはどうかね?新たな見解が得られるかもしれないぞ!」
国王からのアドバイスにザマンサは躊躇することが出来ずにいたその時、ジュズッピが目の前に現れるのだったーーー
ザマンサ「あら随分久しくお会いしてなかったように思いますが、気のせいかしら?まるで昨日別れたばかりのようにお変わりない様子で。」
ジュズッピ「そ、そうですねぇ〜、まるで昨日お会いしたように思えるのはなぜでしょうか?確かにパリピメロン家の歴史的に様々な議論がこれまでも交わされてきましたが、やはり発祥の段階でボタンの掛け違いがあったのかとかんがえておりまして……」
ザマンサ「どうも話が長くなりそうですわね。またの機会にじっくりとお聞かせください。国王もその際は立ち会いをお願いします。」
オレガド国王「良かろう。その前に宜しければこの場で君の相談事をお聞かせ願えるかな?」
ザマンサ「はい、調査団の1人が古代神殿に近づきましたところ体調が芳しくないので医療施設へ入院することになったのですが、あれから数日経ちましたが目覚めないのです。そればかりではなく付き添いの方も同じような状態になったので、これは古代神殿にまつわる呪い魔法がそうさせているのではないか、それともパリピメロン家の呪いを暴こうと神殿に参ったことに何かしらの防御か入ったのではないかと思いますが、国王その辺りどうお考えになられますか?」
オレガド国王「そうだな、確かに私も古代神殿において生け贄の儀式が古くに行われていたと祖先から聞いていたので、そのような呪いがあってもあながち不思議はないな。その辺りジュズッピは何か知らないか?」
ジュズッピ「はぁ、確かに私も祖先からその儀式について聞かされておりました。確かに神への供物としてそのような事が行われていたと過去の文献にも記載がありましたが、その詳細については国王様の秘蔵書があるのでは、ということで調査に伺った訳なのでして……」
オレガド国王「なるほど、私もそれほど詳しい方ではないが、確か祖父から奇妙な話を聞いたことがある……「神殿の壁画には呪文が記載されてあり、それを読み上げると秘密の回廊が現れて次の世界へとジャンプ出来る。」そんなふうな話だったと思うが……」
王の言葉にその場の一同が無言となる。ジュズッピが密かに気になっていた質問をザマンサに問いかけるーーー
ジュズッピ「それで、入院されているのはどなたですか?」
ザマンサ「ターシャと、それとミッチです。」
ジュズッピ「ミッチ、私の娘の……」
ザマンサ「なんですって?貴方の?それは一体……」
ジュズッピ「はい、訳あってこの事は隠してまいりましたがミッチは私の娘になります。まだ幼かった頃にターシャ様の王家に養いきれずに私が置き去りにしてきましたから……その後侍女としての教育を受けたと聞いていたのでよかったなと。旅の間にターシャ様の侍女として再び会った時はさすがに驚きましたが、こんな事は口に出せる筈もありませんから黙っておりまして。」
ザマンサ「そうでしたのね……しかし立派に育って良かったじゃない。そろそろ打ち明ける機会じゃありませんか?」
ジュズッピ「はい、私もそう考えていたところでして、古代神殿に皇后様一行が来られるタイミングで打ち明けようかと思っていたところで、まさかこのような事態になってしまうとは……」
ザマンサ「そうよね、ですから彼女たちにかかった呪い魔法を何とか解き明かす術を共に探してゆきましょう!」
///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




