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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
選択編
8/121

三・五話 金髪幼女は偽りを切り捨てる

 こんにちは。

 リリィ・ロペスです。

 翔太さんとの生活が始まりました。

 なんだか緊張します。

 翔太さんはとても優しくて、料理も褒めてくれて……嬉しいな。

 ……でも、どこか遠慮されてしまっている気がします。

 やっぱり私が九歳だからなのかな……?

 それに、寝所は共にするものだと思い覚悟を決めたのですが『流石に布団は別だよ!』と言われてしまいました。

 年齢の壁が大きいなと改めて実感しました。

 これからその壁を壊していけるかな?

 そんなことを考えながら新しい生活を満喫しています。

 そういえば、翔太さんが何かを隠している気がします。

 もしかしてエッチな本だったり?

 少し気になっちゃいます。



 では!

 三話の裏側、三・五話始まります!



 同棲生活開始から数日。

 翔太へのお弁当作りにも、新しい学校にも慣れた頃。

「はぁ……」

 一人の金髪幼女、リリィは溜め息をついていた。

 場所は山城小学校、四年三組の教室。左後ろの角の席でリリィは机に突っ伏した。

「リリィちゃん? どうしたの?」

 覗き込むように声をかけたのは花渕咲菜。

「咲菜ちゃん。ううんなんでもないよ」

「そう? ならよかった!」

 リリィの言葉を聞き、安心したのか飛び上がった咲菜は、ショートカットの髪を大きく揺らしながら笑顔を咲かせた。

「ねぇねぇリリィちゃん、今日学校終わったら遊ばない?」

 笑顔をそのままに咲菜はそう提案をした。

「今日?」

「そうそう! リリィちゃんちに行ってみたいなーって!」

 犬のように目を輝かせる。

「えっと……今日は――」

 リリィは普段なら快諾しただろうが、今の生活ではそうはいかない。

 翔太と過ごしている以上、誰かが家に来るのには互いの承諾が必要だろう。

「リリィちゃん、咲菜ちゃん、おはようございます」

 そこに現れたのは宮代花音。

 赤いランドセルにかかる長い黒髪。

 柔らかい表情に、一つ一つの動作に品がある。

 リリィよりも『お嬢様』という言葉が似あってしまいそうな、そんな女の子である。

「あっ、花音ちゃんおはよー!」

「花音ちゃん、おはよう」

「何を話されてのですか?」

 リリィの前の席の花音はランドセルを下ろし、教科書を机に入れ始めながら質問をした。

「今日、リリィちゃんちに行きたいなーって! そうだ、花音ちゃんも今日一緒にどう?」

「ごめんなさい、今日はピアノ教室に行くので……」

 一瞬目を伏せた後に、笑顔で対応をする。

「そっか今日は木曜日だったね……また今度だね」

 リリィの転校前から交流のあった咲菜と花音。

 曜日だけで相手の予定がわかってしまうのだから、とても仲が良いことがわかる。

「咲菜ちゃん」

(私もこんな風に仲良くなれるかな?)

 リリィの思考にそんな気持ちが流れてきた。

 きっと断ることですら戸惑うのなら、次の段階なんて夢のまた夢だ。

 意を決し、リリィは声を出す。

「ん?」

「私も今日は用事があって……」

(……嫌な顔をされちゃうかな?)

「えー、そうだったの? じゃあ今日はダメだねぇ。また今度!」

 咲菜は残念そうにしたものの、笑顔を崩さなかった。

 それを見てリリィは嬉しくなった。

 絶対に仲良くなれる。そう確信したのだ。

「……うん! また次の機会だね」

「うん……あっ、そうだ! 今日の体育で……」

 何気ない会話が続く。

 その裏でリリィは胸を痛めていた。



 数時間後。

 小学校の授業も終わり、リリィはアムール宝狼二〇三号室の扉を開いた。

「ただいま……って一人だよね」

 ランドセルを下ろし、机の上に置いてあるスマホを確認する。

 学校に持っていけないため、翔太からの連絡を確認するのは帰宅後となってしまう。

 画面には二件のメッセージ通知があった。

 一つは翔太からのメッセージ。

 もう一つの通知の差出人を見た瞬間、リリィは目を閉じた。

 スマホの画面を消し、全身から力を抜く。

「……貴女からの偽りはもういらない」

 リリィは怒りの感情を少しだけ表に出した。

 エプロンを身に着け、髪を結う。

「自分で手に入れてみせるから」

 スマホを机に置き、リリィは台所へ向かった。

 今日の晩御飯は鶏肉と大根の煮物を中心に作ろう。

 そう考え、冷蔵庫を開けるのと同時にスマホに通知が入った。

 『母』からのメッセージの題は『警告』だった。


こんにちは、

下野枯葉です。


今回は三話の裏側を書いてみました。

裏側と言いつつ、本編に大きくかかわる重要なことが多く出てきます。

それと、リリィの小学校生活を描けるのが楽しいぃ。


あぁ、今回はこの辺で。

めっちゃ早いケド。


では、


最後に、

金髪幼女は最強です。

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