第6章
アーサーは今日のポロ大会の結果について国王の元へと報告に向かった。
「おお、アーサーよ!よくやったぞよ。流石ワシの息子だ。それはそうと別件だが、お前とは話しておかなければならないことがある。
もうわかっているだろう、お母さんから聞いたぞ、日記のこと。」
それを聞くや国王の耳にまで伝わっていたことに動揺するアーサー。
「はい、お父様。確かに勝手に日記を見たことは過ちでした。しかし私とベルリーナはあの日記の内容がショックでして、とても信じがたかったのであります。
決してターシャには見せられない内容なので、彼女の耳に入れないようにベルリーナと固い約束をしました。ですが国王、日記には貴方の事も書かれていたのはご存知ですよね?」
アーサーの言葉に国王はキョトンとした表情。ドアの隙間から二人の会話に聞き耳を立てていた侍女たちが国王の表情が険しくなってゆくのを気づくや、あまりにもその恐ろしさに慌てて駆け出していった。
国王はアーサーをギロッと睨むや詰問が始まったのだった。
「なになに、ということは私の悪口も書かれていたと云うのか?」
その、怒りを押し殺すように震える声で国王が言い放ったのにアーサーは縮みあがるのだった。
「そ、それはわたくしの口からはとても申せません。」
「何だとぅっ、お前は父親であり国王のワシの言葉に楯突こうって云うのか?」
「め、滅相も御座いません、これは王女様の為でもあり…というかそもそも王女様の私的な持ち物で御座いますから、その事をチクる事など男がすることではないと思うのですが、どうお考えで?」
アーサーのその言葉で我に帰った表情の国王。
「良かろう、ならばお前の胸の中へ一生しまっておくが良い。出来るかな?」
侍女達の噂を聞きつけた王女が黙って居られない様子で駆けつける。
「アナタ、ゴメンナサイ。まさかこんなことになるなんて…私は王女失格ね。
では私の口から日記の内容についてお伝えしましょう。ま、貴方には何を書かれているのか凡そお察しのはずでしょうけど!
アーサーもよく聞いておくんだよ、国王ってお方は、以前から女癖が悪くてね、ターシャもある女との間に生まれてしまった子なのさ。」
国王は、驚きと怒りが交錯した表情で、王女の言葉を聞いたか、何も言える筈もなかった。
アーサーは深い沈黙の後、国王に向かって謝罪の言葉を述べた。
「お父様、私は深くお詫び申し上げます。この情報を知っていれば、私は日記を覗くことなどありませんでした。
ただ、ターシャにとってはこの秘密を知ることが彼女の安心につながるのではないかと考えたのです。」
国王は息をついてから、自身の過去の誤りを認めるような言葉を述べた。
「アーサーや、私も過去に多くの誤りを犯しその一つが女性遍歴によるものであった。しかしだ、ターシャにはこの事実を知らせずに彼女に愛情をもって接してきたんだよ。」
王女は静かにそばに立っており、国王とアーサーの対話を聞いていました。彼女は穏やかな声で言った。
「お父様、アーサー、この状況は複雑ですが、私たちは家族です。今後この秘密を共有し、過去の誤りに向き合っていくべきだと思います。」
国王は頭を下げ、アーサーに対しても同じく頭を垂れた。そして、家族として団結し、過去の誤りから学び、未来に向かって前進することを誓いました。この家族の絆が新たな一歩を踏み出すきっかけとなった筈でした。ところが…
「さ、いきましょっ、アーサー!演技はもうオシマイ。」
王女はそう言うとアーサーの袖をつかんで王の間を後にした。
それから何ということでしょう、ベルリーナにも家出の計画を告げて荷物をまとめさせた。
ー☆ー☆ー☆ー
王女とアーサーは夜の闇に紛れて王国を後にしました。彼らは逃げるのではなく、新たな人生を築くことを決意しました。
最初の数週間は困難でした。彼らは遠くの村に匿われ、新しい身分で生きる方法を学びました。
アーサーは王子としての肩書きを捨て、誰にもその正体を明かさないことを誓いました。
王女も王室の一員であることを隠し、普通の市民としての生活に馴染んでいきました。
ベルリーナも彼らに同行し、彼女は新しい場所で新たな友人を作り、自分自身を見つけていきました。
彼女は王女の忠実な友であり、彼女の決断を尊重しサポートしました。
時が経つにつれ、王女とアーサーは新しい生活に慣れ、自分たちの道を歩む方法を見つけました。
彼らは愛と絆を強化し、過去の問題を乗り越えて新たな未来を築いていく決意を固めました。
ー☆ー☆ー☆ー
残された末っ子で腹違いの娘ターシャは一体何故王女が二人の子供を連れて何も言わずに出ていってしまったのか知るすべもありませんでした。
そしてある昼下がりに一人のこの城に来たばかりの侍女ミッチがターシャに王女の家出の一件の噂のことを話しました。ターシャはまさか3人が自分のせいで家出していったことに驚きを隠せませんでした。
ターシャ: (驚きと罪悪感を感じつつ)ミッチ、その話をもう一度教えてくれる?
ミッチ: はい、王女とアーサー王子、そしてベルリーナが突然の出発を選んだことが噂になっているわ。どうしてかは分からないけど、おそらく何らかの理由があるでしょう。
ターシャ: (心の中で) もし、私のせいで彼らが出ていったのなら…(言葉に詰まりながら) それは私の責任かもしれない。私が王女と彼女の秘密に関わったことが原因かもしれない。
ミッチ: でも、ターシャさん、それが本当に原因だったとしても、今何ができることがあるのでしょうか?
ターシャ: それでも、彼らを見つけて、謝罪し、誤解を解きたい。彼らは私の家族だし、どんなことがあっても支えなければ。
ミッチ: それは素晴らしい考えですが、どこに行ったのか分からないし、見つけるのは簡単ではないでしょう。
ターシャ: それでも彼らを探し続ける覚悟があります。お母様達がどこに行ったのか、私は見つけるつもりです。
///to be continued!!!☆☆☆




