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男爵令嬢の真実

 



 目が覚めたら、前世ハマっていた乙女ゲームのヒロインに転生していた。

 登場人物の顔、名前、風景、全て見覚えがあった。

 まさか、こんなことが本当に起こるなんて!




 ああ、誰を攻略しようかな。

 容姿端麗な登場人物たち。

 私の胸は躍った。




 やっぱりメインヒーローの第一王子かしら?

 でも私の1番の推しは、第二王子なの!

 彼は隠しキャラなので、攻略対象として出すのがなかなか難しい。

 みんなの好感度を上げすぎず、でも下げすぎないように仲良くして……




「って……何であの二人が……」




 視線の先には仲良さそうに話しているリラ・オーウェン公爵令嬢とエドウィン・アルバート第二王子。

 リラは悪役令嬢で、攻略対象の誰とも仲は良くなかったはずだ。むしろ疎まれていた。

 それなのに、どういうこと……?




 結局第二王子に接近することは出来ず、やむを得ず第一王子にルートを絞った。

 そして、卒業パーティーでの婚約破棄。




「『ドキドキ☆スクールライフ』巷でも流行っているみたいだけど頭悪そうなタイトルだよね」




 ……は?

 それは私の世界の乙女ゲームのタイトルのはず。

 同じ名前の本がこの世界にあるということ?




 色々なことに困惑している間に全てが終わっていた。

 何故か攻略対象の第二王子と悪役令嬢がカップリングしてしまったらしい。

 いや、終わったと思ったら頭おかしい令嬢が出て来てアルフレッドはボロカスに言われていた。

 これでは多分アルフレッドルートもバッドエンドだな。

 前世のゲームのバッドエンドとは展開が違うみたいだけれど。






 その後、街の本屋に平積みされていた『ドキドキ☆スクールライフ』を見つけ、今更内容が気になったので購入して家で読んでみた。

 タイトルは同じだが、登場人物の名前が違う。

 そりゃあそうだ。名前まで同じだと、この世界に実在する王子殿下たちの話になってしまう。

 けど、内容は私がプレイしたゲームと同じ。




「うーん、つまり、この世界は乙女ゲームまんまの世界じゃなくて、ただ似たような世界だったってことかなあ」




 婚約破棄の件は、殿下や取り巻きたちが勝手にやったことなのでお叱りは受けなかった。

 けれど、もうあのゲームの登場人物や貴族と関わるのはこりごりだった。

 だから、私は家を出た。何もしてはいないが私は事件の中心人物に近かったため、男爵家は貴族社会で少し肩身の狭い思いをしていたらしく、家を出たいと言うと何も言われなかった。




 男爵家に来る前に住んでいた家に戻ろう。

 平民の母はもう亡くなっている。

 一人ぼっちだけど、私ならきっと大丈夫。やっていける。




 もう高望みはしないから、平凡でも幸せな家庭を作りたい。







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