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第47章

ケセラはザマンサから最近意地悪な態度で当たられているような気がしてならなかった。




ケセラはそれにピンときた様子でザマンサに謝りに行くのでしたーーーー







ーーー☆☆ー



 当初ケセラもザマンサの態度に驚きながらも、ザマンサがオマール海老を皇后メアリーから受け取ったことに、何かしらの関係があるのではないかと考えていました。






 その晩、ケセラは皇后メアリーに会いに行き、ザマンサの態度の背後に何かがあるのかを尋ねました。






 最初は皇后メアリーも驚きましたが、ケセラに事実を明かしましたーーーー






 ザマンサは最近ストレスが溜まっており、そのストレスを発散するために、ついケセラに当たってしまっていたのではないか、というのです。






 ケセラはそれを理解すると、ザマンサに対する気持ちを改めて話し、2人の関係は一旦改善されました。






ケセラ:「ハンクス、最近なんかザマンサさんがちょっと意地悪なんだよね。」







ハンクス:「へえ、ウチのママが……そうなんだ。で、何かあったの?」






ケセラ:「そうなんだよ。先日、ザマンサさんだけが、オマール海老をたくさん御馳走してもらっちゃって、それって彼女ばっかしなんか変じゃない?って思ってたの。」





ハンクス:「オマール海老?それって、おばあ様からのプレゼント御馳走の?」





ケセラ:「そうそう、それ。」






ハンクス:「なんか、気になるね。」





ケセラ:「だよね。もしかしたら、ザマンサさんが何か悩みがあって、それでイライラしてるんじゃないかって思ったんだ。」






ハンクス:「それって、なんかわかる気がする。」





ケセラ:「そうだよね。じゃあ、ザマンサさんに謝りに行こうかな。」





ハンクス:「いいアイデアだね。きっと話ができれば、何か彼女の気持ちがわかるかもしれないしぃ。」








ーーー☆☆☆ー


その頃、ザマンサは大量に食したオマール海老により、甲殻アレルギーが発症してしまったのでした。






ケセラ:「ヒッポ君、ザマンサさんが、何だかオマール海老のアレルギー反応とかで具合が悪いって聞いたよ。」





ヒッポ君:「そうなんだ、大変だね。じゃあ、ケーキを持っていこうか。」





ケセラ:「いいアイデアだね。」





ケセラとヒッポ君がザマンサの家に到着する。





ケセラ:「ザマンサさん、お元気ですか?」





ザマンサ:「ああ、ケセラ。そんなに心配しなくてもいいわ。」





ヒッポ君:「ケーキを持ってきましたよ。」




ザマンサ:「ケーキ?私は今オマール海老のアレルギーで苦しんでいるんだっていうのに、どうしてそんなものを持ってくるの?」






ケセラ:「え、でも、オマール海老のアレルギーなんて初めて聞いたよ。」







ザマンサ:「そんなことアンタ達に言われなくてもいいわよ、私のことなんて誰も気にしないんだからさ。もう、ほっといて頂戴!」






ケセラ:「ザマンサさん、そんなことないを。私たちはこうやって心配しているんだしぃ、助けたいとか思ってはいるのよ。」






ザマンサはしばらく黙って考え込むのでした。






ザマンサ:「私ったら…ごめんなさいね、ちょっとイライラしているだけだから…ありがとうね、ケセラ。ありがとう、ヒッポ君。」





ザマンサは泣きながら二人を抱きしめる。




ヒッポ君:「大丈夫だよ、ザマンサさん。いつでも頼ってね。」






ケセラ:「そうよ、此処は一緒に乗り越えましょう。」








ーーー☆☆ー



ケセラ:「ザマンサさん、ケーキを持ってきたけど…私からのささやかな気持ちよ。」






 渡されたケーキをザマンサは皆に振る舞います。すると……






ザマンサ:「へ?、何よこれ?」






ヒッポ君:「あれれ、ご、ごめんなさい……もしやお口に合いませんでしたか?


 でも、このケーキは話題の有名店の人気商品でして、なんとオマール海老のエキスがタップリ入っているそうなんですぅ!」






ザマンサ:「え、何でそんなことするのよ!私がアレルギーだって言ってたのに!」






ケセラ:「ほ、本当にごめんなさい、気をつけていなくて…」






ザマンサ:「もういいわよ!アンタ達、二度とここに来ないで、いいねっ!」






 ザマンサは何故か怒って部屋を飛び出していきました。





ヒッポ君:「やっぱり、怒らせちゃったかな…悪気はなかったのに。」






ケセラ:「でも、あんなこと言わなくても……彼女の気持ちもわかるけどね。」 






ヒッポ君:「うん、でも、これでザマンサさんがますます不機嫌になっちゃうかも…」






ケセラ:「じゃあ、何かできることはないかな…?」








ーー☆☆☆ーー



 数日後、ザマンサは仲直りのチャンスとして、二人にあるミッションの書かれた手紙を送りました。





 それというのも、皇后メアリーからの司令である、ケセラとヒッポ君の関係を終わらせるために、ヒッポ君をこの「呪い魔法のダイアリー」の世界から追放するためのミッションを言い渡したのでした。






ーーー☆☆ー


 手紙を受け取った二人が再びザマンサの御見舞に訪れますーーーー





ザマンサ:「これこれそこの二人や、今日から私に仕える身として、あなたたちにミッションを与えようではありませんか。これも皇后メアリーからの命令でもあるのですがね。」





ケセラ:「ミッションって?何のことだろう?」





ザマンサ:「そのミッションとは……この『呪い魔法のダイアリー』の世界からヒッポ君を追放することだよ。


 皇后メアリーからのご意向だ。」







ヒッポ君:「え、オレ?オレが何した?一体なんてこった…」






ケセラ:「でも、なんでヒッポ君だけなのかしら?」






ザマンサ:「それはね、アンタとの関係を終わらせるためなの。フフッ!」





ヒッポ君:「ううむ…わかったよ。じゃケセラ、これで僕らの冒険も終わりのようだな……」





ケセラ:「ヒッポ君…」





ヒッポ君:「ケセラ、君はすごい、どう考えても立派な冒険者だ。


 君とのお別れは寂しいが、でも僕はここで君とのダイアリーの謎を解き明かす冒険を終えることを選ぶよ。」





ケセラ:「でも私、ヒッポ君がいなくなったら困る…」





ヒッポ君:「君は一人でも十分に立派な冒険者だ。私は自分の道を歩む。さようなら、ケセラ。」





 ヒッポ君は深々と頭を下げ、去っていくのでした。





ケセラ:「ヒッポ君… 楽しい想い出をありがとう、きっといつかまた会おうね、ヒッポ君。」








ーーーー☆☆☆


しかしヒッポ君にはこのダイアリーの世界から出てゆく方法が見当たりませんでした。





 そこで魔法使いでもある皇后メアリーに相談すると、彼女の采配で追放す





ケセラ:「皇后メアリー、ヒッポ君がこの世界から出る方法を知っていますか?」





皇后メアリー:「ヒッポ君がこの世界から出る方法… それは簡単だ。私が魔法の力を使って追放すればいいのだ。」





ケセラ:「本当ですか?」





皇后メアリー:「もちろん。私はこの世界の法を司る者だ。ヒッポ君、私の力によってここから解放してあげよう。」





 皇后メアリーが手を振ると、上空に曼荼羅のような魔方陣が出現し始めます。






 メアリーは同時に魔法の呪文を唱え始めるのでした。






ヒッポ君:「ありがとうございます、皇后メアリー様。」






するとあたり一面の空間が歪み、ヒッポ君が徐々に姿を消していく。






皇后メアリー:「行ってらっしゃい、ヒッポ君。新しい冒険が、きっと君を待っているはずよ。」





ケセラ:「ヒッポ君…」





皇后メアリー:「彼は偉大な冒険者だったわ。ケセラ、貴女もまた、彼に負けないくらいの偉大な冒険者になることでしょう。期待してますよ!」






ケセラ:「はい、メアリーお祖母様。私もさらなる冒険に向かいます。」





 ケセラは新たな冒険の旅に出るためにも、もう一度自分の今居る世界を見つめなおすのでしたーーーー







ーーー☆☆☆ー


皇后メアリーの魔法手配によりヒッポ君は久々に元の世界へと戻りました。








 戻った場所は、どういうわけか、何と事もあろうにナディアの宮殿の芝生の上だったのですーーーー





 ナディアはあまりの突然の事で動揺しましたが、ダイアリーの世界で娘ケセラが無事であることを聞くのでしたーーーー




ヒッポ君:「ナディアさん、お久しぶりですね。」





ナディア:「え、アナタはもしやヒッポ君なの?一体どうしてここに…」





ヒッポ君:「皇后メアリーの手配で、ダイアリーの世界から只今戻って参りましたーーーー」





ナディア:「本当に?それは驚きです。」





ヒッポ君:「皇后メアリー様の魔法のおかげで、無事に戻れました。」






ナディア:「それは良かった。でも、アナタはなぜ私の家に来たのかしら…?」






ヒッポ君:「それは私にもわかりません…… ダイアリーの中の世界にいる間は、いつもケセラさんと共に無事に行動せていました。」





ナディア:「え、それ本当?」





ヒッポ君:「はい。彼女はダイアリーの中の世界でも変わらず元気にやっています。」





ナディア:「そうですか。それなら安心しました。ありがとう、ヒッポ君。」





ヒッポ君:「どういたしまして。でも、僕はそろそろ次の旅に向かわなければなりません。」





ナディア:「そうですわね。でも、また戻ってきてくださいよね。」





ヒッポ君:「きっと戻ってきます。さようなら、ナディアさん。」





ナディア:「さようなら、ヒッポ君。幸運を祈っています。」









ーーー☆☆ー



 実はもう一つ、ヒッポ君は、皇后メアリーからあるミッションを依頼されていました。





 というのも、ナディアにあるものを届けて欲しいということでした。






 それをナディアの部屋に置いてきてくるようにと言われたので、この家を後にする直前に、ポケットから預かったプレゼントを取り出すや、ナディアにそっと手渡すのでしたーーーー





 ヒッポ君:「ナディアさん、最後にひとつお願いがあります。」





ナディア:「なんですか?」





ヒッポ君:「皇后メアリー様から、あるものをナディア様に届けて欲しいという依頼がありまして。」





ナディア:「そう、何かしら?」





ヒッポ君:「はい。こちらがその品です。」





ヒッポ君はポケットから取り出した小さなフラミンゴのぬいぐるみをナディアに差し出す。





ナディア:「ありがとうございます。しかし、これには何の意味があるのですかね?」





ヒッポ君:「それは…後で開けてみてください。意味は私にも分かりません。とりあえず皇后メアリー様からの贈り物です。」





ナディア:「わかりました。ありがとう、ヒッポ君。」





ヒッポ君:「それでは、私はこれで失礼します。」





ナディア:「さようなら、ヒッポ君。」





 ヒッポ君は部屋を出ると、パリピメロン家の馬車に揺られて、ナディアの家を後にするのでしたーーーー








///to be continued!!!☆☆☆




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