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第83章

 色黒イケメン☆ヒッポ君は再び「呪い魔法のダイアリー」の中の世界にて恩人ストレンジャーとの朝食を済ませると旅支度を整えながらこれからの旅先について頭を巡らせてみるーーー


ヒッポ君「ところで僕は自由探しの旅に出ようと思っているんだけど、ストレンジャーはどこへ向かっているの?確か洞窟の中で地下世界の方角へと向かっていたようだけれど……」


ストレンジャー「その筈だったのだが、君があんな目に遭っていたのに出くわしたお陰で方針変更した次第なのさ。」


ヒッポ「もし、そうでなければ何を求めて地下世界に向かっていたの?」


ストレンジャー「それはだな、友人があそこで暮らしているのを知って訪ねてみようと思ったのさ。けれども君が天使にそそのかされたのを聞いて、何だか怖くなったんだよ。」



 荷物をまとめ終えた二人は背中に背負うと歩き始めるのだった。暫く草原を南に向かって歩いてゆくと遥か彼方から四頭立ての馬車がこちらに向かって来るのが見える。



ヒッポ君「確かあの馬車の所有者はパリピメロン家のものだよな、ほらあの紋章!」



 ヒッポ君は馬車に向かって両手を振ると馬車が減速し始めた。すると目の前まで来て止まったではないか。扉が開かれると見覚えのある二人が降り立った。ケセラと母ナディアだ。



ケセラ「あら、こんな所で奇遇ですわね、ヒッポ君。貴方がたもオレガド王国にいらしたのね。私たちも今朝こちらに到着したばかりですのよ。まだ行先を決めかねていますので良かったら乗りませんか?」



 ヒッポ君とストレンジャーは自分達の自由が奪われるのではないかと始めは乗車を断るつもりでしたが、行き先が決まっていないなら、と馬車に乗る事にしました。



ストレンジャー「ナディアさん、何故行先を決められていないのですか?」


ナディア「そう申しましても目的としては御座います。但し何処から向かえば良いのかは旅をしながら情報を得て決めてゆこうと考えているのです。」


ヒッポ君「じゃあ目的って一体なんなんです?」


ケセラ「それはね、このダイアリーの起源か此処オレガド王国にある事をパリピメロン家の書庫にあった歴史書からヒントを得たの。そこでその足跡を辿ると共に、ダイアリーの持っている呪い魔法の謎を解き明かして我々にかけられている魔力から脱却するためなのよ。これが解決されない限り我々パリピメロン家の未来図を描くことなどできないのよ!」



 あまりにも真に迫った話を聞かされたヒッポ君は衝撃を受けたあまり思わず言葉を失う。ナディアかケセラをなだめるように呟き始めるーーー



ナディア「そうなのよ、今私たちは不幸な未来の崖っぷちに立たされているのよ。このために第代にわたり幾度となくダイアリーの中の世界に旅立ってゆきその不幸な内容を書き換えるべく解決策を探り出してきたわ。でも根本的に不幸な未来がダイアリーに書き綴られる根本的な原因を断たなければ、我々パリピメロン家はいつまでも魔物に取り憑かれ怯えて暮らしてゆく運命となってしまうのです……」



 ナディアの目から涙が頬を伝うのを観たことで、ダイアリーのせいで彼女のパリピメロン家が呪い魔法に翻弄され続けて来た歴史の重さを二人は感じざる負えなかった。



ヒッポ君「分かったよ、君たちの事情は。もし良かったらその旅に付き合わせてはもらえませんか?僕でお役に立てるかは分かりませんが、貴方がたのお手伝いをしたい。」


ストレンジャー「僕は……ちょっと考えさせてはくれないかな。僕のイメージする自由を求める旅のコンセプトとは違うような気がするものでね。」


ナディア「貴方がたのお気持ちは嬉しいです。ですが、この問題解決は、我々パリピメロン家の力だけで解決しなければなりません。やはり我が血筋にのみ使える魔法でしか解決できないような気がしますからねーーー」


ヒッポ君「だけどこの呪われた世界の中で君たちが危険な思いをする場面が巻き起こる可能性は十分にあるから、僕は君たちを守るために付き合うよ。」



 その後、オレガド王国国立公園に差し掛かった所でストレンジャーが馬車から降りる。彼は純粋に自分の自由を選んだのであった。ヒッポ君は彼の命の恩人に頑張れよと熱いエールを送るのだったーーー




ー☆☆☆〜〜〜〜


 皇后様一行もまた、遅ればせながら無事にオレガド王国に寄港し到着。ターシャがパリピメロン家の紋章の付いた馬車が向かった方面について情報を収集する。それを元に一行は追跡を開始するのだが、その前に腹ごしらえが必要となったーーー



皇后様「この先に私の行きつけのリストランテが御座います。さあ参りましょう!」



 真っ白な四頭立ての馬車をチャーターし、一行はいざリストランテを目指す。そこは少し小高い地点に建っており、眺望がきく場所だ。



執事シュミット「それにしても久しぶりのオレガド王国、この国は自然を大事にしているから流石に空気が違いますね。」


ターシャ「ホント、私もこのような場所に住みたくなりました。さっきあの港に居たのね、そして向こう側には森が広がっていて、その先にオレガド国王のお城が鎮座して居るのですわ!」


ザマンサ「あらターシャったら、一度しか来なかったのによく覚えているのねぇ。余程印象が強かったのですわね!」


ジュズッピ「違うよザマンサ、ほら船内にあった図書館でオレガド王国の観光スポットについて調べてたのを、オレは見たぜ!」


ターシャ「あら、バレてたのねぇ〜私恥ずかしい……」



 ターシャの無邪気な姿に一行は大笑いする。そのテラス席にパエリア、手長エビのしゃぶしゃぶ、地産野菜をふんだんに使ったサラダ、ジェノベーゼパスタが並べられてゆく〜〜〜



ミッチ「それでは早速オレガド王国の到着に乾杯したいと思います、皆さんケセラ様とナディア様の無事を祈って、乾杯!」



ターシャ「ねぇミッチ、貴方がパリピメロン家の不幸な未来についての情報からどのような事を想像していますの?」



 ターシャは皇后様達に聞こえないような小声でミッチに内緒で囁く。



ミッチ「私はと申しますと、ターシャ様の侍女として王家に仕えた経験から察しますと、こちらのオレガド王国にパリピメロン家の秘密の起源が存在していまして、ダイアリーを最初に綴った方がこの国に住まわれて居たので、ナディア様はその方の家を探しに行って何かしらの秘密を解明されるのではないかと思うのでして……」



ターシャ「そうかも知れないわね、きっとこのオレガド王国に嫁いだパリピメロン家のある人物が全ての起源になるのでしよう。しかし、何しろ「呪い魔法のダイアリー」の事ですから、人様に知られないような何かしらの結界が張られている可能性もあるわね。」



ミッチ「そうですね、この旅には危険が伴う可能性が十分考えられますわね。ですがパリピメロン家の皇后様がナディア様達よりもこちらのオレガド王国の出来事やダイアリーの内容を熟知されている筈なので、皇后様が居られるからには危険は緩和されるのではないかと。それとザマンサ様も透視魔法を完全にマスターされていますし、祈祷師ジュズッピだって偽物かもしれませんが特殊能力を携えてはおりますから安心してはいます。」



ターシャ「ジュズッピですって?ほら見なさいよ、あんなに出されたコースランチをガツガツと、まるで食べ放題のようにガッツイているあんな奴が信用できましょうか!」



ジュズッピ「ターシャ様、何かおっしゃられましたか?」



ターシャ「いえ、何でもありませんのよ……それよりこちらの私のパエリアもよろしかったらお召し上がりになりません?」



ジュズッピ「え、いいの?それなら喜んで頂戴しましょう!」



 ジュズッピの食欲旺盛さに一同は圧倒されながらもこれから巻き起こるだろうナディアとケセラの運命を辿る旅に不安さを隠せないのであったーーー






///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜〜



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