スキャンダル
深月を行動を縛ることには出来たが、それは
「やあ、光くん。迎えに来たよ」
四六時中、僕は奴に命を狙われてしまうという事に他ならない。
「家を教えた覚えはないんだが」
「そんな固いこと言わないでくれよ。彼女っていうのはお寝坊さんな彼氏を迎えに行くものだろう?」
「寝坊もしてない」
それだけ言って先に進む。てっきりまき姉が来たのだと思っていたのも相まって少々機嫌を損ねた。
「つれないねぇ」
でも
「君のそういうところも、ボクは好きだよ。ふふっ……」
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「おはようございます!深月さん!」
「ふふ、おはよう」
教室に入るなりクラスの女子達が寄って集る。
「………?なんだかいつもより機嫌が良い様に見えますけど、何かありました?」
「ん?そうだね……」
チラリとこちらを見る深月に「余計なことを言うな」という念を込めて睨む。しかし彼女はそれを逆に面白がるように笑うと
「最近彼氏が出来たんだ」
「え?いま、なんと……?」
「彼氏が出来たんだ。生まれて初めて」
「「「えぇ!?」」」
騒然とする教室。その光景に俺は頭を抱えた。
「こいつ、やりやがった……」