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旦那ちゃんと嫁ちゃん

旦那ちゃんと嫁ちゃんの攻防~誰がテッシュを使ったのか推理編~

作者: 山本大介

 嫁ちゃんの名探偵ぶりを見よ。


「という訳ですよ」


 嫁ちゃんは、自信満々で言い放つ。


「なっ・・・なにが、ちょっと言ってることがよく分からない」


 視線を逸らす旦那ちゃん。


「だ・か・ら・アナタしこったでしょ」


 問い詰める嫁ちゃん。


「はぁ何を証拠にっ」


「ふふふ、あくまでもシラをきるつもりね・・・わかったわ」


「・・・・・・はは、俺はしこってなんかないもん」


「ピンクのテッシュ」


 嫁ちゃんは旦那ちゃんの核心をつく。


「!」


 固まる旦那ちゃん。


「落ちていたわよ」


 逃げ道を探る旦那ちゃん。


「テッシュなんか、よく落ちてるだろ」


「・・・そうかしら、イカくさい、水分を含んだトイレに流せて証拠隠滅出来るロールティッシュよ」


 嫁ちゃんは、にやりと笑いゆっくりとした口調で言う。


「ああ、ほら俺、昼間コンビニでイカ焼き買って食べたんだ」


 苦し紛れの詭弁を弄する旦那ちゃん。


「ほう、果たしてそれで、ロールティッシュなんか使うかしら、テーブルには普通のティッシュありますよね」


「あわわ」


「さらにお風呂場には、ピンクのテッシュのカス、そしてアナタのおパンツには同じ、テッシュ片がついていました・・・しかも匂いつき!」


 畳みかける嫁ちゃん。


「ぬぬぬ」


「ほほほ。認めなさいよ。ボク、ボク、しこっちゃいましたって」


 圧倒的優位、嫁ちゃん。


「くうううう」


 圧倒的窮地、旦那ちゃん。


「アナタの負けね」


「自分の休日に〇ナって何が悪いんだよっ!」


 ついに開き直った旦那ちゃん。


「悪いなんて一言も言っていませーん。私はただ聞いているだけです」


「アレとオ〇ニーは別物なんだ。個人の趣向だろ」


「だったら」


 ごくりつばを飲み込む旦那ちゃん。。


「バレずにやりなさいよ」


「むむむ」


「嫁にバレるようでは詰めが甘いわね。トイレにテッシュ流してはいオッケイじゃ、通用しないのよ」


「・・・・・・分かった」


「分かればいいのよ・・・で、なにをオカズにしこったの」


 さらに嫁ちゃんの尋問は続く。


「ええーっ」


 マスオさんみたいに逆エビぞりになる旦那ちゃん。


 嫁ちゃんは興が乗り、今日も旦那ちゃんで弄ぶのであった。


「えと、熟女っす」


「ふーん、そなの、ふーん」


 冷めた目の嫁ちゃん。



「でも、なんか、うちが仕事中の間にしこられるのもなあ」


「もうやめれ~」



 こうして旦那ちゃんと嫁ちゃんの攻防は今日も続くのであった。

 8割方は旦那ちゃんの不利な案件なのである。

 しかし、いけっ!旦那ちゃん。

 いつか、嫁ちゃんのマウントポジションを奪い返す日まで。

 って、旦那ちゃんマウントとったことないなあ。



 旦那ちゃんの逆襲はあるのか・・・ないかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[一言]  浮気・不倫でどろどろよりも、ほのぼのでいいかと(笑)
[良い点] 「で、なにをオカズにしこったの」 ぐはあっ、この追い討ち! [気になる点] 一通り読む → 語り口が気になる → ジャンル[推理]を確認 → ホッと一息 → やっぱり気になる → 感想を…
[一言] うん。ほのぼの~  可愛らしい
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