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第8章

 アーサーは王女メチルの下へ赴く。








 彼は意を決して母メチルの日記に関する秘密について相談する事を決めていた。










 何せベルリーナと再度開いた日記の内容があまりにも残酷な未来を描いていた事に警鐘を鳴らすべきだと危惧してからだった。












 メチルは旧友ザマンサとリビングで談笑していた。ザマンサがアーサーに声をかける。












「あら、アーサー様!今朝はお早いですわね。ベルリーナ姫はまだおネムかしら?」














「おはようございます、ザマンサ様。実はお母様に折り入って相談が…」














 メチル女王が驚いてアーサーを見つめる。












「アーサー、モーニングも摂らないで早速なんですの?ザマンサに失礼じゃない!早くベルリーナを起こして朝食を摂りなさい。」














 告白を交わされたアーサーは母に言われるがままベルリーナの寝室へと向かった。












 寝起きの悪いベルリーナは目を擦りながら不貞腐れている。














 パジャマのままテーブル席に着席する。














 ザマンサの執事を手を叩いて呼ぶと早速モーニングが運ばれてきた。














 熱々のパンプキンスープが注がれるとアーサーは待っていました!とばかりにすする。












 ベルリーナは皿のフレンチトーストをご機嫌に切り分けて嗜む。












 メチルとザマンサはフレッシュトマトジュースを飲み再び談笑に花を咲かす。












 メチルが思い出したようにアーサーに切り出す。












「で、アーサー。一体何の話かしら?」












 アーサーはすっかりモーニングに夢中であったが、フォークを皿に置くとかしこまった。














「お母様、あの日記の件でお話したいことがあります。」














 すると一瞬メチルの表情が強張る。












「ええと、そのことなら後で私の部屋でお話しましょ……」














 すると何故かザマンサが問いかける。














「それってもしかして貴方が昔私に見せてくれたダイアリーの事?まだ持っていたの…


 それに何で鍵をかけていなかったのよ、あれほど言ったじゃないの!あの一件以来もうとっくに燃やしてしまったものと思ってたわよ。」














 そのザマンサの叱責によってモーニングの穏やかな空気が凍りつく。 














 どうやらあのダイアリーは只事では無さそうだとアーサーとベルリーナは確信したのだった……












 アーサーはメチル女王の部屋へと向かい、ザマンサも同行することになった。














 ドアを閉めた瞬間、メチル女王は心配そうな表情でアーサーに言いました。














「アーサー、その日記は古い出来事だし、私の過去の一部です。ザマンサも言っている通り、私はすでに破棄したつもりでいました。たまたま書庫の整理をしていた折に机の上に置いたせいで、あなた達に見つけられることになってしまって……」














 アーサーは真剣な表情で返事します。














「しかし母上、その日記にはベルリーナの未来についての残酷な予測が書かれていたようです。私たちはそれが真実かどうか知りたいのです。」














メチル女王は深いため息をついてから言います。
















「その日記は昔の私の恐れや不安から生まれたもので、予知の力を持っていたわけではありません。


 しかし、もし心の平和を取り戻すためにそれを確認したいのであれば、一緒に見ましょう。」














日記を開くと、その中には未来についての不吉な予感や恐怖に満ちた文章が書かれていました。
















 アーサーとベルリーナは驚きましたが、メチル女王は静かに言います。














「これは昔の私の不安が反映されたものでしょう。私たちは未来を変える力を持っています。


 ベルリーナ、あなたの未来はあなた次第です。」














ベルリーナは母の言葉に勇気づけられ、アーサーも彼女の手を取りました。
















「母上、私たちは共に未来を切り開いていきます。この日記が未来を予測するものでなく、私たちの選択に左右されるものであることを信じます。」












こうして、アーサー、ベルリーナ、そしてメチル女王は未来への不安を共に乗り越え、家族として団結しました。














 彼らは過去の日記に縛られず、未来を自分たちの手で築いていく決意を新たにしました。














 しかしアーサーがメチルの嘘で塗り固めた茶番劇にいても立っても居られない様子で遂に本音を切り出すのだった。












「あのダイアリーの内容ですが、お母様やザマンサ叔母様が言っているのと何だか違っていたのです。


 実を申しまして私は昨日もお母様に内緒であのダイアリーを覗いてしまいまして…


 その内容によると私達の残酷な未来が描いてありました。しかしとてもお母様がそんな事を書いたとは思えなくて…」












 するとメチルが何かに憑依されたかの表情に変わるや、突如としてすっくと立ち上がるとアーサーに向かってヒステリックに怒鳴りちらした!














「お前、あれほど注意したのに何故なの?」














 二人の様子を見ていたベルリーナがたまらず切り出す。














「いいえ、お兄様は悪くないのよ、全て私が悪いんだから…ゴメンナサイ。」














 冷たい空気の中、ザマンサがつぶやき始める。














「無理もないわね、もう全て話したほうが良いかも、メチル。


 実はあのダイアリーはね、私達があるお祖母様から預かったものなの。その時は特別なものだとは思わなかったからお祖母様の書いた内容を、まるで童話のお話のように二人で楽しんでいたのよ。


 しかしね、ある日から不思議なことが連続して起こるようになったのよ、しかもまるで予知夢のように未来に起こる出来事が書かれはじめた事に、私達は間もなく気づいたの。」
















 メチル女王は怒りから次第に驚きと戸惑いへと切り替えました。














 彼女はザマンサに尋ねました。














「本当にあのダイアリーが未来の出来事を予知していたの?それはどうして可能なのかしら?」
















 ザマンサは重要な情報を提供しました。














「お祖母様から私が聞いた話だけど、あのダイアリーは私たちの一族にとって、古代の魔法の力を持っている物と信じられていました。


 そして、その日記は彼女がその力を記録しようとしたものだったのかもしれません。


 私たちは初めはその日記を楽しいものとして見ていましたが、それが実際に未来を予知するものであることに気付いたとき、びっくりしました。」














 アーサーは考え込みました。












「では、あの日記に書かれた出来事がすべて実現するのでしょうか?」














 ベルリーナは心を落ち着け、言いました。














「私たちは未来を変える力を持っています。


日記の内容が不吉なものであっても、私たちは選択を通じて別の道を進むことができるはずです。


 母上、ザマンサ叔母様、一緒にこの新たな未来を築きましょう。」












メチル女王はしばらく黙りこくり、最終的には微笑みました。












「そうね、私たちはこの家族で未来を切り開いていくのです。


 そして、その日記を超えて、幸せな明日を築きましょう。」














家族は団結し、魔法の日記を手に未来への不安に立ち向かう決意を新たにしました。そして、未来を自分たちの意志で切り開く謎解きがこの日から始まろうとしていたのでしたーーーー




























///to be continued!!!☆☆☆









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