七十六話 金髪幼女の冷徹
四月十八日
夜も更け、愛を語り合い終えた二十三時。
リリィは幸せを十二分に噛み締め乍ら夢の世界に入る。
翔太はそれをたっぷり十分間、眺めてから同じく夢の世界を探し始めた。
探して探して。
……激しい鼓動で眠れない状況に至った。
落ち着こうと台所へ。
時を同じくして、アンナは眠い目を擦り乍らコンビニから帰宅していた。
しかし、何の間違いかアンナは階段を上っていた。
……二〇三号室へ。
気持ちが昂っていた翔太は不用心にも鍵を閉め忘れていた。
これが、修羅場への序章にして最悪の一手だった。
災厄へ。
ガチャリとドアの開く音。
鍵の締め忘れに即座に気付いた翔太は、身構え、武器を探す。
視線を動かし、招かれざる客を凝視し、驚いた。
フラフラと歩くアンナがいたからだ。
「アンナ? 部屋をまちが――」
瞬間、アンナが前のめりに倒れる。
夢へ夢へ、と誘いの声に乗ったのだ。
安息の地に戻った安心感からのその行動を理解し、翔太は縮地の要領で体を倒し受け止めに向かった。
支える。
誰かの体を支えるという行為は、翔太にとって珍しいものであった。
それ故にリリィのつもりで支えてしまったのだ。
年齢による体格差。
後方へ倒れ、受け止める。
怪我をさせてはならないと包み込むように抱き締めて。
倒れた瞬間に痛みから意識は現実から乖離した。
冷たい床と温かいアンナの体温だけが翔太に伝わっていた。
四月十九日
朝六時。
リリィは隣に翔太がいないことに気付いた。
休日だというのにこんなに朝早くに起きているなんて珍しい。と思ったリリィは台所へと向かい姿を探す。
絶望。
狼狽。
驚愕。
婚約相手が従姉妹を抱き乍ら玄関前で眠っていた。
異質な状況から何かの事故であることは容易に想像できたが……憤りを感じずにはいられなかった。
煮え返る様な怒りの感情。
十歳の少女が体験するには余る感情。
目からは光が消え、行き場のない感情を呼吸で無理矢理吐き出そうとする。
震え。
震え。
震える。
ゆっくり。
ゆっくりと翔太だけを起こした。
リリィの口角だけは上がっていた。
「ん……? リリィ? んあ? え? …………え」
状況把握。
周囲観察。
青ざめていく翔太の顔にスッと寄ったリリィは一言。
「お話、しましょう?」
冷徹。
それを身を震わせ感じていた。
こんにちは。
下野枯葉です。
冷徹さを最近感じました。
理不尽。
そう感じ乍らも正しさを否定しきれない。
強い言葉。
優しく刺されるその言葉。
きっと誰もが一度は経験したことがあると思います。
大声で泣いた人もいるでしょう。
グッと堪えた人も、反発した人も。
色んな感情を抱いた人も。
これは翔太の抱く感情を見てもらいたくて書きます。
そして、ラノベでよく見る修羅場を見る為に。
見てもらう為に。
楽しいと思えるその日の為に。
さぁ、さぁ!
と、そんなとこです。
あ、そういや、ポケモンって秋ごろ発売ですよね!
楽しみになってきた!
では、
今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




