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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
悲叫編
84/121

六十八話 ロリコンと誘拐

 多目的室には七人の少年少女が集まっていた。

 新二年生になった俺、芽衣、柊花。

 そして新入生の金髪美少女、双子、高身長男子。

 ……この男子は一体?

 という視線を芽衣に送ると、二度首を横に振り柊花に視線を送った。

 そして柊花を見ると不思議そうな顔をしていた。

 なんで?

「あれ? 柊花は外に行ってないよね? 誰?」

 芽衣からの反応を見て、連れてきたのは柊花だとわかった。

 スッと近づき、耳打ちをするように尋ねる。

「説明が難しいんだけど……。簡単に言うと、ご近所さん……お隣さんというやつだね」

 少し濁った答えが返り、聞こうと思ったが、もっと聞かなければいけないことがあった。

「劇の経験は?」

「中学は演劇部だったはずだよ」

「なにそれ絶対欲しい。頑張るわ」

「うん、頑張って」

 芽衣が一人も連れてこなかったことは後で面白おかしく聞いてやろうと思いながら黒板の前に立った。

「じゃあ、まずは自己紹介からお願いしようかな」

 無難に進行し右手を伸ばし、金髪美少女……アンナを示した。

「アンナ・サンチェスよ」

 立ち上がり一言。

 着座。

 え、終わり?

 短いなぁ。

 続けて双子に。

蒼万雅(そうまみやび)。光の姉です」

蒼万光(そうまひかり)。雅の妹です」

「演劇を見たのは今日が初めてです」

「とても面白くて私達もやってみたいと思いました」

 と、ふたり同時に頭を下げてから着座した。

 魅了の赤紫。不信の青紫。

 まただ……色が分かれた。

 最後に高身長男子が立ち上がった。

 デカ過ぎんだろ……。

 一八〇cmくらいありそうだな。

星巌桂(せいがんけい)です。星空の星に巌、大黒柱の柱でケイと読みます。中学から演劇やってて、高校でも頑張ろうかなーって思ってます。因みに照明と音響なら担当したことがあるんで!」

 頼もしい。

 部長、交代する?

 と、そんなわけにもいかず着座した桂をみて一呼吸。

「ようこそ演劇部へ。部長の杠葉翔太です。いやー、本当によく来てくれました。各部活の【お菓子あります】の誘拐行為に捕まらなくて」

「うちもやろうとしてたくせに」

「おっとぉ、それは言わない約束だぞ」

 俺も去年攫われそうになったが、大変効果的だったので採用しようとした。

 が、倫理的にまずいよねって。

 確かに誘拐はダメだよね。

「閑話休題。ここに集まってくれたのは、さっきの劇を見て劇に興味を持った人、劇に前から興味があった人、舞台演出に興味がある人、演じることをしてみたい人……どれかはわからないけれどこの演劇部で何かしらしたいと思った人だ」

 至って真面目に。

 劇に対する感情を明確に示し、目を惹く。

 簡単な技法だけど、部活勧誘ならかなり有効だった。

 そしてこのタイミングで【西宮高校演劇部】らしく転じる。

「今日は当校の演劇部が何をしている、するのかを教えていきまーす。はい芽衣君柊花君」

 指をパチンと鳴らして手下を呼ぶ。

「あ、これ本当にやるんだ」

 芽衣が呆れながら丸められた大きな紙を取り出した。

 柊花はその紙の端を持ち、広げる。




 目標! 地区大会!




「「「「…………」」」」

 沈黙。

 あれ? ワーッと歓声が聞こえないなぁ。

 おっかしいなぁ。

「えー……地区大会目指します。以上です」

 咳払いを挟み控え目に宣言した。

「こんなに大きい紙を使って」

「一つだけ」

 場が凍る。

 これはキツイ。

「あ、因みに去年の地区大会はどんな劇をしたんですか?」

 見かねて桂が場を繋げようとしたが……。

「桂、去年は出てないんだ」

「え?」

 再び場が凍った。

 悲しいなぁ。

「去年は全員で五人だったし、卒業したふたりの先輩は夏とか絶賛就活してたから……な?」

 と悲しい空気を一蹴したいと思いながら、現実を呟いた。

「人なんて金で雇えばいいのに」

 と、アンナが不思議そうに一言。

「んなことができるかぁ! とりあえず今日は『星の語部』という劇の影像を垂れ流しつつ聞きたいこととか受け付けようと思います」

「それはつまり」

「計画が無かった?」

 この双子、初対面の先輩の顔面めっちゃ殴るじゃん。

 右ストレートキッツいわぁ。

 泣こうかな。

「否定はしない。どうやら演劇経験者もいるみたいだし、高校演劇とは何ぞや。という疑問に対して実際に見てもらおうということです」

「わー。わかりやすいですねー」

 もう、フォローできない状況にもかかわらず桂は笑顔を返してくれた。

「なんか……ごめん」

「いえ」

 やっぱり、部長交換する?

 と、半泣きになりながら先日の【星の語部】を再生し始めた。

 因みに顧問がいつの間にか録画していてくれたらしく、DVDに保存して部室に持ってきてくれたのだ。

 四人は小さなテレビに釘付けになり、劇を見てくれる。

「ところで台本はあるの?」

 不意にアンナが声をかけてきた。

「あぁ、見るか?」

「えぇ」

 保存用の一冊を手渡し、ペラペラと捲り始めた。

 アンナにもちゃんと話を聞かなければならない。

 リリィのこと。

 ロペスのこと。

 どうしてここにいるのか、ということ。

 まぁ、次の食事会の時にアリサさんに聞けばいいか……。

「……で、どうなの? この子達でいける?」

 と、考えていると芽衣が脇腹を突いて聞いてきた。

「ん? やってもらうさ」

 一瞬の不安を認めたが、最初から全員が経験者とか、実力を持った人間とか有り得ないからそうする他ないと笑った。

「その前に入部届を提出してもらわないとだね」

「だなぁ」

 大前提を忘れていた。

 まずは部員を確定しないと。

 時は過ぎ、劇が終わった。

 その後、基礎練のメニューを見せたり、なんだり……。

「とりあえず今日の見学はこれで終わりだ。今週は毎日部活をしてるから是非、見学に来てくれ」

 〆の挨拶をして新入生を帰らせる。

「それじゃあ」

「失礼します」

「んじゃあ俺も失礼します」

 雅と光、桂は退室した。

 結構好感触だった。

「おーう、気をつけてな」

 入部……してくれるかな。

「杠葉翔太。それじゃあ帰るわよ」

 一方のアンナは『フォローミー!』と言わんばかりに親指で外を数回指した。

「ん?」

 ん?

「え?」

「いや、なに?」

 なんで親指振ってるの?

「帰るんでしょう? アムール宝狼に」

「ん?」

 ん?

「え?」

「は? なに?」

 アムール宝狼に帰るよ、そりゃあ、リリィが待ってるし。

「だから、一緒に帰るんでしょ?」

「ん?」

 ん?

「え?」

「なんで?」

 一人で帰るよ。



「いや、今年度から私も住むのよ?」



「……は?」



 はぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ??????????


こんにちは、

下野枯葉です。


ゴールデンウィーク。

この不景気のせいでそこそこ休めました。

何にもできない休みは辛いのかなぁ?

とか思ったけど、モンハンしてコレ書いて。

意外と忙しかった。




さて、今回は誘拐です。

少しネタバレだけど学生時代の部活動勧誘の『お菓子あります』は誘拐だよな。

って。

引っかかりそうになったけど、何とか逃げましたよ。

お菓子欲しかった。

と、懐かしんだ新学期ですが……。

新学期の思い出とかマジでないわー。

ゼロだわ。

大して良い青春を過ごしていないしね。

悲し。涙出てきた。

新キャラも動かして行くか。と思いながら、キャラが増える大変さを味わっています。

頑張ろぉ。


では、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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