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第85章

ターシャ「ねぇミッチ、貴方は多分お疲れなのね。無理もないわ、私だってケセラが突然こちらの世界に召喚されてきてからというもの、お母様のナディア様と人目を避けるようにオレガド王国への旅を始めた事を理解するまでに時間がかかったのですからね。その旅に皇后様とザマンサ、そしてザマンサの執事のシュミット様まで現れてそれにつきあわされていることさえも疑問でしょうがないんですもの……」



ミッチ「そうですわね、ターシャ。出来ることならば私はこのオレガド王国から今にも逃げ出したいような気さえするのでして……」



ターシャ「解るわ、ミッチ。貴方の気が乗らないのであればそれでも良いと思っているのよ、私も。でもね、ジュズッピから何かしら私達は監視されているようで正直怖いのよ。」



ミッチ「私もそれは常に感じております。彼の存在が不思議でしょうがありません。あの時ターシャの家に急に現れたジュズッピが偶然私達と会うことになったとは思えません。そしてジュズッピが偽物のシャーマンだと言う事も本当かどうかは彼にしか分からないのですから。」



ターシャ「ということは彼が私達に近づいた事に何かしらの意味がありそうね。良からぬ思惑でなければいいのだけれど……話は変わるけどミッチ、貴方は以前「呪い魔法のダイアリー」に書かれていた古代文字をすらすら読むことができたでしょ、どうしてあんなに簡単に解読できたのかしら?」



ミッチ「それがね、私にも解らないんだけど、何となく文字の形から想像出来たんです。前世の記憶なのかもしれませんわね、フフッ!」



 前世?ターシャは親友ミッチのその言葉の意味を直ぐには理解できなかった。不思議な事を言う彼女の前世とは一体どんなものだったんだろう?そしてジュズッピの行動を疑うのみならず、ミッチについても疑いの目を向け始めるのだったーーー




ーーー☆☆☆〜〜〜


 皇后様一行もまたオレガド王国の古代神殿へと向う道へと馬車を走らせてゆく。すると道の途中でターシャが何かを見つけた。



ターシャ「あれは……すみませんが馬車を止めてください!」



 ターシャが見つけたのはヒッポ君達と先日別れたばかりのストレンジャーだった。



ストレンジャー「やぁ、久しぶりだねターシャ!さっきヒッポ君達と別れて歩き出したんだが、道に迷ったようだ……」



ターシャ「ならば私達の馬車に乗ると良いわ。いいでしょ、皇后様?」



 皇后様の許しを得てストレンジャーも同乗すると、何故かジュズッピが気に入らない様子で悪態をつき始めるーーー



ジュズッピ「皇后様、なんだって素性も解らぬ男を乗せたりするのですか?何となく人相から私には分かるんですよ、この男には盗人の過去があるのだとね。」



ストレンジャー「そんな……あんまりじゃないですか!僕は単に放浪の旅を楽しんでいるだけなのに、どうしてそんな事を仰るので?」



ターシャ「そうよ、酷いじゃない!貴方はストレンジャーに何かしらの恨みでもあるのですか?」



ザマンサ「ちょっと辞めなさいよ、どうしちゃったのそんな事を言い出しちゃって。楽しい旅が台無しじゃないの!」



ジュズッピ「へ?そうですかねぇ〜、いつから楽しい旅になったんでしょうね。僕らは皇后様の要望でナディアとケセラを探すミッションが課せられただけで、とても楽しい旅などと一度でさえ考えたことなんかありませんからねッ!」



皇后様「解りました、ジュズッピ。今までお付き合いさせてしまって済まなかったわね。そういうことでしたら貴方の自由になさって結構ですわ。シュミット、彼に駄賃を渡してやりなさい。そして馬車から降りていただきなさい。」



ジュズッピ「ち、違うんですよぅ、私はただこの男が危険人物に思えてしょうがなかっただけなんですから警告したまででして……」



執事シュミット「貴方は我々の旅に不満を持たれて居るようですので、どうぞお引き取りを。」



 そしてストレンジャーと交代になる形でジュズッピは馬車から降ろされたのでした。ターシャはそこまでする皇后様の厳しい態度に恐れると共に、これは何かしら特別な意味があるに違いないとも考えました。ところがミッチときたら不思議にも満面の笑みでジュズッピに手を降って見送る始末。一体この娘ったら何を考えて居るんだか……するとストレンジャーが話し始める。



ストレンジャー「何だか僕のせいで彼には申し訳ない事をしてしまったようですが……」



ターシャ「気にしないでね、ストレンジャー。ジュズッピって何だか変な行動が多くって、私たちも不安だったのよ。私達は貴方のことを信頼していますからご安心ください。」



皇后様「そうじゃ無いのよ、ジュズッピはストレンジャーの自由放漫さが羨ましかったのですよ。だからあんな態度とったのですわ。暫く頭を冷やしたら戻って来るはずよ。行き先は分かってるんですからね。ところでストレンジャーさんにお聞きしますが、私達は古代神殿へと向かいますが宜しくって?」



ストレンジャー「はい、助かります。そこまで乗せていただければ後の道順が分かりますから。何から何まですみません……」



ザマンサ「ところで貴方は何処へ向かわれているのですか?」



ストレンジャー「そうですねぇ、取り敢えずオレガド王国のお城でも見物して、その先はまだ決めておりません。いわゆる束縛の無い宛もない旅を楽しんでいるのでね!」



皇后様「でしたらついでに私達の旅にも付き合っては頂けませんか?たまには束縛されるのも悪くはないですよ、皆で仲良く楽しくね!」



ストレンジャー「束縛ですか〜……それが嫌で私は先程ナディア様の馬車から降り立った次第ですからね。」



皇后様「なんですって!ナディアに会ったの?なら彼女達は何処へ向かっていたのです?」



ストレンジャー「古代神殿ですよ。きっと後ほどお会い出来ることでしょう。」



 一行はナディアとケセラの居場所を突き止めたことで安堵の気持ち以上に彼女たちの安否が気になるのであった。ターシャはミッチの表情が何故か再び曇ってゆくのが気になるのだったーーー






///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




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