表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
悲叫編
86/121

七十話 ロリコンと評価の基準

四月十七日


 放課後。

 部室の鍵をクルクルと回しながら多目的室に向かう。

 あーあ。部員増えねぇかなぁ。

 やっぱり演劇部―、百人入ってもだいじょーぶ!

 ホントに増えねぇかなぁ。

 と、強欲なことを考えている俺は裁かれるべきだろうか?

「部員、部員……お?」

 外で部活勧誘をする生徒を眺めつつ部室の前に桂がいるのを見つけた。

「おぉ」

「どうも」

 会釈程度、頭を下げて挨拶をする桂に安心感を覚えた。

 優しい笑顔と、包容力のある雰囲気。

「今日も見学に来てくれたのか?」

「いや、そういうわけじゃなくてですね」

 見学。という言葉に反応し、表情を曇らせて否定を溢す。

「えっ……カチコミ?」

「拳一つで十分だろう?」

 俺の返したふざけに対して、右拳を数度鳴らす。

 斜めに飛ばす視線が強烈な圧を宿し、膝が笑う。

 単純明快。

 恐怖だ。

「ヒエッ……」

「冗談はさておいて。入部届を提出に」

 スッと消えた圧に、演技であることを知り、肩を落とす。

「……お、おぉぉぉ」

 心がざわついた。

 この人材が演劇部に入る。

 あぁ。

 嗚呼!

「あのー、先輩?」

「好き」

 しゅき。

「翔太君。桂は男色の趣味はないよ」

 唖然として動けなくなった桂と、動こうとしない俺を動かしたのは柊花だった。

「お、柊花ねーちゃん。俺、入部することにしたわ」

「そう来ると思ってたよ。さ、行こうか」

 柊花が非常に落ち着いた表情を現し、桂を部室に招く。

 初めて見る表情だった。

 俺では見ることのできなかった表情だった。

 部室に入り、荷物をおろしながら聞くべきことを思い出した。

「ところでさ、桂……くんは、演劇経験者って聞いてるけど」

「呼び捨てでいいですよ。中学では演劇部でした」

「そっかそっかぁ……最高じゃあないか。経験者で男子部員。頼もしいことこの上ない」

「いやー……でも昨日の劇を見て、中学と高校の歴然とした差を見せつけられました」

 視線を落とし、落ち込んだ雰囲気をみせる。

 しかし、瞳は輝き期待が宿る。

「そうなの?」

 柊花は桂の言葉に疑問を持ち、俺に問いかけてきた。

「まぁ、俺もそれを感じることは多々あるかな。それでも中学演劇で他を圧倒することもあるけど……」

 言葉の通りだ。

 中学演劇でさえ、有名な劇団より上手いと、美しいと、ワクワクすると思える劇を創るときもある。

 しかし劇に対する感想とは個人の感情であるから、何が上手くて何が下手でなんて決定づけるものは無いのだ。

 だから俺は曖昧に返す。

「そう……なんだ。私は高校演劇しか知らないから」

「そうだよ柊花ねーちゃん。ビックリしたよ……演劇、やってたんだね。教えてくれればよかったのに」

「教えるも何も……あんまり会うタイミングも時間も無かったから」

 慣れた会話が目の前に。

 幼馴染。

 いいな。

 と、嫉妬を一つ。

「まぁ……そうだよね。それよりも柊花ねーちゃんが舞台に立ってる劇ってないんすか?」

 興味本位に俺にたずねて来たので記憶を探す。

「あー、学校祭の劇なら」

 そういえばと、思い出す。

 俺は直接見ていない為、半ば忘れていた。

「DVDとかないんですか?」

「無いと思う――」

 恥ずかしそうに柊花が、存在を隠そうとしたが。

「――あるぞー」

 と、俺がサムズアップ。

「あるんすか?」

 驚く桂だったが、もっと驚いていたのは柊花だった。

 顧問は本当に抜かりが無い。

「そしてこれが、その映像だぁ!」

 高らかにDVDを掲げ机に置いた。

「恐ろしく早い映像準備、俺でなきゃ……で、これは誰が出てるんですか?」

 あ。

一瞬ふざけたな。

 話が合いそうだな。

「私だけ」

 自分に指を向けて当たり前のようにそう話した。

「一人……芝居」

 空気と色が変わる。

 興味だ。

 驚きだ。

 一人芝居の難しさを知っているが故の表情だった。

「そう。この時翔太君はリリィちゃんとの婚約で忙し――あ」

「あ」

 あ。

 言葉を仕舞ってくれてありがとう。

 でも婚約って言っちゃたねぇ。

「婚約?」

 食いついちゃったぁ。

 あーあ。

「あっ、いや、なんでも」

「え、うん。なんでもね」

 俺と柊花は腕振り首振り、適当な言葉を並べ誤魔化そうとする。

「そうで――」

 気を遣ってか、桂は笑って見過ごそうとしたが……。

「――ねぇ翔太、リリィちゃんって五年生になったんだっけ?」

 芽衣が婚約者の名前と学年を宣言しながら入ってきた。

 げーむおーばー。

「「………………」」

「五年生? 小学……十歳」

 流そうとした話であったが、年齢を考察をして凍る。

 目が犯罪者を見るような、軽蔑するような。

 だけど、それは失礼だよなと必死に隠そうとするような。

 見てるこっちが苦しくなる目。




「あはは」

「あはは」




 俺と柊花は笑うことしかできなかった。


こんにちはー。

下野枯葉です。


評価基準。

通販サイトのレビューとか見てると評価って気にしちゃいますよね。

でもああいうのってサクラが混ざってたりして信用できないんですけどね。


さて、今回は桂くんのお話です。

柊花との幼馴染ですが良い後輩です。

俺もこんな後輩がいたらなあ。

学生生活楽しかったのか……なんでもないです。

やめようよ、悲しい話はさ。


桂くんですが。

まぁ今回の悲叫編でちょっと良い活躍してもらおうかなと。

予定ですけど。

次も頑張って書くぞぉ。


さて、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ