第66章
ジェノべの心労は今やピークに達していた……
「マウリシオ、気は確かか?お前はパリピメロン家の血筋なのかは僕らにはどうでも良いのだが、パリピメロン家のみ血筋で叶えられる注入魔法が使えると本気で思ってやしないか?」
するとギラッとした眼差しをジェノべに向けるや切り出す。
「何だって俺を馬鹿にするのかな?要は君は自分の引き出しの中身が世界の全てとでも思っているのなら、残念ながら大間違いなのだよ!君の想像の範疇の五条倍へ、遥かに超えたレベルにおいてのみ、それは可能だと言えなくもないがね!」
「おう、そういえばそろそろ君の夢が叶い始める要素はその後始めた祈祷によって叶えられるのかもしれないしな〜〜〜!」
その時、ヒッポ君が部屋に入ってきた。彼の手には不思議な光を放つ魔法の本が握られている。
ヒッポ:「ねえ、みんな、聞いてよ!この本に書かれている注入魔法、僕、マスターしちゃったんだ!」
ジェノべ:「何だって?ヒッポ、お前が?それはどういうことだ?」
マウリシオ:「ヒッポ君、本当に?パリピメロン家の血筋じゃなきゃ無理なはずだろ?」
ヒッポ:「そうなんだけど……実は、やってみたらできちゃったんだ。」
ジェノべは驚愕と共にヒッポを見つめた。
「まさか、ヒッポ、お前がパリピメロン家の血筋だっていうのか?」
ヒッポは戸惑いながらも頷いた。
「うん、そうかもしれない……。僕の家族にはその話を聞いたことがなかったけど、もしかしたら何か隠された秘密があるのかもしれない。」
マウリシオ:「なるほど……。君の中に眠っていた力が目覚めたというわけか。」
ジェノべ:「でも、それが本当なら、ヒッポ、君には重大な役割があるということだぞ。パリピメロン家の力を持つ者として、我々のミッションにとって非常に重要な存在だ。」
ヒッポ:「そうだね……。僕、頑張るよ。みんなのために、この力を使いこなしてみせる!」
ジェノべ:「よし、ヒッポ、君の力がどれほどのものか、試してみよう。これからの戦いに備えて、我々全員で協力し合うんだ。」
マウリシオ:「そうだ、ヒッポ。君の新たな力が我々に勝利をもたらす鍵となるかもしれない。共に戦おう!」
こうしてヒッポ君がパリピメロン家の血筋である可能性が浮上し、彼の新たな力と共にチームは一層結束を強めていった。
これからの冒険が一体どのような展開を見せるのか、誰もが期待と不安を胸に秘めながら前進していくのだった。
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「その本は一体どこで手に入れたんだい?」
ヒッポはもじもじしながら答えた。
「あのね、ナディアからもらったんだ……。」
ジェノべ:「ナディアから?それはまた驚いたな。でも、どうしてナディアがそんな重要な本を君に渡したんだ?」
ヒッポ:「実は……彼女が言うには、僕には特別な才能があるからって。それで、試してみたら本当にできちゃったんだ。」
マウリシオ:「なるほど、それで君がその注入魔法をマスターしたのか。でも、どうしてナディアがそんなことを知っていたんだろう?」
その時ヒッポが少し顔を赤らめながら続けた。
「実は……その本をもらったときに二人にその注入魔法を照射しちゃったんだ。」
ジェノべとマウリシオは驚愕して目を見開いた。
「何だって?我々に注入魔法を?!」
ヒッポ:「うん……本当にごめんなさい。でも、僕もその時はどうしていいか分からなくて……。」
一番焦ったのはメチル女王であった。
彼女は急いで部屋に駆け込んできた。
メチル女王:「ヒッポ、君がジェノべとマウリシオに注入魔法を照射したって本当かい?」
ヒッポ:「はい、女王様……でも、僕もその時は本当に何も考えずにやっちゃって……。」
メチル女王:「分かったわ、まずは落ち着きましょう。注入魔法がどのように作用するかを確認しなければならないわね。」
ジェノべ:「女王様、注入魔法が我々にどのような影響を与えるのかご存知ですか?」
メチル女王:「ええ、注入魔法は非常に強力なもので、使い手と受け手の魔力を融合させる効果があります。もしうまく作用すれば、二人の力が大幅に増強されるでしょう。でも、誤った使い方をすると、制御不能な状態になる危険もあります。」
マウリシオ:「それじゃあ、今すぐにでも確認しなければならないな。どうする、ジェノべ?」
ジェノべ:「そうだな。まずは安全な場所で我々の魔力をテストしよう。そして、ヒッポ、君も一緒に来てくれ。君の力が鍵になるかもしれない。」
メチル女王:「私も同行するわ。何かあれば、私が対処するから。」
こうして、ジェノべ、マウリシオ、ヒッポ、そしてメチル女王は、注入魔法の影響を確認するために安全な場所へと向かった。
彼らの新たな旅はどのような試練をもたらすのか、誰もが緊張しながらも希望を抱いていたーーーー
///to be continued!!!☆☆☆




