1. 倉庫街
冷たい。
皮膚に張り付く感触は固くツルツルしていて、冷たい。
そして、カツンカツンと杖をつくような音が段々と近づいてくる。
まだ、寝ておきたい。
「これが新しく入った新人か。ウサギにタヌキに……ほう。これはこれは、美しい黒毛のウマか。」
「はい、今朝外に倒れていたのを回収しました。この倉庫街に来るようですから目的はだいだい察せますかね。」
「よろしい。配属はD練にしろ。あそこはこの前、3人殉職しているからちょうどよいであろう。」
配属?殉職?
このふたつが関わってくるものとか…。
私はガバッと起き上がった。
確かおっさんに刺されて!
「ほう、このウサギは活きがいいな。本日中には訓練に参加できるだろう。」
声の主は狼、いや狼の尻尾に耳、目つきは鋭く眼光は黄色に光っている。
それ以外は人間だ。
獣人……獣人だ。
「何をじっと見ている。貴様、目をくり抜かれたいか?」
私はそう言われて、目線を落とした時地面の鉄板に倒れている他2名を発見した。
「夏紀!? え、秋も!?」
「知り合いのようだな。脱水による記憶障害もない。よし、カトル、3人を連れて行け、意識がもどり一通り動けそうだと判断すれば訓練だ。我が社の即戦力になれるよう期待しているぞ!」
あとから来たカトルと言う男は片耳と右目を失っている熊人間だ。
狼はまた、杖をついてゆっくりと部屋を出ていった。
この部屋に扉は1枚しかない。
脱出するには、カトルとかいう男をどうにかしなくてわ。
「考えていることはわかる。それはできないと忠告しておこう。大人しくしておけば危害を加えることもない。 では私は彼女を運ぶから、君は残りを頼む。」
カトルは近づいてきて、秋を軽々と持ち上げた。
私は夏紀を担ごうとしたが無理だったため、カトルとかいう男に目で合図をした。
「はぁ。あまり気乗りしないが仕方ない。任せておけ。」
カトルは2人を担いで部屋を後にする。
外に出た私は見たことの無い景色に驚いた。
その街は全て、コンテナでできていた。
様々な色のコンテナが積み重なってひとつの家になっていて、上を見上げると貿易港にありそうな巨大なクレーンがいくつも並び、それまたコンテナを運んでいた。
鉄が摺れるギィィと言う音や、カンカンという甲高い音。
すごく大きな工場内部に入ったような感じがした。
「なに、立ち止まっている。D練は遠いんだ。早く行くぞ。」
カトルは迷路のような通路を早足で抜けていく。
街にいる人間はみんな何かしらの動物の特徴を持っていて、コンテナ毎にいろんな匂いを放っている。
服装は比較的動かしやすい感じでジャージを着ているのが大半だ。
そして彼らの一貫した特徴が
【Engrave】と書かれたパッチワークをつけている事だった。
「ここがD練だ。入れ。」
カトルは錆びた重そうな扉を開け中に侵入していく。
そして私が入った時、
「「ようこそ!悪魔ノ花園へ!!」」
は?




