第44章
ケセラは何かしら呪文のようなものを唱えると、再び「呪い魔法のダイアリー」の中の世界に到着しましたーーーー
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ケセラは密かに恋い焦がれるヒッポ君がターシャの猛アタックを受けて相思相愛となっているだろうことを皇后様直系の魔法使いの血筋であることから察知していたのでしたーーーー
ケセラは皆が滞在するシルヴィ島へと再び人魚のコスチュームに戻ると泳ぎ着きます。
「さぁ、早くヒッポ君から略奪しなければ……」
根っからの悪役令嬢ケセラは砂浜を丘の方へ駆け出してゆきました。
すると上空が突如真っ暗闇となるや、いきなり魔法陣が現れ、すごい速さで回転するや、今度は静止して閃光が走ると、その光琳の中から皇后様でケセラのお祖母様が現れ、ケセラを制止するように杖ではばかります。
「ケセラ、やめなさい!此処から先に行ってはいけない……
この先には我が血筋において遺伝的に死をもたらす病が蔓延しています。
下手すると我々に死が訪れることにも成りかねません。
この病には自覚症状がないので、保菌者が普段の生活をしています。
この島の住民に接触してはなりません!」
ケセラはお祖母様の静止を振り切るや、
「私はヒッポ君とどうしても会わなければならないの!お祖母様わかって……」
そう言うや、砂浜を再び駆け出しますが、お祖母様はまたまた杖でケセラを叩き制止します。
「いいかい、ヒッポ君やターシャ達も既に感染しているかも知りません。
あなたはこのダイアリーの中の世界から、元の世界に出てゆきなさい!」
するとお祖母様は杖をケセラに突き出して魔法をかけようとしますが、再び振り切ろうとします。
ケセラ: お祖母様、ご心配いただきありがとうございますが、私はどうしてもヒッポ君と話さなければなりません。
彼が危険にさらされている可能性も理解していますが、彼を守るためにも私には行動を起こさなければなりません。
お祖母様: ケセラ、あなたの気持ちはわかりますが、この病気は深刻です。ヒッポ君も含め、全員が危険にさらされています。
彼に感染してしまった場合、あなたの行動が彼をさらに危険に晒すことになります。
ケセラ: でも、お祖母様、私は彼の安全を守りたいのです。
どうしても私の中から彼を失うことなど考えられません。
私が彼と会って、彼の心を伝えることができれば、きっと彼も一緒にこの病の危機を乗り越える力を見いだせるのかもしれませんから。
お祖母様: ケセラ、あなたのその愛情はとても素晴らしいものです。
しかし感染のリスクを考えると...
突然、砂浜の向こうからヒッポ君の声が聞こえます。
ヒッポ君: ケセラ!お前はここにいるだろうと思った!
僕もずっと君に会いたかったんだ。
でも、おばあちゃんの話を聞いて、僕も不安になったよ。
そう遠巻きにケセラに叫ぶと、
ケセラ: ヒッポ君……ここに来てくれたのですね。
私たちは一緒にこの危機を乗り越えられると信じています。一緒に戦いましょう。
二人はお互いの手を取り合い、未知の困難に立ち向かう決意を新たにするのでしたーーーー。
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するとどうしたことか、ケセラはその場にうずくまるや、気を失ってしまいました。どうやら不幸にも病の感染が始まったようです。
ヒッポ君はケセラを抱き抱え、ようやく一行がビバークしているエリアに到着しました。
シャーマンであるジュズッピはこの様子を察してそそくさとケセラを祈祷する為に薪に火を着けて、やがて祈りが始まりました〜〜〜〜
ヒッポ君が心配してケセラを見つめています。
ヒッポ君: ケセラ、大丈夫?どうしたんだ、気を失っちゃったみたいだよ。
ヒッポ君はケセラを抱きかかえ介抱しているとターシャが近づく。その表情にいつもの笑みは消えていた……
ターシャ: そうなんだ、アンタ達こんなことになってるのね…
と、いきなりヒッポ君の頬を叩くと何処かへと立ち去る。
ジュズッピ: さあ、ケセラをここに寝かせて、祈祷を始めよう。
ジュズッピは更に薪に火をつけ、祈りを捧げる。
ヒッポ君は心配そうにケセラを見つめている。
お祖母様: こんな祈祷なんかじゃ治りゃしないよ。どうやらケセラを助けるための特効薬が必要のようだね。
皆、力を合わせて島の薬草を探そう。
ザマンサ: わかりましたよ、お祖母様。私たちが手分けして探して参ります。
一同は島のあちこちを捜索し始める。
ヒッポ君: (心配そうに)ケセラ、早く良くなってほしいな。
一同が薬草を探し、ケセラを救うために努力する。
しかし薬草はこの島には無かったため、この島の長老から聞き出した話からザマンサの大型帆船で一行は遙か200海里離れたレジェナ島へと旅立つのでしたーーーー
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お祖母様: 薬草がこの島にはないということは…私たちはレジェナ島に行かなければならないようですね。
ザマンサ: 了解しました、お祖母様。私の大型帆船でレジェナ島へ向かいます。
一同がザマンサの帆船に乗り込み、航海が始まる。
ヒッポ君: ケセラ、心配しないで。僕たちが必ず助けてみせるから。
ケセラ: ありがとう、ヒッポ君。私たちが一緒にいる限り、どんな困難でも乗り越えられるわ。
帆船が海を進み、200海里離れたレジェナ島へと向かう。
途中、大波や嵐に見舞われながらも、一同は団結し、ケセラを救うための旅を続ける。
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だがその島には狼人間達が暮らしているという噂から、一行がこっそり夜中に到着して彼らに気づかれぬ間に立ち去るプランを立で始めるのでした。
お祖母様: レジェナ島には昔から、狼人間が暮らしているという噂があるのじや。
そこで我々は夜中に到着し、彼らに気づかれないように立ち去る必要がある。
ザマンサ: 分かりました、それなら夜中に着陸して、静かに行動しましょう。
帆船が夜中にレジェナ島に到着し、一行がこっそりと岸辺に上陸する。
ジュズッピ: 狼人間たちが眠っている間に薬草を探し、急いで戻りましょう。
ヒッポ君: でも、彼らに気づかれないようにしないと…
ケセラ: 大丈夫、私たちは静かに行動すれば大丈夫よ。急ぎましょう。
一行が狼人間たちに気づかれないように、夜の闇を利用して島を探索し始める。
途中、狼人間の気配が感じられるが、一行は冷静に対処し、薬草を探し続ける。
大型帆船がレジェナ島に到着したのを聞きつけたのか、狼人間達が現れ、彼らは一行を幽閉しました。
そして彼らは聞き覚えのない言語で話しかけると、何とシャーマンのジュズッピがスラスラと返答したのでした。
そして何故か、今度は一行が狼人間達に手厚く歓迎されてビュッフェを振る舞われました。
狼人間: (不思議そうに)ウルーマ・ウルーマ・ウルーマ?
ジュズッピ: (驚きながらも)ウルーマ、カネウス。
狼人間たちはジュズッピの言葉に驚き、喜びの声を上げる。
狼人間: カネウス!(歓迎の意味)
狼人間たちは一行を手厚く歓迎し、彼らにビュッフェの御馳走を用意する。
ケセラ: これは驚きだわ…彼らは私たちを歓迎してくれるの?
ヒッポ君: そうみたいだね…でも、なぜジュズッピが彼らの言葉を話せるのか不思議だよ。
ジュズッピ: 彼らの言葉は私の祖先の言葉と似ている。奇妙な巡り合わせだが、私たちは彼らとコミュニケーションが取れるようだ。
一行は驚きながらも、狼人間たちの歓迎を受け、ビュッフェの御馳走を楽しむ。この予期せぬ展開に、彼らの運命はさらに不思議な出来事となっていく。
ケセラが船内で苦しんでいる間、一行は狼人間たちとビュッフェの御馳走を楽しむ。
ジュズッピ: (ビュッフェのスープを飲みながら)このスープ、なんだか特別な香りがするな。
ヒッポ君: そうだね、でも何の味かは分からないな。
ザマンサが突然思いついて、スープの中からピューチャンの薬草を見つける。
ザマンサ: これは…ピューチャンだ!私たちが探していた薬草が入っているわ。
一同が驚きながらも、ケセラにスープを飲ませる。
翌朝のこと…
ケセラ: (元気そうに目を覚ます)おはよう、みんな!私、なんだかすごく元気になったわ。
ヒッポ君: 本当だ!顔色も良さそうだね。
ジュズッピ: このピューチャンの薬草が効いたようだ。良かったね、ケセラ。
一行は喜びの声を上げ、ケセラが回復したことに安堵するのでしたーーーー
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ケセラの恋敵であるターシャが彼女の介抱に夜も寝ずに当たっていたことをヒッポ君から聞いたケセラがターシャを赦し、再び3人は友達関係を継続するのです。
ヒッポ君: ケセラ、実は夜も寝ずにターシャがあなたの介抱に当たっていたんだ。彼女も心配してたんだよ。
ケセラ: 本当?私、知らなかったわ…ターシャがそんなに心配してくれていたなんて。
ケセラは驚きながらも、ターシャへの感謝の気持ちが芽生える。
ケセラ: ターシャ、私はごめん。あなたが私のことを心配していたこと、知らなくてごめんね。ありがとう、本当に。
ターシャ: ケセラ…(感動しながら)当たり前のことだよ。私たちはいつも友達だから。
ターシャとケセラは互いを抱きしめ、再び友情を確かめ合う。ヒッポ君も安堵の表情を見せ、彼らの絆がさらに強まることを感じるのでしたーーーー
///to be continued!!!☆☆☆




