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第53章

 ナディアの強固なスピリットに感銘を受けた妖精たちは、彼女に敬意を払って次なる遺跡ミッションへと連れてゆくのだった。




 暗い遺跡の石畳の道を妖精たちの案内で奥へと突き進む。




 もう何時間も彷徨うナディアは、強固な意志ながらもやはり疲れを覚える。眼の前に回廊が見えてくると、妖精たちは上へと飛び立ちながらルートを示す。




 息切れするナディアを気遣いながら、ゆっくりと回廊を上がってゆく。




 上を眺めると回廊は渦高く伸びていることに、流石のナディアも途中で腰を下ろす。





「あなた達は一体私をどこまでも登らせたら気が済むの?もう懲り懲りよ……」






 ナディアもとうとう弱音を吐く。




「ナディア様、貴女のその言葉をお待ちしていました。


 そうです、既にミッションは始まっていたのです。ほら上をご覧なさい、大きな魔法陣が見えますよね。


 今あなたのミッションの達成度合いが審議されています。


 結果が出たところであなたのスキルが決定し、今後の行く先が決まりますのでもう暫くお待ち下さい!」






 妖精たちの羽音が静かな回廊の途中ではためく中、ナディアは今の状況を考えるのでした。




 私を一体どうしようと言うのでしょう。果たして無事にダイアリーの中の世界に辿り着き、娘ケセラと再会することは可能なのであろうか……







ーーー☆☆☆ー


 するとどうしたというのでしょう、魔法陣から放たれた閃光が、ナディアを包み込み、次なる扉へと導いた。






 その扉は輝くような蒼い光で満ち、妖精たちはナディアをそっとその扉へと導いた。







  「ここが次なる旅の始まりです、ナディア様。この扉を開ければ、新たな挑戦が待っていますよ。」






 妖精たちはナディアに微笑みかけた。






  ナディアは心を落ち着かせ、深呼吸をして扉を開ける。




 その先に広がるのは、美しい庭園のような景色だった。




 色とりどりの花々が優雅に咲き誇り、小川が静かに流れている。





「これが……次の遺跡の世界なの?」





 ナディアが驚くと、妖精たちは頷いて答える。





「はい、ナディア様。こちらがあなたの次なる試練の舞台です。


 この庭園に隠された謎を解き明かし、次なる目的地を見つけるのです。」






 妖精たちはナディアに語りかけた。



 ナディアは心に決意を抱き、新たな旅の始まりに胸を躍らせながら、庭園の中へと足を踏み入れた。





 彼女の強靭な精神と勇気が、今度の試練でも彼女を導くだろうことを信じて……。








ー☆☆☆ーーー


 いつの間にか気を失っていたナディアが目を覚ますと、眩しい日差しの下、砂漠の真ん中にいた。





 周りには妖精たちが見守っており、遠くからはラクダの群れが近づいて来る。





「ナディア様、お気づきになりましたか?」






 妖精たちが心配そうにナディアに声をかけた。




  ナディアは少し困惑しながらも、妖精たちに感謝の意を示した。




 そしてラクダたちが近づいてきたことに気づくと、彼らをオアシスへの道案内に使うことに決めた。





「ラクダたちはもうそこまで近づいてきました。これに乗ってオアシスを目指して旅を続けましょう。」






 ナディアがそう言うと、妖精たちは喜んで彼女に同意しました。





 ナディアは妖精たちと共にラクダに乗り、砂漠の中を進んでいくーーーー





 時折、熱風が吹き抜ける中、ナディアは決意を固める。





「この試練も乗り越えるわ。私の娘ケセラに会うために、どんな困難も受け入れる覚悟よ!」





 彼女は心の中でつぶやいた。





  砂漠の広がる中、ラクダたちの足跡がオアシスへと近づいていく。





 ナディアの旅はまた新たな挑戦が待ち受けているが、彼女の強靭なスピリットは不屈のままだった。








ー☆☆☆ーーー


 尚も妖精たちと共にナディアは砂漠の中を進む。




 すると突然、周囲の風景が不思議なほど変化し始めた。




 ナディアと妖精たちは見慣れない岩山や奇妙な岩の形が広がる風景の中で迷子になってしまった。





「どうしてこんなに風景が変わったの?」




 ナディアは驚き妖精たちも困惑した表情を浮かべる。





「こ、これは…もしかしてリング・ワンダリング…魔法の影響で、我々はとうとう行く先が錯乱し始めてしまったようです……」





 妖精の一人が言った。 ナディアは焦りを感じながらも、冷静さを保ち、妖精たちと一緒に道を探すことにした。





 しかし岩山や奇妙な形の岩々が彼らの進路を阻むたびにますます混乱してしまうのでした。





「一体どうすればいいの?このままではオアシスになんてたどり着けないわ!」





 困惑のナディアが叫ぶ中、妖精たちは一斉に励ましの言葉をかける。





「落ち着いて、ナディア様。我々が一緒に協力すれば、必ず道を見つけ出せるはずですから。」





 妖精たちはナディアを励まし、共に困難に立ち向かうのでした。





 一行の旅はリング・ワンダリングの影響で曲がりくねった道を辿りながらも、絶え間ない挑戦と戦いの中でナディアの信念と強靭なスピリットが更なる試練に耐えることになるだろうと気づくのでしたーーーー






ーーーー☆☆


 砂漠の日照りはますます厳しくなり、ナディアと仲間たちは朦朧とした意識の中で歩を進めていた。




 そんな中、ナディアが強い意志を持って先頭に立ち、妖精たちを引率する決断をしたのだった。





 彼女の前に広がる砂漠の地平線の彼方に、遠くにヤシの木が見え始める。





 それはまるで生命の象徴のように、希望と救いの兆しとして彼らに手を差し伸べるようだった。





「みんな、頑張って!目的地が見えてきたわ!」




 ナディアが叫ぶと仲間たちは彼女の背中を頼りに歩を進めた。





  砂漠の熱風が彼らを焼き付ける中、ナディアの先導により、彼らの希望は次第に現実のものとなっていった。






 ヤシの木が近づくにつれ、彼らの歩みも一層速くなり、彼らの目的地への期待は高まっていった。






  彼らの試練の旅は困難に満ちたものだったが、ナディアのリーダーシップと強固なスピリットに導かれ、彼らは絶望から救いの地へと向かうことができるだろうかーーーー







ー☆☆☆ーーー


  一行が砂漠の中を進むにつれて、ヤシの木は遠ざかるばかりで、蜃気楼が彼らを翻弄し始めた。





  砂漠の熱気が地面から立ちのぼり、幻想的な光景が空中に浮かび上がり、一行は本物のヤシの木が近づいていると思い込むことがあった。





 しかしその幻は間もなく消え去り、彼らをより深い絶望の中に追いやった。





「本当にあのヤシの木はどこにあるの?この蜃気楼は一体何なの?」





 一行の中になんとも言えぬ不安と疑問が広がる。





 ナディアもまた心が折れそうになりながらも、彼らを鼓舞し続けた。





「けしてあきらめないで。きっと本物のヤシの木は近くにあるはずよ!


 私たちは蜃気楼に惑わされているだけだから……」





  彼女の言葉に励まされながら、一行は再び足を進める。





 しかし蜃気楼が彼らの心と視界を惑わす限り、真の救いを見つけることは容易ではなかった。





  彼らの旅は絶え間ない挑戦と試練の連続だったが、彼らの絆と信念が彼らを導く道を示してくれることを願うばかりだった。





  やがて夜になると一行は砂漠の真ん中でビバークすることを決める。






 するとぼんやり地平線の彼方から近づく光に気づいた。





 その光が徐々にこちらへと近づくと、ラクダに乗ったストレンジャーが現れた。





  彼は風変わりな衣装をまとい、不思議な雰囲気を漂わせながら一行に近づいてきた。




 彼のラクダには貴重な物資が積まれており、彼は一行と共にビバークすることに同意した。





  火を囲んで皆が集まると、ストレンジャーは明るく笑顔を見せながら、彼の持ち物から美味しそうな食材を取り出し、バーベキューの準備が始まる。





「砂漠の夜は冷えるから、温かい食事が必要だ。」




 彼はそう言いながら、皆に食べ物を配る。




  一行は彼の親切に感謝し、ビバークの中で楽しいひとときを過ごしたのだった。




 彼の話術はとても面白く、冒険譚や砂漠の伝説を語り、一行の心をほっこりと温かくした。




 夜が更けるにつれて、一行はストレンジャーとの出会いを思い出しながら眠りについた。





 彼の意外な登場は彼らの旅に新たな希望とエネルギーを与え、明日への挑戦をより前向きに捉えることができたのだった。





ーー☆☆ーー



翌朝、一行が目を覚ますと、ストレンジャーは既に姿を消していた。





 彼の存在はまるで夢のように感じられたが、彼らは彼が残していた砂漠のマップを発見した。




  妖精たちは興奮しながらそのマップを見つめ、行先を議論し始めた。





「このマップには何かヒントが隠されているかもしれないわ。」





 一人の妖精が言う。





「でも、どこに向かうべきか、どの道が正しいのかは分からない……」





 別の妖精が悩んで言った。 ナディアは静かにマップを眺めながら、考え込んでいた。




 彼女は何か重要な情報が隠されているような気がしていた。





「もしかしたら、私たち自身の直感や経験を頼りに進むしかないかもしれないわね。」





 ナディアが提案すると 一行は議論を重ねながら、マップに示された方角に進むことを決意した。





 一行の目的地はまだ見えていなかったが、彼らの頑な結束と決意によって次の冒険への道を切り拓くことができるのだろうかーーーー







///to be continued!!!☆☆☆


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