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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
決別編
48/121

三十四話 ロリコンはシスコンをその身に宿す

十二月九日。

 午後四時。

 西宮高校の体育館。

 俺は舞台の準備を進めていた。

 柊花と芽衣には昨日のうちに声をかけ、準備の協力を得ていた。

 そして会場となる体育館は、日曜なのに許可が出た。

 リリィが「お任せください」と言ったのだから許可が出るに決まっているよね。

 おかしいな。うちの高校、公立なんだよな。

 それは置いといて。

 あと三十分後には劇が始まる。


 さぁ、花音ちゃんに宮代翔太を合わせよう。


 二十分後、リリィと花音ちゃんが体育館に来た。

 花音ちゃんの瞳は光を失っている。

 俺はメンタルに詳しくないが一目で傷心しているとわかった。

 用意した客席は舞台を見るには最高の位置。

 暗幕を締め切り、照明を落とす。

「花音ちゃん、始まるよ」

「……はい」

 リリィの優しい声に、心の中で訂正を一つ。

(いいや、とっくに始まってるよ)

 緞帳は上がらないまま俺は男子高校生を演じ始める。

 下手から走りながら緞帳前に登場した俺に照明が当たる。

 中央付近で立ち止まり、息を切らしながら膝を数回殴る。

 そして上手を見据えてから再び走り始めた。

 同時に緞帳は開き、世界を認めさせる。


 俺は花音ちゃんに想いを伝えながら、照明操作を行う柊花に一瞬感情をぶつける。

 何故なら、この劇は学校祭で講演したものと酷似しているから。

 舞台に立つ役者は一人だけ。

 この役者が全てを惹き付け、全てを飲み込む。

 全身全霊で立ち向かおう。

 想いと情熱を掛け合わせ、俺は愛を表現し始める。



 ふたりの出会いは劇的だった。



 喜劇は続き、少年の心は揺らぐ。

 抑制された世の中だからこそ揺らぎは大きくなる。

 倫理と戦った少年は、距離を置く。


 俺の気持ちは切り捨てろ、何も考えるな。


 この別れに涙を堪え、心を閉ざす決意をした刹那。

 少年は強い想いを見た。


 絶対に離れない、その覚悟。

 一人の少女が示した覚悟。


 葛藤をしながら日々を過ごす。

 決して……本当の気持ちを表に出さないように。



 聖夜。



 悲劇は突然に訪れる。



 最期の言葉は端的で深く紡がれた。





 完全に役に入った俺は自然と涙を溢していた。

 震える口で紡がれた最後の言葉。

 しかしこれは伝えられなかった想いだった。

 

 俺は芽衣にアイコンタクトをして緞帳を開けたままにしてもらった。

 台本では既に閉幕しているが、俺は続ける。

 驟雨のように涙を流す花音ちゃんに、伝えなければならない台詞がある。




「さよなら」




 顔をくしゃくしゃにしながら花音ちゃんは強い眼差しを前に向ける。




「さよなら」




 互いに交わされた決別の言葉を以て、閉幕。


 万雷の喝采は無く、咽び泣く声だけが体育館に響いていた。


こんにちは、下野枯葉です。


世間はお盆休みを迎え、時勢を考えた帰省を求められています。

しかし、下野、帰省をしばらくしておらず帰る気もないので、関係ありません!

仕事もあるからね!!!!!


えぇ、こんな私情は置いておきましょう。

今回のお話は『決別編』の結になります。

その後を一話か二話書いて完全に終幕です。

いやー……楽しかったな。

俺の想いがどれだけ文字に現れて、どれだけ伝わっているのか不安です。

でも、なろうに書いている時点で、自己満足を求めているので構いません。

楽しかった。それが一番と思います。


次のお話も考えてありますが、一週間お休みをすると思います。

気が向いたら投稿するかもしれませんので、その際は読んでいただけると幸いです。


では、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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