二十八話 ロリコンにできること
十二月三日。
夜七時半。
アムール宝狼二〇三号室。
夕食を終え、お茶を飲みながら雑談をしていた。
「リリィ、花音ちゃんとはどうだった?」
昨日の朝、リリィに離したことを思い出し、状況を聞いた。
「えっと……はい、まぁ」
「ダメだった?」
リリィにしては歯切れの悪い答えに心配を一つ。
「いえっ! 仲良くなれました。それはもう、仲良くです!」
「おぉ……そっか」
「はいっ!」
「仲良く……ね」
ふ、と考え事を一つ。
数時間前。
部活も終わり、部室の戸締りを終えて鍵を職員室に戻そうとしていた。
「翔太君」
陽も落ち、暗くなった廊下で柊花は声を掛けてきた。
「どうしたの、柊花?」
「これ、知ってる?」
柊花の手には台本が四冊。
目に見えたのは『グスタフ』と『作 宮代翔太』の文字。
「ナイスタイミングだな。実は俺も今日初めて読んだんだ。『宮代翔太』先輩の台本。俺の書いた台本より細かくて、想いが伝わるし、展開に惹き込まれた……スゲーな」
「え?」
俺は率直な感想を述べた。
でも、悔しさだけは決して表情に出さないように。
「でもどっかで読んだことがある雰囲気なんだよな」
「それは……翔太君……が」
唖然として、瞬きをしない柊花を心配し、会話を続けた。
「いやー、こういう上手い作品だと比べちゃってさ? 自信なくなるなーって。まぁ、負けないくらい上手くなるけどな」
「あっ……」
口を手で塞ぎ、次の台詞を遮った。
「柊花?」
その様子を不思議に思い、顔を覗き込んだ。
「ううん、頑張って。翔太君ならできるよ」
「おう」
首を軽く振ってから咲かせた笑顔に、心が躍った。
「それじゃ、また明日」
「ん、じゃ」
別れの挨拶を短く済ませ、俺は昇降口とは逆方向にある職員室に向かって歩き始めた。
「翔太君!」
柊花の通る声が背後から聞こえた。
「んー?」
反射的に振り返り、柊花の姿を見る。
「まだ好きだよ」
表情はおろか、姿すら見えなかったが声だけが良く届いた。
柊花の笑顔が容易に想像できた。
心を揺らす澄んだ声。
誰もいないとも思える静謐な廊下での告白。
凍てつくような寒さの中でも動悸がはやし立て、熱を内側から感じる。
これが青春……なのか?
そして意識は戻る。
「翔太さん?」
何秒、いや何分考え込んでいたのだろう。
リリィの声が聞こえると、眠気が吹き飛んだような感覚に襲われた。
「ん?」
「考え事ですか?」
心配そうにする顔に、告白を受けたという後ろめたさ感じた。
だけど、俺の心は一切揺らがなかった。
「いや、ちょっと思い出したことがあってね。花音ちゃんのお兄さんの名前は知ってる?」
題を変えた。
と、言うか、話すべきことに戻した。
閑話休題だ。
「はい。今日聞きました……宮代翔太さん……」
「どうしたの?」
「翔太さん、言い方が悪いかもしれませんが聞いてください」
肩に力を入れて、呼吸を整えたリリィは姿勢を正した。
「うん」
もう一度、肩に力が入る。
「花音ちゃんは『兄』という空いてしまった席に翔太さんを代わりに座らせようとしている、もしくは頭の中で座らせてしまっているんだと思います」
「……そっか」
長考。
リリィの推測を完全に否定できない。
長考。
花音ちゃんと宮代翔太さんの想いが完全に重なる。
長考。
残るは一年前の事実だ。
長考。
「じゃあ俺がすることは一つだね」
結論。
集めた情報を纏め、やるべきことを見つけた。
ただし、俺にできることという制約はあるが……幸いにも最善手を打てそうだ。
「何をなさるのですか?」
「宮代翔太にもう一度合わせよう」
こんにちは
下野枯葉です。
時勢が揺らぎ、再び外出を制限し始めた下野です。
さて、今回はロリコンにできること。です。
普通に考えれば幼女を愛でるでしょうね。
捕まってしまえ!
おっと、私情が漏れましたね。
では、少しだけ内容に触れましょう。
四冊の台本についてです。
今日はその一つ。
四十六億の奇跡です。
これは四十六億と奇跡。これが繋がれば内容はわかるんじゃないかと思います。
地球誕生、それと同等の奇跡……主人公とヒロイン(妹)の出会いです。
ちなみに、台本は後々投稿しようと思っているので読んでいただければ……。
では、
今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




