第49章
皇后メアリーの魔法手配によってこちらの世界に帰ってきたヒッポ君は、ナディアに別れを告げオレガド王国を後にする事になりました。
目指すは、ヒッポ君の故郷であるカロリナアイランドへと、ナディアの所有する大型帆船で航海に出るのであったーーーー
船のクルーが駆け寄ってくると、ヒッポ君にナディアからの言付けを告げ始める。
「先程ナディア様から電報が入りまして……
ターシャ様のお母様でありますメチル女王がダイアリーの中の世界を旅しているターシャ様の様子を知りたいので、寄港しているセルリアンアイランドに来てほしいとのことです。」
やがてヒッポ君はセルリアンアイランドに到着しました。
メチル女王と再会すると、喜びに満ちた笑顔で思わず抱き合います。
ヒッポ君:「メチル女王さま、お久しぶりです!先程ナディア様からの伝言を受け取りました。ターシャ様の様子を知りたいとのことでしたね?」
メチル女王:「ヒッポ君、ありがとう。私は朝から晩までターシャの安否を心配しているの。
彼女がダイアリーの中の世界を旅をしているあいだ中、心配で眠れない日々が続いています。
あなたの励みになる言葉には本当に感謝致しておりますわ。」
ヒッポ君との再会パーティーは地元で捕れるカジキマグロの料理の数々でもてなされました。
その最中にも、娘ターシャの事を早く聞きたいと落ち着かない様子のメチル女王。
ヒッポ君がダイアリーの中の世界を旅しているターシャの安否について切り出しますーーーー
ーー☆☆☆ーー
メチル女王は心配そうな表情でヒッポ君に近づきます。
メチル女王:「ヒッポ君、お願いがあるのですが…ターシャの安否についてもう少し詳しく教えていただけますか?」
ヒッポ君は深くうなずきます。
ヒッポ君:「はい、メチル女王陛下。ターシャ様は元気です。実は、彼女は魔法使いのメアリーお祖母様から魔法のトレーニングを受けています。」
メチル女王の顔に安堵の表情が広がります。
メチル女王:「それは素晴らしいことですね。ターシャがメアリーお祖母様と共に学んでいると聞いて安心しました。」
メチル女王は心からほっとした様子で娘の安全を知ることができて嬉しそうです。
ヒッポ君:「はい、メチル女王陛下。ターシャ様はメアリーお祖母様と共に、魔法の力を身に付けているようです。」
ターシャの無事を確認できた事で、パーティーの雰囲気も一層明るくなり、メチル女王は安心してパーティーを楽しむことができました。
ー☆☆ーーー☆
明くる日はメチル女王と共にセルリアンアイランド周辺の漁場でカジキマグロを釣る事にします。
早朝、ヒッポ君とメチル女王は船を出し、セルリアンアイランド周辺の漁場でカジキマグロを釣るために準備をします。
ヒッポ君:「メチル女王陛下、今日は絶好の釣り日和ですね!」
メチル女王:「そうですね、ヒッポ君。海の風と潮の香りを感じると、心が落ち着きます。」
船は漁場に到着し、ヒッポ君とメチル女王は船尾に立つと早速カジキマグロを狙います。
海の静けさの中で二人は心地よい沈黙を楽しみながら待ちます。
すると突然、メチル女王の釣り竿が引っ張られます!
メチル女王:「やった!何か大物が掛かったようです!」
ヒッポ君も興奮し、手際よく手伝いながら、メチル女王の力強い姿を見守ります。
そして力強い引きを感じながら、二人は協力して大物を引き上げます。
やがて船に大きなカジキマグロが上がってきました!
メチル女王:「素晴らしい!見てください、これが立派なカジキマグロです!」
ヒッポ君も笑顔で応えます。
ヒッポ君:「本当にすごいですね、メチル女王陛下!」
二人は大喜びで魚体の写真を撮り、そのあと船に乗せて帰りに向かいます。
帰り道、メチル女王は感謝の言葉を口にします。
メチル女王:「ヒッポ君、今日は本当に楽しい時間をありがとう。このカジキマグロを使って、明日のディナーパーティーで素晴らしい料理を作りましょう。」
ヒッポ君:「喜んで、メチル女王陛下。楽しみにしています!」
そしてメチル女王とヒッポ君は大漁を祝って、明日のディナーパーティーに向けて船を帰港させます。
ーーー☆☆☆ー
パーティー会場のバルでは、メチル女王とヒッポ君はカジキマグロの料理を楽しんでいます。
すると突然、バルの入り口からシャーマンのジュズッピが現れます。
彼は不思議そうな表情を浮かべながら、メチル女王とヒッポ君に近づいてきます。
ジュズッピ:「こんにちは、メチル女王陛下、ヒッポ君。お会いできて嬉しいです。」
メチル女王:「ジュズッピさん、久しぶりですね。どうしてここにいるのですか?」
ジュズッピ:「実は、ダイアリーの中の世界を旅していたつもりが、どういうわけかここにいるようです。でも、そのおかげで新しい魔法を見つけました!」
メチル女王とヒッポ君は興味津々でジュズッピの話を聞きます。
ジュズッピ:「その魔法とは、ダイアリーの中の世界に居るターシャと、なんと魔法で会話ができる方法を編み出したことなのです!」
メチル女王は驚きの表情を浮かべます。
メチル女王:「本当ですか?それは素晴らしいことですね。」
ジュズッピ:「はい、では早速試してみましょう!」
ジュズッピは手に魔法の杖を持ちながら静かにターシャの名前を唱えます。
するとジュズッピの手のひらに微かな光が輝き出したかと思うや、なんとターシャの声が聞こえてきますーーーー
ターシャ:「お母さまなの?そしてヒッポ君、ご無沙汰してます!」
メチル女王は驚きと喜びの歓声を上げます!
メチル女王:「まぁターシャ、元気そうで何よりです!」
ターシャ:「はい、今はお祖母様と一緒に魔法のトレーニングをしています。とても楽しいですわ!」
メチル女王とターシャは魔法で会話し、感動の再会の瞬間を共有します。
ーー☆☆☆ーー
しかしその後、何故かジュズッピは少し照れくさそうにしてから、メチル女王とヒッポ君に向かって話し始めます。
ジュズッピ:「実は…私は皇后メアリーによって、魔法手配でこの世界から追放されたのです。」
メチル女王とヒッポ君は驚きの表情を浮かべます。
メチル女王:「そんなことが…?」
ジュズッピ:「はい、メアリー皇后は私の魔法の使い方に不満を持ち、私を追放する決断を下したようです。」
ヒッポ君:「それは大変なことですね。でも、どうして皇后メアリーがそんな決断を下したのでしょう?」
ジュズッピは深いため息をつきます。
ジュズッピ:「私はメアリー皇后の期待に応えることができず、彼女の意向に反してしまったのです。」
メチル女王はジュズッピの言葉に同情の目を向けます。
メチル女王:「それは大変な状況ですね。でもここにいることができて良かったです。」
ジュズッピは少し救われた表情を浮かべます。
ジュズッピ:「はい、こちらの世界でも新たな経験を積み、自分を見つめ直す機会を得ることができました。
皇后メアリーの決断も、私にとっては必要なことだったのかもしれません。」
メチル女王とヒッポ君はジュズッピの言葉に深く頷きます。
そし彼の過去の経験を尊重しつつ、新たな未来を共に歩むことを誓います。
パーティー会場も架橋に入るといよいよ活気に溢れてきたところで、シャーマンのジュズッピから出し物としてダイアリーの中の世界の様子を祈祷によりバルの天井に映し出すという芸を披露することになりました。
一同はことの成り行きを見つめています。
するとどうなることでしょうか、娘ターシャと皇后メアリーが何やら言い争うような場面が映し出されたではありませんか!
ジュズッピは皇后メアリーとターシャの言い争いの場面をバルの天井に映し出す祈祷を行い、会場は興奮と緊張に包まれます。
しかしその映像には予想外の場面が映し出されました。
メチル女王:「何が起きているの?!」
彼女の声は怒りに満ちており、ジュズッピも戸惑いながらも祈祷を止めることができません。
メチル女王は激怒し、ジュズッピに対して自分をダイアリーの中の世界に送り込むように要求します。
メチル女王:「ジュズッピ、私をあの場所へ連れて行ってください!」
しかしジュズッピは深く嘆息し、メチル女王の要求を拒絶します。
ジュズッピ:「申し訳ありませんが、私はそのようなことはできません。魔法の力には制約があります。」
メチル女王は激しく怒り、ジュズッピに対して駄々をこね始めます。
メチル女王:「どうしても私は行かなければならない!私の娘があのような状況に置かれているのを放置できないのです!」
しかしジュズッピは自分の能力に限界があることを理解しており、メチル女王の要求には応じることができません。
メチル女王は激しい憤りを抱えながらも、ジュズッピの言葉を受け入れざるを得ません。
その後メチル女王は深いため息をつき、落ち着きを取り戻しながら、パーティーを続けることにします。
ーー☆☆ーー☆
明くる日、もう一人の娘であるベルリーナがダイアリーNo.0444を持って現れると、その内容によると、近い将来にベルリーナもダイアリーの中の世界に引き込まれると描かれている事を母親であるメチル女王に相談しに来ました。
ベルリーナがダイアリーNo.0444を持って現れ、メチル女王に相談しに来た場面では、会場の雰囲気が一変します。
メチル女王は驚きと心配の表情でベルリーナを迎えます。
メチル女王:「ベルリーナ、どうしたの?なぜそんな表情をしているの?」
ベルリーナは恐る恐るダイアリーの内容をメチル女王に伝えます。
ベルリーナ:「母上、このダイアリーには私の将来に関する予知が書かれているようです。
近い将来、私もダイアリーの中の世界に引き込まれるということです。」
メチル女王は驚きと心配の表情を隠せません。
メチル女王:「本当に?それは心配なことだわ。」
ベルリーナ:「はい、そうです。だからこそ、母上に相談しに来たのです。私はどうしたらいいのか…」
メチル女王はしばし考え込みますが、すぐに決断します。
メチル女王:「ベルリーナ、心配しないで。私たちは一緒にこの問題を乗り越えます。私たちの力を合わせて、あなたの将来を守ります。」
ベルリーナは母親の言葉に安心し、感謝の気持ちで涙を流します。
ベルリーナ:「母上、ありがとうございます。」
メチル女王はベルリーナを優しく抱きしめます。
メチル女王:「一緒になれば、きっと何とかなるわ。私たちは家族だもの。」
そして、母と娘は困難な未来に立ち向かうために団結し、力を合わせることを誓いますーーーー
ーーー☆☆ー☆☆
しかしどうしたわけかベルリーナはみるみる足もとから始まって全身が消滅し始めましたーーーー
メチル女王はベルリーナの消滅に驚愕し、悲しみに暮れます。
しかしその時、ジュズッピが再び天井にダイアリーの中の世界を映し出します。
映し出された映像には、ターシャとベルリーナが再び笑顔で仲良くアールグレイを飲んでいる姿が映し出されます。
メチル女王の心はほんのりと明るくなり、安堵の表情が浮かびます。
メチル女王:「ターシャ、そしてベルリーナ、無事にそちらの世界へ戻ってきたのね…」
彼女の声には喜びと感謝の気持ちが込められています。
ジュズッピも微笑みながら、ダイアリーの中の世界からの映像を見つめます。
ジュズッピ:「彼女たちは無事に戻ってきたようですね。」
メチル女王はジュズッピに感謝の眼差しを送ります。
メチル女王:「ジュズッピ、あなたの魔法の力に感謝します。私の娘たちを安全に連れ戻してくれてありがとう。」
ジュズッピも謙虚な態度で頭を下げます。
ジュズッピ:「私の力は限られていますが、家族の安全を守るために全力を尽くしました。」
メチル女王はしばしの間、娘たちの安全を喜び、その後、会場の活気に満ちた雰囲気に身を委ねます。
彼女の心はなんとも幸福で希望に満ち溢れ、これからの未来に向けて前向きな気持ちを抱き始めるのでしたーーーー
///to be continued!!!☆☆☆




