第82章
ナディアは娘ケセラと共にオレガド王国へ向かう大型帆船に乗り込む。皇后様率いる一行が彼女たちを探し始めたことも知らずにーーー
ケセラ「お母様、何故オレガド王国へ向う必要があるのです?」
ナディア「それはね、「呪い魔法のダイアリーNo0666」に記載されていた我がパリピメロン家の残酷な未来を変えるためです。」
ケセラ「その内容のことなら私も承知しておりますよ。ですが定められた未来を我々に変えることなど果たして可能なのでしょうか?」
ナディア「私の解釈ではそのキーを握っているのはケセラ、あなた自身にあるのよ。貴方の対応の仕方一つでそれを解決できると信じています。」
ケセラ「え、この私が……」
ナディアの言葉のあまりの衝撃にケセラは自問してみるが、その残酷な未来に自身が加担しているようにとれる内容は思い当たらない。それよりも母親ナディアがキーを握っているのではないかとさえ思えるのだった。
ケセラ「お母様、何かの間違いではありませんか?私の見た内容の事の発端はお母様、貴方にあるのでしたから。」
ナディア「な、何を言ってるのよこの子は!わたが何をしたというのよ!」
ケセラ「それは……私の口からとても申し上げられません。但し、一つだけ。それは今から我々が向かおうとしているオレガド王国で事件が起きたと言うことです!」
ナディア「貴方の見たのは本当に「呪い魔法のダイアリーNo0666」だったのかしら?別のNoのものでは?」
ケセラ「私の記憶では確かですが、別のNoだからといって脅威であることに変わりないですよね。」
ナディア「貴方が言ってる事が確かであるならば、脅威に違いありません。ならばオレガド王国行きをやめれば良いだけなのかしら?」
ケセラ「いいえ、そうはなりません。必ず貴方は遅かれ早かれあの国に行くことになるでしょうから……」
ケセラの言葉に神妙な顔つきになるナディアは海の彼方を見つめるーーー
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その頃皇后様とザマンサ一行はケセラと母親ナディアの行方を追って情報収集に明け暮れていたーーー
ザマンサ「ターシャ達お帰りなさい。何かわかったかしら?」
ターシャ「定かな情報かは確認できなかったんだけど、この街のマルシェの店さん達が言っていたのは、それらしき親子が大量に缶詰やら保存食を買い込んでいったらしいのよ。話ではどうやら船旅に出るから残りは船まで運び込んで欲しいと申していたようでした……」
皇后様「船旅ですって、ならばオレガド王国行に違いないわ。」
ザマンサ「皇后様、何故断定なされるので?」
皇后様「昔ね、ナディアが今のケセラ位の年頃の時期に一緒にオレガド王国に滞在していたの。そしてその国にこそ「呪い魔法のダイアリー」の起源に関する内容が記載されていた事にナディアが特に興味を持っていたようでしたから、もしかしたらダイアリーの暗い未来図を書き換える為の何かしら秘策が存在しているような気がして……」
ザマンサ「そうですか、それで皇后様とナディア様が旅をなさった理由は何でしたの?失礼でなければご享受頂きたく。」
皇后様「ええ、それは当時ナディアにうつ症状が見られてね。お医者様から聞いたのですが、オレガド王国のある地域で自生している固有種の花から採れる蜂蜜が特効薬となると聞いて、早速蜂蜜を入手しようと旅に出たのです。」
ザマンサ「それで、蜂蜜は手に入ったのですね?」
皇后様「いいえ、それが自生する時期の終わりで既に収穫されたものは他の国へと出荷されたあとだったの。そこで何とか国王に在庫を分けてもらえないかと相談したのですが、とても貴重なもので高値で取引されていたから門前払いされてしまったの。」
ザマンサ「ならば出荷された国々に行かれたら良かったのではないでしょうか……」
皇后様「でもね、私の必死な様子を見ていたナディアがね、その後頑張って心を開いてくれたのよ!それで蜂蜜は必要なくなったのよ。不思議ね……」
ザマンサ「それはそれは良かったですわね!するとナディアもケセラの殻に閉じこもっている心の内を開くためにオレガド王国に向かったのでしょうね。」
皇后様「そうね。しかしそれだけではないとも考えられるのよ。だって私達から身を隠すように旅立ってゆく理由が分からないもの。」
ザマンサ「きつと何かしらダイアリーの起源となるようなものがあの国には有るのですね。」
ザマンサは皇后様の話を元に、何度となく透視魔法でナディアとケセラの脳波を探るものの、アクセスはどうしても遮断されてしまうのだった。やはりパリピメロン家の血筋には如何なる魔法も防御されてしまうのだった。
皇后様は二人の事を心配に思い、居てもたってもいられない様子。すると偽祈祷師ジュズッピが駆け込んでくるーーー
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ジュズッピ「た、大変です!船着場で情報を集めていたらナディア様とケセラ様が乗った大型帆船が先程出港したことが判明しまして。搭乗者名簿には偽の名前で記載されていましたが、私が持っていた写真を見せると確かに間違い無いと申しておりまして。その船はオレガド王国に向かったそうです!」
ジュズッピの話に確証を得た一行は早速旅支度を整え始める。執事シュミットとミッチも帰り着くといざ港へと向かったのであったーーー
暫くして港に到着する一行。港に駐留されていたザマンサの帆船をチャーターし、一行が荷物を積み込んで乗り込んだ頃、何やら皇后様宛に電報が届く。皆は何故電報の主が皇后様の居場所と出港の時間まで知っていたのかと不思議に思う〜〜〜
皇后様「なるほど、差出人はナディアよ。この手紙はケセラに知られないように私宛に頼んだようね。きっと同じパリピメロン家の脳波で位置情報を把握して自分の後を追ってくる事を知ったのでしょう……」
執事シュミット「ところで……そのお手紙でナディア様は何と仰っておられますので?」
皇后様「それにつきましては今は申せません。何故なら私の中でこの手紙に書かれた内容をじっくりと精査する必要がありましょうから……後ほどその事については皆さんにお話しましょうーーー」
その何かしら決断に迫られた皇后様の横顔を見るに、皆に緊張が走る。一行は不安を引きずりながらオレガド王国へと旅立つのであったーーー
///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




