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第50章

ナディアは図書室でいつものようにパリピメロン家の秘密についての調査に没頭している。






 そして普段近寄らない古い文献の仕舞われている書庫にたどり着くと、床面のその部分だけがきしむのが気にかかる。






 ふと足もとをランプで照らすと、床面が四角く区切られており、そこだけが軋んでいた。







 もしかして、とナディアにこの部分が蓋のように見え、開こうとするものの、やはりただ軋むだけでびくともしない。






 そこで執事シュミットを呼びつけた。





「シュミット、ここはもしかしたら何かの入り口の扉なのかもしれません。


 何とか開けてもらうわけにはいかないかしら?」







 するとシュミットが小声で呟く。





「あのう、ナディアお嬢様。それはおよしになったほうが宜しいかと……」






「へ?何故なのです!だってこの床面の四角い部分は開くはずじゃないの。」





「あのう、お言葉ですがお嬢様。そんなにどうしてこの蓋を開きたいと仰られるのでしょうか?


 きっと埃だらけでネズミの巣に成っているのが関の山でしょう。ですから諦めて下さい。」






 するとナディアは何かしらパリピメロン家の血筋によって駆り立てられているような感が働いていることを執事に告げます。





 すると執事が、ナディアの母親メアリー皇后が昔、ダイアリーの中の世界に引きこもる前に、今と同じような出来事があった事を知らされるのでした。









ーーーー☆☆☆


シュミットは少したじろぎながらも、ナディアの母親であるメアリー皇后についての出来事を思い出しました。






 彼は静かに言いました。






「お嬢様、メアリー皇后が若い頃、同じような状況に遭遇されました。


 彼女も、家の古い書庫で謎めいた扉を見つけました。


 しかし、開けようとすることはおやめになったほうがいいのです。


 その扉が隠す秘密は、まさに家族の運命そのものにかかわるものかもしれません。」






するとナディアが言います。





「私にはわかるの、お母様が私に「そこを開けなさい。」と言っているのが。そうすればダイアリーの中の世界の謎が解明されるという意味において言っているのが判るのよ。」







ナディアが執拗に扉を開こうとすると、突然床面がゆっくりと開き始めました。






 するとどうしたわけか、真っ暗闇の中へとナディアとシュミットが吸い込まれ、その扉は静かに閉じられました。






 彼らは周りが何も見えない闇の中で身を寄せ合いながら進んでいきました。






 しばらく歩いた後、彼らの前方にほのかな光が見えました。






 光が近づくにつれて、彼らは不思議な景色の中にいることに気づきました。






 そこはまるで別世界のようでした。広大な庭園が広がり、奇妙なカラーリングや形状の建造物がそびえ立ち、謎めいた空気が漂っていました。






ナディアは興奮して言いました。





「これが、ダイアリーの中の世界なのね!母様が導いてくれたのです!」





 しかし彼女の言葉はまだ広がる場所の不思議さと、彼女らが身を置いた危険な状況に対して無力であることを理解することができていませんでした。





するとその奇妙な建物の一つから真っ白な長い釣りヒゲの人の良さそうなお祖父さんが現れた。





「メアリー、お前一体こんなところで何をしているのじゃ!」






 ナディアは突然母親の名前で呼ばれたことに動揺する。






 確か母親は若い頃、よく私の顔を見るたびに自分そっくりだと口癖のように言っていた。だからこのお祖父さんも母親と間違えたのであろう。






 すると執事シュミットが親しげに微笑みながらそのお祖父さんに近づく。






「お久しぶりてす、マウリシオ殿。ほら、私ですよ、パリピメロン家の執事シュミットでございます!


 勿論私がこんなにも老け込んでいることにさぞかし驚かれた事でしょう。」








ー☆ーー☆☆ー


 するとマウリシオ爺さんが中々信じようとせず、とりあえず込み入った話を聞くために、自分の居城であるパープルカラーの奇妙な宮殿の中に招き入れ奇妙な料理でもてなすのでしたーーーー





マウリシオ爺さんは少し戸惑いながらも、シュミットの言葉を信じることにしました。






「まさか、シュミットか!お前がこんなところに現れるとはな。」






彼はナディアに向かって親しげに微笑みながら言いました。






「そして、お嬢ちゃんもな。メアリーがこんなところに連れて来るとは、相変わらず奇抜なことばかりするな。


 まぁ、とにかく中に入って来い。おじいちゃんの居城でゆっくりくつろいでいくがいい。」





そこでは奇妙な宮殿の中に、パープルカラーの壁と妙な形状の家具があった。





 マウリシオ爺さんはナディアとシュミットにさまざまな料理を提供し、彼らは興味津々で食事を楽しんでいました。






 ナディアは興奮しながら言いました。






「この場所は本当に不思議ですね!どんな秘密が隠されているのでしょうか?」






しかしまだこの不思議な世界が彼らに何をもたらすのか、誰もが分からないままでしたーーーー







ーーー☆☆☆ー


マウリシオ爺さんは奇妙な料理の作り方や素材について説明し始めました。






 彼は不思議な植物や動物から採取される特殊な成分を使用し、それらを独自の方法で調理することで奇抜な料理を作り出していました。





ナディアとシュミットは興味津々で料理の説明を聞いていましたが、徐々に彼らの食欲が失われていくのを感じました。





 料理の説明が進むにつれて、その料理の背後にある奇妙な素材や調理法が彼らにとってどんどん不快に思えてきました。





 ナディアは口を閉ざし、シュミットも顔色を悪くしながら料理を食べることを拒否しました。






 マウリシオ爺さんは驚いた表情を浮かべながら彼らの様子を見つめました。






 「何か問題でもあるかね、お二人?」





 マウリシオ爺さんが尋ねると、ナディアは固く頭を振りました。






「いえ、大丈夫です。ただ、私たちは今は食事をする気分ではないようです。」






シュミットも同意したことで、マウリシオ爺さんは驚きと少しの失望の表情を浮かべながら彼らを見送りました。






彼らが食事を拒否した後、ナディアとシュミットはますますこの不思議な世界で何が起こっているのかを知りたくなりました。








ーーーー☆☆☆


するとマウリシオ爺さんは深いため息をついて、ナディアとシュミットに向かって話し始めました。






「ああ、メアリー皇后が若い頃のことを思い出すとな。彼女もこの世界に来た時に、同じように料理に驚きを感じていたな。」





彼は続けました。





「彼女も最初は不思議な料理を試みたが、そのうちにこの世界の真の本質を理解することになった。


 彼女は自分の母親からこの世界の秘密を受け継ぎ、それが彼女の運命と結びついていることを知った。」





ナディアとシュミットは興味津々でマウリシオ爺さんの話を聞いていました。





 彼らはメアリー皇后の若き日の冒険についての情報を求めていました。





「そして、メアリー皇后はこの世界で何を見つけたのか?」





 ナディアが尋ねると、マウリシオ爺さんは微笑んで答えました。





「それは彼女自身の心の中にある答えを見つけることだった。この世界は我々にさまざまな試練を与えるが、真実は常に自らの内にあるのだ。」





ナディアとシュミットは深くうなずき、彼らは今後の冒険に備え心の中にある真実を探求することを決意し始めるのでしたーーーー








///to be continued!!!☆☆☆


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