第45章
来る日も来る日も図書室に籠もりっきりでパリピメロン家の伝記の解読に当たるナディアは疲れていた。
特に今朝の目覚めは重い。
夕べの食事の後に失踪したひとり娘のケセラのことが気がかりでならなかった。
元々引きこもりの性分だったケセラだが、特にこの頃は警戒心が過敏であったから、こうなることは危惧していたのだったが、やはり親心としては心配であった。
ジェノべが滞在してからパリピメロン家の調査にあたっている環境の変化も原因であろう。
そして彼と執事シュミットがパリピメロン家のパンドラの小箱を開けるように、過去に封印されている呪い魔法がさらけ出されはしないかと、ナディアも不安の極みであった。
すると執事シュミットがアールグレイを入れて現れる。
「おはようございます、ナディア様。
夕べも遅くまで図書室の明かりが灯っておりましたがお目覚めは如何でしょうか?」
「ええ、あまり調子は良くないわね。歳のせいでしょう、きっと。」
ナディアはそう強がっては見たものの、先程の不安材料から重い表情をぶら下げたままなのはシュミットにも見て取れた。
ナディアが続ける。
「ところでジェノべの調査は順調なのかしら?アナタいつも一緒に居るからどこまで進んだかご存知よね?」
するとシュミットはニヤリと微笑むと、微笑みながら説明をする。
「ジェノべの調査は順調です。彼は『呪い魔法のダイアリー』の住民として、皇后様がパリピメロン家の秘密を握っている可能性を探っています。
ケセラもその事を知ってしまったため、もしかしたら彼女はその世界へのダイブを試みたのかもしれませんね。」
ナディアは心配そうに眉を寄せた。
「そうかもしれないわね。
でも、その世界では危険な思いも多々経験するかもしれないわ……
早いうちにケセラを見つけ出さなくてはならない。」
シュミットは真剣な表情でうなずきながら、言葉を続けた。
「確かに、その世界には多くの危険が潜んでいます。しかし、私たちは全力で彼女を探します。
ジェノべも、皇后様の秘密を解き明かすことで、この家族の運命を変えるかもしれないと信じています。」
ナディアは深いため息をつきながら、決意を込めて言った。
「わかったわ。私たちはケセラを見つけ出し、パリピメロン家の謎を解き明かす必要があるのよ。そのためにも何が必要なのか、ジェノべに協力してもらわなくては。」
シュミットは頷きながら、ナディアの決意に応えた。
「その通りです。私たちは力を合わせて、ケセラを無事に帰還させるために尽力します。
そしてパリピメロン家の謎を解き明かすのです。」
ナディアが朝食の席に着くと、既にジェノべが朝食を済ませてコーヒーを嗜んでいた。
するとジェノべがナディアの探るような眼差しに気づく。
「ナディア様、さぞかしケセラさんの居所についてご心配でしょう。
しかし大丈夫ですよ。今頃パリピメロン家の血筋であるお祖母様の元で寛いでおられることでしょうから。」
この的を得たようなジェノべの作り話に思わず目を見張る。
「あ、あら、そうなの。皇后様のところなら安心ね。
ところで貴方の調査もこの話の様子だと大分進んだかのように聞こえますが、如何でしょうか?」
するとジェノべが「呪い魔法のダイアリー」にパリピメロン家の祖先であるシャーマンがこの謎に大きな影響力を与えていることを語り始めるのだったーーーー
ーー☆☆☆ーー
ジェノべは微笑みながらナディアに答えた。
「はい、調査は順調に進んでいます。『呪い魔法のダイアリー』には、パリピメロン家の祖先であるシャーマンがこの謎に大きな影響力を持っていることが記されています。
彼は古代の呪術と魔法の知識を持ち、その力で家族の運命を導いてきたようです。」
ナディアは興味深そうに耳を傾けた。
「なるほど、シャーマンの存在が重要なのね。彼の力がいかにしてパリピメロン家の運命に関わっているのか、詳しく教えてもらえる?」
ジェノべは一口コーヒーを飲んでから続けた。
「シャーマンは、古代の魔法の力を使って家族の守りを強化し、同時に謎めいた呪いをもたらした可能性があります。
彼の行動や思想には多くの謎がありますが、その魔法のダイアリーが鍵を握っていると考えられます。
私はそのダイアリーを手に入れることで、シャーマンの真の目的や影響を解き明かすことができると信じています。」
ナディアは真剣な表情でジェノべを見つめた。
「ならば、そのダイアリーを見つけ出すのが次の目標ね。
私たちは一緒に行動し、家族の運命を変えるために努力するわ。」
ジェノべも満足そうに頷きながら、ナディアに向かって微笑んだ。
「はい、私たちは共に行動し、謎を解き明かしていきましょう。そして、パリピメロン家の運命を変えるために、力を合わせるのです。」
///to be continued!!!☆☆☆




