三十二話 ロリコンはシスコンの物語を描き始める
寒雨が降りしきる中、曇天の空を呆然と見つめた。
食事会は急遽中止にしてほしいと連絡をして、承諾をもらった。
俺とリリィはふたり。
しんしんと音が響き、炬燵に入れば心地よく眠りについてしまうだろう。
だが、花音ちゃんの虚ろな瞳が頭に残り続け、落ち着かない。
思考する。
深く、深く思考する。
考えるんだ。
あの後、状況を全て理解することはできなかったが、俺はリリィにアイコンタクトをして部屋に連れて行った。
とりあえずリリィには花音ちゃんをお風呂に入れてもらった。
その間に俺は花音ちゃんの携帯電話を操作し『母』と登録されている番号に電話を掛けた。
電話は少しだけ大変だった。
娘からの着信に出ると、知らない男が出たのだから狼狽えるのも無理はない。
事情を丁寧に説明し、すぐに迎えに行くと言ってくれた。
十分程で駆け付けた花音ちゃんの母親は娘を車に乗せた後、事情を説明してくれた。
兄である宮代翔太は昨年の十二月二十四日に亡くなり、今日、一周忌が執り行われたこと。
それに伴い、気持ちの整理がつかずに残していたアパートも解約を決めたらしい。
が、整理がついたのは親のみであった。
花音ちゃんは、一周忌で兄の死を再認識させられ、残っていた最大の思い出を切り捨てられるのだから、錯乱し、迷走し、現実を拒絶するのは無理も無い。
心が壊れてしまう。
「…………リリィ」
「はい」
寒雨の音に負けてしまいそうな声に、リリィは同じく答える。
覚悟。
その言葉を何度胸に刻んだだろうか?
その言葉の重さをどれだけ実感しただろうか?
その言葉がこの身を鼓舞し、火が灯る。
その言葉に呑まれてしまわぬよう呼吸を整える。
「……」
「……」
数秒の静寂の意味。
リリィの優しい笑みが咲いた。
「あぁ」
俺は最高の物語を描き始めた。
何があってもこの足を止めない。
現実が想いを引き裂こうとも継ぎ接ごう。
決して離れない誓いがあると叫ぼう。
悲しい結末からは決して逃げられないが……最善を尽くすのみだ。
それが俺の描く世界。
異物と消された世界。
こんにちは、
下野枯葉です。
まさかまさかの本日二本投稿です。
ネタがないと焦り、書けないと嘆いたのはたった一週間でした。
乗り越えると、インスピレーションがギャンギャンです。(語彙力)
なので二本行きました。
後でネタが枯渇しないか心配です。
さて、今回はやっと翔太君が覚醒します。
こいつ、主人公やん(見直したわ)
まったく、台本を書くことに関しては右に出る者はいませんね。
(台本を考えるのきっつい)
今回は台本も書いて投稿しようかなと思っています。
ただし、ストーリー上でもわかる通り、ガチな台本ではなく、20~30分程度の台本です。
個人に宛てた物語ですからね。
さぁ、書いてきます。
では、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




