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第4章

その頃アーサーはポロ競技の大会が迫る中、愛馬の白馬で颯爽と練習に励んでいた。


王女はその様子をオペラグラス越しに眺めている。






「あの子、いつの間にあんなに逞しくなったのかしら。寄宿学校の留学ですっかり大人になったものねぇ。

それに比べて貴方は何の進歩もないのねぇベルリーナ。いずれあなたには私の後を次いで王位を授けるのですよ、しっかりなさい!」






アーサーが帰郷してからというもの王女からのベルリーナへの風当たりは強まるばかり。




その上に輪をかけて面白くない事に、ターシャに対してはとても甘やかしている事であった。





 その日から彼女は侍女たちをそそのかしてターシャに八つ当たりを始めるのだった。






 ある時、一人の侍女がターシャの部屋に日記帳を置いた。






 それは王女の部屋からこっそり持ち出したものであった。






 その夜王女から招集がかかる。






 ターシャが集合場所に現れると何故か侍女たちがクスクスと笑いをこらえる様子が気になった。






 隣の席にはベルリーナとアーサーが着席する。早速王女が現れると、いつもよりイライラした様子で皆の前で話し始めた。






「皆さん、私はかねてより日々の出来事を日記に綴って参りました。

 それは私が幼い頃から続けている行事でもありますが、その日記自体が私にとって何物にも代え難いほどの大事なものなのです。


 しかしそれがさき程確認したのですが、私のデスクから忽然と消えてしまったのです。


 貴方がたを疑うつもりはありません。ただ、 ご存じの方がおりましたら、後でこっそりとでも良いので教えてください。」






 王女がそう言い終わるのが先か、ベルリーナが突然手を挙げるや云うのだった。






「私、多分それについて知っています。もし間違いがなければですが、それはターシャの机の上に置かれていました。」






 一同の視線がターシャを射るように見つめる。






 静まり返った会場で、見に覚えのないターシャに日記を持ち出した嫌疑がかかるのだった。






 ターシャの様子を隣で伺っていたアーサーが意見する。






「では私がそれを確認して参りましょう。良いですね、お母様。」






王女の許しを得たアーサーは静かに立ち上がり、ターシャの部屋に向かいました。






 一同の視線は出てゆく彼に注がれると、一気に緊張感が会場に漂います。






 アーサーはターシャの部屋に入り、日記帳を机の上で見つけました。







 彼はそれを持って王女にウインクすると、王女に差し出し、耳元で何かを囁いていました。







王女はアーサーに頷くと、日記帳を手に取り内容を確認しました。







 その後、彼女は驚きの表情を浮かべ静かになりました。







 その静寂が続く中、王女はこう言いました。







「アーサー、これは本当に私の日記です。しかし、なぜターシャの部屋にあったのか、全く理解できません。」






 アーサーは真剣な表情で頷き、王女に言いました。






「お母様、これに関してはもう少し調査が必要かもしれません。私たちは冷静に事実を究明しましょう。」






 その後侍女たちは事態が静まるまで、静かにその場を立ち去りました。






 王女、ベルリーナ、アーサー、そしてターシャは一堂に集まり、この謎を解明するために協力することを決意しました。






 彼らは事件の背後に隠された謎を明らかにし、家族の絆を取り戻すために努力するのでした。













ー☆ー☆ー☆ー




実はこの一件はベルリーナの仕業であり、ターニャに対しての嫉妬心から来ていたのだったーーーー





 侍女が王女の部屋のベッドメイキングに入った際にこっそり持ち出し、ベルリーナがターニャを誘き出したタイミングを見て机の上に置いたものだった。






 しかし勘が鋭いアーサーのことだから、ターニャに対するベルリーナへの嫌がらせと察知しました。






 そこでアーサーは一人で日記を確認し、まるでそこには無かったかのような芝居を演じ、王女の部屋へ戻しました。






アーサーは巧妙な計略に気づきました。静かな場所にベルリーナを連れ出すと、彼女に対して言いました。






「ベルリーナ、君が日記を取ったことなどとっくに知っていましたよ。しかしこれはそんなに悪いことではありません。


 なぜなら我々は家族であり、信頼しあうべきものです。ただし、なぜこれを行ったのかだけは僕だけにこっそり教えてください。」







 ベルリーナは恐ろしい状況に陥ったことで、思わず言葉に詰まりました。アーサーの目はそんな義理の妹に鋭く注がれていました。







「私は…私はただ、王位の後継者としてのプレッシャーに耐えられず、ターニャに嫉妬してしまいました……


 彼女が王位に選ばれるようなことになるのを恐れ、ターニャを陥れるために意地悪で日記を奪ってしまったのです。


 でも今は後悔しています。申し訳ありません、アーサー。」






 アーサーはその言葉に深い理解を示しました。







「ベルリーナ、私たちは皆同じ家族ですよ。競争や嫉妬ではなく、協力と信頼が家族の絆を強くします。


 これからは一緒に素敵な王国を守りましょう。王位に関しては、私たちが決めることではなく、王女の選択を尊重しましょう。」







その後この事が王女の耳に入ると、王家の和解の雰囲気が以前よりも広がりました。






 




///to be continued‼!☆☆☆













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