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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
悲叫編
99/121

八十二話 ロリコンと演者は道を決める

四月二十五日


 翔太とリリィは電車に揺られていた。

 リズムに合わせて思考を巡らせる翔太にリリィは唯、寄り添うだけだ。

「……ん」

 翔太は小さく声を漏らし、隣に座るリリィを見た。

「ごめんね。終わったよ」

「お疲れ様です」

「次は設備の整った劇場だからね。ガラッと変わるさ」

「……とても楽しみです」

「……ん」

 静寂。

 汚れの無い真新しいスーツを着た男性も、談笑する学生たちも、全てが同じリズムに揺られていた。

「簡単じゃあないか」

 杠葉翔太の呟きが再び新たな世界を創る。

 交わした約束。

 果てない誓い。

 対した思慮。

 忘れることのない、忘れてはならない想い。

 形の無いものに形に似た何かを与える業。

「簡単じゃあないですよ」

 リリィ・ロペスの呟きは……主を護る。


 創り。

 護る。



同時刻

「……ありえない」

 ゲームセンターで絶句していたのは桂だった。

 アンナは翔太と別れた後、桂と合流しゲームで対戦をしていたが、アンナは勝つことができなかった。

 十戦十敗。

 しかし、それはさして大きな問題ではない。

 桂は気を利かせ、アンナでも勝てる相手をと考えた。

 そして柊花を呼んだ。

 柊花がゲームをしている姿を想像したことが無かった桂は、初心者同士ならいい勝負になるのではないかと考えたのだ。

 その考えは一瞬で消し飛ばされた。

 まずアンナとの対戦はパーフェクトゲーム。

 その後行われた桂との試合はガードに対する削りを少し行えただけで蹂躙された。

「桂も負けるのね」

「強すぎるだろ」

 短く煽り合い、ふたりは肩を竦めた。

 圧倒的な差とはそういうものだ。

「こういったゲームは決まった動きの中で決まった行動をすれば勝てるはずだから」

 と、柊花はナチュラルに煽りを加えてきた。

 しかし当人に自覚は無い。

「随分と慣れた様子だったけど……柊花ねーちゃん、このゲームやったことあるの?」

「ううん、ないわよ。一回見てコマンドは覚えたから」

 追撃の煽り。

 またしても自覚は無い。

「天才か」

「星奈先輩はプロゲーマーにでもなった方がいいんじゃないかしら? たった一度でこれだけならその方が稼げるように感じてしまうわ」

 その言葉を受けて柊花は顎に手を当てて考えを巡らせた。

 未来のことだ。

「適正だけ考えればそれも手段の一つだね。でも、他にやりたいことがあるから」

「……やりたいこと」

「そう。私には先見の明は無い。それなら今を重要視しないといけないの」

「……」

「それに先のことがわかって嫌なことがあったら悲しくなるから」

 と、未来に向かいながら柊花は悲しそうに紡いだ。

 アンナにその言葉の意味はわからなかった。

 わからなくて。

 わからなくて。

「……やりたい、こと」

 嘆きに似た言葉を絞り出すことしかできなかった。



同時刻

 月見里芽衣は走り、アムール宝狼二〇三号室のインターホンを押した。

「翔太、行っちゃったかな?」

 前髪を軽く整え、呼吸を戻す。

 心臓は囃し立ったままだ。

「はーい」

 聞き慣れない声と共に扉が開き、女性が現れた。

「え?」

「あれ? 翔太のお友達?」

 女性の正体は杠葉優奈。

 芽衣を全身くまなく舐めるように観察しながら来客の正体を探った。

「あの、えぇ。はい。どちら様……ですか?」

「姉でーす。翔太は出かけちゃっててね」

「そう、でしたか。わかりました。失礼します」

「ちょーっと待った!」

 芽衣の視線の動き、訪ねてきた意味。

 観察と推測の末、咄嗟に引き止めた。

「は、はい」

 戸惑いつつ、優奈と目を合わせた芽衣は、四度、瞬きをした。

「……」

 八秒。

 締め付けられるような短い間が過ぎた。

「あの?」

「上がっていきなよ。面白い話があるのよ」

 部屋の中を示し、誘う優奈は未来視を行い悪巧みを一つ。

 しばしば誤用される『先見の目』という言葉が似合う優奈は心の奥底で笑っていた。


こんにちは、

下野枯葉です。


ずっとずっと、アニメを見ていました。

それも十年近く前の作品。

そして最近のアニメを見ました。

あぁ、いいな。って。

長生きしておきたくなるなって。


さて『道を決める』です。

定まってきましたね。

この悲叫編のメインルートの他のサブルートです。(メインにかかわらないとは言っていない)

このサブルート悲叫編の次以降に響くので書いておかないとと、思っています。

邪魔にならないように書かないと悲叫編がつまらなくなるので調整が大変です。

頑張ります。


毎週書くのはやっぱり楽しいですね。

書き終わった後、その日何もできていないと嘆くこともしばしばですが、

やはり、書いている時の、あの、多幸感。

堪らないです。

とりあえず年末までは毎週書けそうかなーと思っているので、

よろしくお願いします。


では、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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