三十話 ロリコン「パターン青!」
演劇部、部室。
「遅くな――えっ」
驚愕。
全員ゲン〇ウみたいに座っていた。
デンッデンッデンッ、デンデン。
ってBGMが流れそう。
「「「「………………」」」」
全員の視線が『来たか……』という感じで俺の方に集まる。
「貴様ぁ……中々の度胸だなぁ?」
羽衣石先輩は限界の低さの声でプレッシャーを放った。
と、いうか最低限の知識で役になっている。
「バレて……ます?」
バツが悪そうに頬を掻いた。
「何で台本書いてるのさ?」
芽衣は役すら忘れ、いつもの調子で聞く。
「えーっとですね? うん。あはは?」
『テヘペロ☆』とか言えれば状況は好転したのだろうか?
いや、無理だな。
そう考えを纏め、俺は笑顔で誤魔化した。
「あはは。三送会、台本……今月末にはテスト。うんうん、マルチタスクってレベルじゃねーぞ」
指を折り、数えながら天国先輩は圧を与えてくる。
「ごもっともで」
「それで、理由は?」
「実は、ですね……」
ここまで手の込んだ芝居を用意されて、問い詰められれば嘘を答えたくはない。
だから俺は丁寧に答えた。
花音に対して抱いた感情。
足りないピースを埋める唯一の手段。
俺に許された力と、その行使の理由。
「「「「ロリコン」」」」
「シュア」
息ぴったり過ぎて英語で返しちゃったよ。
ロリコンだもの。
「全く……もう、あぁ、全く」
「なぁ芽衣、コイツはいつからこうなった?」
羽衣石先輩と天国先輩は頭を抱え、机に額を打ち付ける。
絶望……言い過ぎた。呆れだ。
呆れの感情を投げられる。
「えっと、いつからと聞かれれば……もう最初からロリコンだと思います」
「ちょっ」
芽衣も芽衣だ。
容赦なく事実と言う剣を振り下ろしたのだ。
もう、血も涙もねぇな。
「確か翔太君の読んでいる本って」
思い出したように柊花は、止め刺しへの一手への布石を打つ。
「『すみ☆ロリ』……高校に入る前から読んでいたらしい。QED」
天国先輩の証明完了の告知。
「ギルティ」
有罪決定。
その台詞を引き金に、全員の配置と姿勢が冒頭に戻る。
「貴様一人でどこまでする気だ?」
今回はきちんと役になりきった芽衣は流石の演技力で語る。
「そこまでの権限を与えたつもりはないがね?」
柊花もうまい!
「ねぇ、ゲ〇ドウはそんなに喋ら――」
「――期待はしていないが……な」
あぁもう、台詞を食われたよ。
結構メンタルにくるなぁ。
「以上だ」
(俺はどの立ち位置なんだ? シ〇ジ君?)
肩を落としながら次の展開を想像し、もっと鬱になる。
それより、台本どうしようかなぁ。
「「「「……」」」」
静寂。
「え?」
「翔太君、流れは?」
驚愕の表情をそのままに柊花は確認を一つ。
「エ〇ァ的に?」
悩んだ挙句、汎用人型決戦兵器が脳内で出撃した。
パターン青!
「ゆず君……演技力はいつも通りだけど、即興力は落ちたよね?」
的確過ぎる指摘。
「そんなことは……無い、はず」
だが、俺はそれを認めない。
絶対に……認めたくない。
「お兄ちゃん……助けて!」
羽衣石先輩の刹那の間をおいての演技。
「ぬおぉぉ……俺にはリリィが、ハッ!」
返答に迷い。
そして演技であることに気付き、周りを見る。
納得……という目。
変な汗出てきた。
「これはヒドイ」
天国先輩……。
「ね」
即答の同調。
「ちょっと自覚してほしいよね」
芽衣さん、辛辣っす。
「うん」
柊花までぇぇぇ。
「はい……これはマズイです」
だが、否定できない。
ふと思えば、ここ最近即興劇をしていない気がする。
「よし、じゃあ週明けから」
指を鳴らした天国先輩は狡猾神も身構えてしまいそうな笑みを浮かべた。
「へ?」
「「「「特別レッスン開始だ!」」」」
「あっっっっっ!」
あっっっっっ!
こんにちは、
下野枯葉です。
最近、漫画を纏め買いしました。
くっそー……完結済みの漫画を買えばよかったなぁ。
続きが気になって仕方がない。
さて今回のタイトル。
台詞をパクりましたね。
まぁ、わかりやすいし、好きなセリフだから……。
問題あったら直します。
と、前提を並べてから。
タイトルから伝わる通り、ピンチですね。
最大の敵が攻めてきましたね。
攻略の道筋も少しずつ考えながら、花音のお話も次回で転じさせようかな、と思っています。
予定はよく変わるものですけどね。
では、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




