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第84章

 ジュズッピの食欲に圧倒された一行ではあったが、ナディアと娘ケセラの未来について皇后様の心配は余程のものであったーーー



皇后様「ねぇザマンサ、貴方ナディアの幼なじみでしょ。一体今彼女は何を考えていると思う?」


ザマンサ「ケセラさんをこちらの「呪い魔法のダイアリー」の中の世界に呼び寄せた事から推測しますと、やはりケセラの心を開く為のミッションのような気がしますの。そしてオレガド王国に残るパリピメロン家の痕跡から明るい未来スキルを身につけるのが目的なのではございませんか?」


執事シュミット「確かナディア様が小さかった頃にも皇后様がそうされたとお聞きしたような気がしますが如何でしょうか?」


皇后様「実はね、私もそのような時期に母親から教育された微かな記憶があるのですよ。そうね、確かパリピメロン家の作法の一つとか、紋章にまつわる意味がどうのとか母親は何かにつけて私に説いてましたっけ……もう昔の話ね。」


ザマンサ「あ、思い出しましたよ、私も幼い頃ナディアからそのようなことを聞かされました。2人で読んでいた「呪い魔法のダイアリー」の中の世界では魔物が待ち構えていて、いくつものクエストや困難なミッションやらをスキルアップしながら攻略した暁にとても素敵なプレゼントが授けられるとか。でもパリピメロン家の代々でもそれを授かった者はほんの一握りだとも。」


皇后様「そうね、きっとナディアはそのスキルアップの能力が期待できる年頃になったケセラに期待して呼び寄せたのかも知れませんね!自分が叶わなかった幼かった頃の夢を、今こそ叶えようと二人してオレガド王国に参上したというふうにもとれますわね!」


執事シュミット「そうなりますとやはり我々は彼女たちの目の届かない方法で何かしらのアシストをしなければなりません。何故ならばそのクエストを出題する魔物は非常に危険な者だとダイアリーで語られていた、とナディア様からお聞きしていましたから……」


皇后様「そうですね、私も幼き日にその事を経験してから恐れてこちらの世界から遠ざかりがちでしたから。ならば明日から早速彼女たちの旅の援護を開始しましょう!」



 こうして皇后様の意思が固まった所で明るい未来図とご褒美目的のナディア一行を援護する旅路が始まったのでしたーーー





ーーー☆☆☆〜


 広大なオレガド王国国立公園の道を暫く進むと、今や観光地となっているオレガド王国古代神殿へとナディア達を乗せた真っ白な馬車が向かってゆく。



ナディア「この辺りも昔から何も変わっていないわね。マングローブの林を抜けるとそろそろオレガド王国古代神殿が見えてくるのね。なんだかワクワクしてきちゃうわ!」


ヒッポ君「そうですねぇ、一体古代神殿ってどんな秘密が隠されているのだろう。もしかしたらとんでもないモンスターが居て我々に難解なクエストを仕掛けてくるかも知れませんね!」


ケセラ「あら、ヒッポ君の言っている事は案外はずれてないかも知れませんよ。あの神殿の古代文字は未だに解読され尽くされては居ません。そしてもしかしたらこの古代文字こそモンスター達を再び眠りから覚ます呪文だと見解を述べる学者達もいますからね!」


ナディア「そうよね、しかしターシャの親友ミッチは、あの子ったらどういう訳か「呪い魔法のダイアリー」の古代文字をすらすら読むことができたわね。何処で覚えたのかしら、不思議ね。」


ヒッポ君「ミッチって何だか影が薄い存在だけど、不思議な雰囲気を持ってますよね。古代文字解読が出来るなんて……もしや彼女も魔法を使えるのだろうか?」



 3人がミッチについて不思議に思いながらもいよいよオレガド王国古代神殿の正門に到着すると奥の方にそびえる厳かな神殿を見つける。門番が馬車のパリピメロン家の紋章を確認するや、顔パスでゲートを通過してゆく。石畳を馬車が進んで行くといよいよ巨大神殿の全貌が目の前に現れた。始めて目の当たりにしたケセラとイケメン☆ヒッポ君は驚きのあまり開いた口が塞がらずにいる……



ヒッポ「な、なんぞわやぁ〜、でっけぇ〜!」


ケセラ「創造してたより凄い迫力ね!これ建てるのに当時どれだけの労力を費やしたのでしょう……オレガド王国の国王の権力が伺い知れるわね。」


ナディア「確か私の母である皇后様の話だと、完成するのに三世代に渡って建設したそうよ。強欲と言うよりも、よくぞ永きに渡る威厳を保てたものよね。しかしこの神殿の建設に携わった人々は奴隷のようにこき使われていたから、その人々の恨みのせいでこの神殿の別名は「呪われた神殿」として無高かったそうなのよ。オレガド王国にとってはある意味負の遺産ね。」


ケセラ「ならば反対勢力によって滅ぼされそうなものだけれど、一体どうして今まで綺麗な状態を保てたのかしら?」


ナディア「それがね、どうやらそこにパリピメロン家の魔法が関係してくるそうなのよ。ですが不思議な事に我がパリピメロン家の伝記を幾ら調べてみてもそれについての記述が見つからないのよ。

 そのキーを握るのは「呪い魔法のダイアリー」を最初に始めたと言われる仙人を突き止める必要があるわ。」


ヒッポ君「仙人?もしかしたらまだ生きてるってこと?ならば仙人を訪ねれば今回のクエストにたどり着くわけだね。

 古代文字の意味から呪いの魔法を解き明かずためにも探し出さなきゃ。でも何処から探して良いのやらまるで見当がつかないな……」


ナディア「そのためにこの神殿の壁面に記載された古代文字の解読が必要なのよ。何故ならば呪い魔法のダイアリーの最初の章が書かれた場所、それがこの神殿だったのですからーーー」




ーーー☆☆☆〜


 食事を終えた皇后様一行を乗せた真っ白い馬車が小高い丘のリストランテから遥か彼方に眺められる古代神殿へと走らせてゆくーーーターシャはこのオレガド王国に到着してから元気のないミッチの事が気にかかる。



ターシャ「ねぇミッチ、何だか元気無いみたいだけど具合でも悪いの?」


ミッチ「別にそういうわけでも無いけど、何だかこの先私達にとって何かしら不吉なことが巻き起こるような気がして……」


ターシャ「そうなの?確か貴方は過去にも正夢が何度も的中したと言ってたわね。何だか私まで怖くなってきたわ……でもねミッチ、そんな暗い顔しないでいつものようにニッコリ笑っていれば不吉な事なんて何処かへ行ってしまいますわ!」


ミッチ「そ、それもそうよね…」



 何故か浮かないままのミッチの様子を皇后様とザマンサも気にしている様子で二人はヒソヒソと何やら相談している。



ザマンサ「やはり彼女には何かしらの秘密がありそうですわ。先程彼女の脳波を透視したところ、何故か古代神殿の昔の映像のようなものが見えてきました……」


皇后様「それで、その場所で何が起こっているの?」


ザマンサ「何かしらの祭り事のようで、群衆が祭壇に祀られたイケニエと思しき人たちに祈りを捧げて居るみたいで……私怖くなっちゃってそれっきり透視するのをやめてしまいましたが……」


皇后様「なんですって……」



 皇后様はそう言ったまま凍りついたような顔をする。その尋常ではない皇后様の表情からして何かしら思い当たる節でもありそうにナディアには見えるのだったーーー





///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜



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