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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
決別編
39/121

二十七話 ロリコンとシスコン

 ん。

 おぉ、始まってる。

 どうも、天国紫雲です。

 あー……俺の番になったのか。

 そんじゃあ近状でも話しますね。

 と、言っても前回のお話から察しはつくと思いますが……嫉妬ですよ。

 宮代と、杠葉。

 あの二人の才能が羨ましいです。

 特に杠葉翔太という男……演技力においても飛び抜けているからなぁ。

 ちょっと前の俺だったら泣いてますよ。


 まぁ、俺の話は置いといて。

 今回は天才同士の邂逅です。

 これは奇跡と呼ぶべき出来事のはずなのですが……このふたりに限っては必然です。

 そしてこの必然が、俺達にどう影響を与えるのか、楽しみだな。


二千翔……俺達の奇跡よりきっと楽しいぞ。

期待しようぜ。


 それじゃあ、二十七話。

 始まります。




十二月三日。

 放課後。

「こんにちはー……って翔太……は?」

 部室に来た芽衣は中を覗き、二千翔に一つ確認をする。

 部室には柊花、二千翔、紫雲がいた。

「今日は文芸部に行ってから、こっちに来るってー」

 三送会用の台本を目の前に広げた二千翔はこめかみに鉛筆を擦り付け、悩みながらそう答えた。

「えっ……」

「あっ……今日だった?」

 驚く芽衣の表情を見て、まずいことをしたと察した。

「……はい」

「ごめん、私と紫雲で文芸部に」

「はぁ……」

「明日でいい?」

「えぇ、仕方がありませんからね」

 残念そうに溜め息をついた芽衣は少しだけ安心した様に笑った。

「で、何しようとしてたの?」

 その様子を見て、意地悪な二千翔は問いを投げた。

「そっ、それは」

「それは?」

「秘密です!」

 芽衣の秘密の作戦は、また先延ばしとなった。

 二千翔仕込みの超絶魅了作戦。

 一体、いつになったら発動するのだろうか……。

 そんな中。

「紫雲先輩、聞きたいことが」

 柊花は、紫雲に質問をしていた。

「ん、何だ?」

「この台本って」

 提示したのは四冊の台本。

 今朝見付けた、自分を惹き付けた台本だ。

「あぁ……噂をすれば、だな」

「え?」

「翔太が帰ってきたら聞いてみるといい」

 この時も紫雲は答えを濁し、他人に任せた。

 しかし、それが最善とも捉えられるのだから仕方がない。



 文芸部、部室。

「……失礼します」

 俺は陰キャ特有の警戒心を全開にしながら、文芸部の扉をノックしてから開けた。

「はーい」

 中には一人の女子生徒がいた。

 ショートポニーでメガネの女の子……いや、多分先輩だろう。

 本から目を離し、俺を観察している。

「えーっと」

 扉を開けておいて、何も台詞を考えていなかった。

 意味の無い静寂が数十秒続いた。

 本当は数秒だったと思うが、凄く長く感じた。

「演劇部、ですか?」

 ハッと何かを感じ取った女子生徒は、俺の正体を見破った。

「え? あぁはい、そうです!」

「こんにちは、部長の相牟田です。演劇部、久しぶりだね……でも、もう書けないよ?」

 そう言いながら相牟田さんは俺を椅子に座らせた。

 『もう書けない』その理由はすぐにわかった。

「それって、宮代さんが」

「そう。アイツはもういないから」

 本を閉じ、窓の外を一瞥した。

 哀愁が俺の心を揺らす。

 相牟田さんは宮代さんとどんな関係だったのだろう。

 それは聞くべきではないな。

 でも宮代さんのことだけは聞かなくてはならない。

「宮代さんについて、少し聞かせてもらってもいいですか?」

 相牟田さんは一度頷き、同意を示した。

 その途中で口角が薄く上がった。

 あ、これは良くない。

 嫌な予感がします。


「……アイツはね……シスコンにロリコンを重ねた悪い奴だよ」

「?!?!?!」

 ?!?!?!


 あれっ、なんか違う。

 求めていた説明通りなんだろうけど、なーんか違う。

「妹が大好きだった。でも倫理なのか法律なのか……アイツは妹と距離を置いたの」

 俺の疑問を孕んだ顔を見て相牟田さんは追加の説明をする。

「そう……だったんですか」

「それで書いたのがコレ」

「え?」

 目の前に出されたのは一冊の本。

 手作りで、無骨ながらも熱意を感じる。

 『濔霊』(でいれい)という題の本だ。

「文芸部では毎月部誌を出していてね、これは去年の余り。というかアイツの最後の物語。是非とも読んであげてよ。それと、宮代のネタ帳と演劇部に協力していた台本ね」

 続けて差し出したのはノート二冊に台本四冊。

「……どうして俺に?」

「聞いた話、君もロリコンだと」

 ロリコン。

 そのワードを放つとき、愛牟田さんの視線がぶっ刺さった。

 痛えぇ……。

「んおぉぉぉ……。まぁ、否定しません」

 受け入れたからこの言葉が自然と出た。

 リリィの顔が浮かび、改めてロリコンだと認識した。

 やっべー、リリィ可愛い。

「ほー、そこまで行くと脱帽だよ」

 呆れ混じりの笑みを溢す。

 相牟田さんの笑顔を初めて見た。

 不愛想な文学少女というイメージを持っていたが、意外と可愛らしい一面もあるんだ。

「ど、どうも」

「じゃあ最後に」

「はい」

「文芸部に入らない? 兼部可能だよ」

 と言いながら、入部届を机の上に出した。

 どっから出したんだよ。

「演劇部が好きで……本気なので」

 真実を伝え、控え目に断る。

「それは残念だ。気が向いたらいつでも歓迎だからね」

 俺は頭を下げて文芸部室を後にした。


 濔霊とネタ帳、そして台本に軽く目を通しながら演劇部の部室に向かう。

 ふと、台本の表紙に書いてある文字を読み上げた。

「『四十六億の奇跡』……作、宮代――」

 その瞬間、心臓を鷲掴みにされた。

 少しずつ、線が繋がる。

 今までは見えなかった線。

 だが、今なら見ることができる。

 

「作、宮代……翔太」

 

 その響きは聞き慣れたものだった。


こんにちは、

下野枯葉です。


懐かしのアニメを見ながら作業するとすごく楽しいですね。

これ、昔から言われてたわ。



さて、今回はロリコンとシスコンです。

作者の私もロリコンです。(斬新な自己紹介)

でもこの物語の主人公……ロリコン翔太君にはかないません。


あ、負けたくないな。



では、今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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